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勉強しろ

はい。今回から新章突入しました。

目標は面白く、尚且つコンパクトに。


という訳で頑張ります。


誤字脱字の可能性大です。


誤字修正しました。

補習から一カ月程が経った。あの後は各方面に報告、俺たちのBランク昇格、それによる研究会の勧誘の活発化、エクレ先生の涙ながらの謝罪など、かなりゴタついたが、概ね平和に終わったと言える。


「まあ、勧誘の活発化だけはマジで鬱陶しいんだけど」


「同意」


「あはは……。流石に疲れるよねぇ」


何というか、無気力なスポーツ万能キャラの気持ちが分かった気がする。


「せめてテスト期間ぐらいはゆっくりしたかったな……」


「おちおち勉強も出来なかったからな……」


「お構いなしはちょっとね……」


思い起こすは、つい先日に行われた期末考査だ。


期末考査は進級にも関わる大事なテスト。このテストの結果次第で、その後に控える長期休暇が天国か地獄となる。


故に生徒全員が勉強に励む事になるのだが、俺たちはその間にも勧誘の雨に晒されていた。全員勉強しろと追い返したが。


「いやもうマジ鬱陶しかった。勉強が手につかないぐらい」


「そもそもヒバリ普段から勉強して無いよね? 冒険者ギルドの依頼受けに行ってたよね?」


俺の記憶を否定してくる、ジト目のアルトに一言。


「だって全部憶えてんだもん」


「うわーぶん殴りたい凄いムカつくコイツ」


清々しい笑顔で拳を構えるアルトだが、そんな事言って良いのかな?


「実技から座学まで、幅広く教えてやったのは誰かな?」


「うぐっ!?」


言葉を詰まらせるアルトに、更に追い討ち。


「魔法の効率的な訓練方法、組手の相手、座学に至ってはドンピシャの山まで張ってあげた、神と崇められても仕方の無い偉業を成し遂げたのは誰かな?」


「……………ヒバリたち、です」


「分かればよろしい」


そう。確かに俺たち自身は勉強なんてしていない。俺には人類の枠組みを突破した肉体性能が、雄一には生来の情報処理能力が、翔吾には毎日予習復習を欠かさない堅実さと元々の頭の良さがある。ぶっちゃけテスト前に勉強しなくても、普通に満点近く取れるのだ。


では、俺たちは自主的に勉強をどうしていたのかと言うと、


「赤点ヤバいと泣きついてきた奴筆頭に、全教科見てやったんだから感謝せんかい。誰のお陰で夏休みの課題漬けを回避出来たと思ってんだ」


クラスメートに勉強を教えていたのである。


何度も言うが、この学園はエリート校だ。しかも出来ない奴には容赦の無いタイプの。ならば当然、赤点者には地獄みたいな量の課題が与えられる。しかも、それが休暇中に終わらなければ、留年がほぼ確定するという鬼仕様。


なので、全員が必死になる。夏休みを満喫したいという連中が、俺たちに全力の土下座をかますぐらいに。


その熱意、というか鬼気迫る迫力に負け、金儲けを返上して成績優秀な俺たち三人で勉強会を開いたのだ。お陰で我がクラスの落第者はゼロである。


「それなのに、結果が出ると皆綺麗に手の平返し。ああ、僕は悲しいなぁ〜。……そこで聞こえてないフリしてるお前らに言ってんだよ」


いそいそと勉強道具を片付けているクラスメートたちをジト目で睨むと、心当たりのある奴らがビクリと肩を震わせた。


そして、俺たちの方を振り向き、


「「「「ユウイチ様、ショウゴ様、……………ヒバリ、ありがとうございました!!」」」」


「待てコラ。何で俺だけ間が空いた。何故俺だけ呼び捨てだ」


「「「「だって何か尺なんだもん」」」」


「OK今言った奴ら全員拳骨落としてやるから覚悟しろ」


「「え!? ちょっと! まさか女の子も殴る気!?」」


「安心しろ。俺の拳は男女平等だ全員纏めて沈めてやるよこの馬鹿どもが!!」


「「「「ギャアァァァァ!??」」」」



制裁中の為しばらくお待ちください。



戦犯、と言うかクラスメートの半分が頭を押さえて蹲る中、何も言わないという利口な選択をしたアルトが、頬を引き攣らせながら聞いてくる。


「……やり過ぎじゃない?」


「お世話になった恩人に対してあるまじき態度を取った報いだ」


「いや、けどこれだけ騒ぐとさ……」


何やらアルトが言いたそうな顔をしているが、それに続くように外からトタトタと誰かが走る音が聞こえてくる。そして、


「何事ですか!?」


「ほら。先生来ちゃったよ?」


スターンッと見事な音を立てて扉を開けたのは、我らの担任エクレ先生である。僅かに息を乱してるので、騒ぎを聞きつけてから急いで駆け付けたのだろう。


「ちょっ、何でお昼休みで死屍累々!? これやったの誰!? というか何やってるのヒバリ君!?」


「聞いておきながら証拠も無しに特定された!?」


何それ理不尽。


「だったら一体誰が犯人か皆教えて!」


その台詞に反応して、折檻を受けなかったクラスメートと、何とか復活した奴らが揃って俺の事を指差した。息がピッタリで何よりだ。


「さて、それじゃあ事情聴取といきましょうか?」


ぐわしとエクレ先生に頭を掴まれ、これはもう逃げられないという事を悟った。



説明中。



「ーーという訳です」


「……なるほどね」


説明を聞き終えたエクレ先生は、苦笑いを浮かべながらも納得してくれた。まあ、元々悪ふざけの延長みたいな物だから、そこまで怒っても無かったんだろうが。


「確かに恩人に対する態度としては問題アリね。ほら、皆もそこは謝りなさい。お陰で夏休みに課題漬けになんなくて済んだ人もいるんでしょう?」


はい。エクレ先生の言葉で目を逸らした奴、約八人。気まずそうな顔をした奴、約十人。前者の八人は、俺たちが助けなければ確実に落ちてた。実際テストはギリギリだったし。後者の十人は、勉強会を受けなかったら怪しかったな。半分近くはギリで落ちたんじゃないか?


「……こんなにいるのね……」


クラスの半数近くが点数的に怪しかった事が発覚し、エクレ先生は肩を落とす。自分の担当クラスだけに、残念だと思う気持ちも強いのだろう。


とは言え、このクラスは十組。学年では最底辺のクラスなのだから、むしろ赤点者がいない事の方が異常な訳で。


「それは先生たちも驚いてたわ。十組全員が合格なんて学園創立以来初だって」


へえ。じゃあやっぱりコレって偉業?


「偉業よ偉業。………まあ、私たち教師からすると、とても面目無い結果なんだけど……」


嬉しい事ではあるのだが素直に喜べないと、微妙な表情でエクレ先生は告げる。言いたい事は分かる。


「確かに、生徒である俺たちが教えて結果が出たんじゃ、教師として立つ瀬が無いのは分かります。それもほんの数日教えただけで、赤点常習者が赤点を脱したとなれば、今まで教えてきた教師たちの能力が問われても可笑しく無いですよね」


「……正論だけど、容赦無いわねヒバリ君」


「事実は事実ですから」


そこはしっかり押さえとかないと。


「とは言え、先生たちも特定の生徒に肩入れする訳にもいかないし、割ける時間も存在しないのも事実です。その点、俺たちはずっと付きっ切りで、尚且つ半分反則な教え方もした。だから気を落とす必要も無いですよ」


多くの人間を相手に教える教師と、特定の相手に合わせて、尚且つ反則染みた方法を取った俺たち。根本から違うのだから、結果に差が出るのは当然だ。


「……えっと、慰めてくれるのは嬉しいんだけど、半分反則って何?」


「個人によって飴と鞭を与える。例えば、注意力散漫な気があるルドガーには、五回毎に気を散らすと罰ゲーム。メンクイなリリーには、十回連続で正解する毎に雄一か翔吾に好きな台詞を言わせられるとか」


「………まだ首筋を百足が歩いてる気がする……」


「……ああ、至福のひと時だったわ……」


例として挙げた二人が飴と鞭を思い出したようで、ルドガーは遠い目を、リリーは恍惚とした表情をしていた。他のメンバーも、先日与えられた飴と鞭に思いを馳せているようで、皆何処かを見つめている。


「………確かにこれは私たちじゃ出来ないわね。というか、やっちゃいけない……」


その様子を見たエクレ先生は、思いっきり頬を引き攣らせていたが。


「後は、俺と雄一でテストを製作する先生たちの性格を分析して、テストに出題されるであろう部分を範囲の中からピックアップしたり」


「え? そんな事出来るの?」


「因みに全教科で八割近いという快挙を」


まあ、俺や雄一の能力なら十割どころか問題まで予想出来るのだが、流石にそれじゃあテストの意味が無いだろうって事で八割に留たのである。


「……えっと、疑いたい訳じゃないんだけど、という疑いたくないんだけど、テスト問題………盗んだりしてないよね?」


「「失敬な」」


猛烈に失礼な疑いを掛けられたので、エクレ先生に今持っている四つの教科の教科書を手渡し、


「各教科の教科書の中から、エクレ先生がテストを作るとしたら、という状況で十問ずつ選んでください。その後、俺たちがその部分を予想します」


「え? ……え?」


「それで八割以上当たっていたら、今の言葉、撤回してくださいね?」


ニコリと笑い掛けると、エクレ先生はコクコクと何度も頷いた。何やら恐怖みたいな感情を感じたのだが、気のせいだろうか?


「え、えっと……それじゃあーー」


そして、各教科の教科書をめくっていくエクレ先生。俺たちはその間、教室の外で待機していた。


「ーーえっと、終わったわよ」


問題を選び終えたようなので、教室の中へと戻る。


「……えっと、全部選び終わりました。どの部分を選んだかは、紙に書いてシューター君に渡してあります」


「何故にシューター?」


いや、別に良いんだけど。


「なんとなく立候補した」


「あらそ」


どうやら特に理由は無いらしい。


「んじゃ、始めますか」


「そだな」


では、不名誉な疑いを晴らすべく動きましょうか。



そして五分後。


「………んー、魔法基礎理論だと……あ、エクレ先生ならこの所持スキル外の魔法を使用した際の威力減退は選ぶな」


「後は、魔力回復の項もだろ」


「後はここと、ここと、ここ」


(当たってる……)


(本当に当たってる……)



十分後


「……薬学なら多分先生はポーションの作り方と毒消しの材料で悩むんだろうな」


「ああ。それで最初は毒消しの方を選ぼうとして、俺たちの事を一瞬考えてポーションの方にする」


(やってた! 確かにそこ悩んだ末にそうしてた!)


(何でそこまで分かるの!? え、ちょっ、本当に何で!?)



十五分後。


「魔物生態学は、ゴブリンの生息可能地域と、スライムの発生条件は選ぶだろ」


「最後の教科だから、エクレ先生も目についた奴を選んでるな。どうせ内心では盗んだとか思ってなくて、投げやりになってたんだろう」


「分かり易いよな」


(分かり易くねえよ!? 何で見てないのにそんな直接見たってくらい正確な事言えんだよ!? しかも心まで読んでるよ!?)


(私ってそんなに分かり易いですか!? 思考まで丸分かりするぐらい分かり易いですか!?)


「後は、当たり過ぎて不気味がられないように適当に選んで」


「「「「十分不気味だし声に出してちゃ意味ねえだろ!!!」」」」



そして結果発表。


「………えーと、結果を発表します。計算してみた結果ですが、適合率………ジャスト八割です」


((((ジャスト八割って作為的な何かしか感じない!!!))))


「「うえーい」」


予想通りの結果だったので、雄一とハイタッチ。


すると、エクレ先生が涙目で泣きついてきた。どしたどした?


「待って! ねえ私ってそんなに分かり易いかな!? 考えてる事丸分かりなレベルで分かり易いの!?」


「そんな事より、これで疑い晴れました?」


「晴れたわよ! そんな事よりももっと恐ろしい疑いが浮上してきたわよ! 二人とも人の心読めるの!?」


「「まさか。単に性格を分析して予想しただけですよ」」


「「「「んな事で納得出来るか!!!」」」」


まあ、実際は心は読めるんだけど。けど今回はただの分析だぜ?


「別に良いじゃないの。取り敢えず、これで疑いも晴れた訳だし」


「いや、それで片付けて良い問題じゃ……」


「でもこれで分かりましたよね? 何で短期間教えただけで、赤点者無しという偉業を成し遂げられたのか」


「うん……確かにこれなら……」


問題を教えたような物なのだから、点数が良くなって当然だ。


「と言うか、あそこまでしてやったのにギリギリな奴らがいるのが信じられない」


「うん。それは僕も思った」


「結構なグレーゾーンだぞアレ。それでギリとかお前ら卒業の心配した方が良いぞ?」


「「「「うぐっ……」」」」


俺たちのマジな指摘に、心当たりのある奴らが胸を押さえる。


「えーと……」


「出来れば今後も……」


「御三方のお力をお借りしたく……」


「「「えー」」」


「「「そこをなんとか!!」」」


成績下位組が土下座してくるが、なんというか面倒くさい。と言うかそもそも、


「自分で努力するという選択肢が無い時点で駄目だと思う」


「毎回毎回僕たちが助けられる訳じゃないんだよ?」


「人に頼ってばっかじゃすぐ破滅するぞ」


今回の勉強会は、問題用紙をそのまま渡したような物なのだ。急場凌ぎかつ初回サービスとして大目にみたが、これ普通に反則だ。


「やっちゃ駄目とは言わないし、止められないから止めないけど、それを広めるような事はしないでね? テストの意味が無くなっちゃうもの」


「「「だそうだ」」」


あくまで広めるなって事だから、自分で性格分析を習得する分には問題無いんじゃないか?


「公式とかを憶えた方が遥かに楽だと思うけどな」


「「「御尤も……」」」


俺たちだって、自前の能力が無ければやろうだなんて思わない離れ業だからな。


「けど、それだと俺たちはどうすれば良いんだ!?」


「勉強しても理解出来ない馬鹿なんだぞ!?」


泣きついてくる成績下位組に、俺たちは顔を見合わせた後、


「毎日その日の授業の復習とかしてる?」


「問題解く時、答えを求めようとするんじゃなくて、何でそうなるのかを理解しようとしてるか?」


「そもそもお前ら、真面目に授業受けてんの?」


「「「「それはお前に言われたくねえよ!!」」」」


俺は理解してるから授業を聞いてないんだが。


「んで、復習とかしてる訳? 理解しようとしてる訳?」


「……いえ、してません……」


「復習してるけど……途中で止めちゃう……」


「勉強嫌い」


「楽が出来りゃそれで良い」


取り敢えず、舐めた事をヌカしたライヴはぶん殴っとく。気持ちは分かるがムカついた。


「まずお前らは全員ちゃんと復習しろ。文句を言うのはそれからだ」


「ならヒバリは復習してんのかよ!?」


「あのなぁ……。復習ってのはな、理解出来て無い奴が理解する為にやるもんだ。授業内容理解してんならやる必要無えの」


「じゃあやる意味無えじゃねえか!」


「お前ら理解してねーから泣きついてきたんだろが!!」


これ程までに馬鹿なのコイツら!?


「良いか? 俺たちとお前らは色々とスペックが違うんだよ。例外過ぎて参考にならないの! 勉強しないと点数取れないのは当然だし、基礎を理解してないとどんなに頑張っても身にならないんだよ!」


英語とかで躓く大抵の理由がそれだ。中学の授業で分からないを放置して、結果基礎が疎かになって高校の教科書とか参考書見ても理解出来無いんだよ。


「ほぼ問題分かってるような状態で点数取れなかった奴らは正にそれだ。全員復習して基礎からやり直せ。基礎さえ分かってれば、後は応用だけだからパターンが少なくて楽になる」


「その基礎から既に分からない場合は!」


「まず何でそうなるかを考えろ。殆どの教科書の説明は回りくどいけど、要約すればそこまで難しい事は書いてない。ちゃんと『そうなる』ように説明されてる。そしたら自分の身近な何かに置き換えろ」


「要約なんて出来ません!」


「だったら人に聞け。一人でやって行き詰まるなら、一人でやる必要は無い。後、教えを請うなら出来る奴に最初に教えて貰って、その後は分かった奴が他の奴に教えてみろ」


「何でだ?」


「そいつは基礎を理解して、直前まで何で分からなかったのかも理解してるから。両方の立場を知ってる奴の方が、最初から理解してる奴よりも説明が分かり易い」


レベルが違うと、お互いに認識のズレが生じるからな。ほら、ネトゲ廃人の考え方を、ネトゲ素人が理解しろって無理だろ? アレと同じだ。


「そして出来る奴、先生とか成績上位者だな。そいつらは細かい部分、後は間違ってる部分を指摘する。後は、ちょくちょく勉強内容と関係のある雑学を披露して貰え」


幾ら基礎を理解しても、成績下位には違い無いから色々とミスが出る筈だからな。それをサポートし、尚且つ興味を惹きつけるのが成績上位者とかの仕事だ。


「人に教えるってのは、復習にもなるからな。ちゃんと教える事が出来れば、その内容はしっかり頭に入ってるって事だ」


他の奴の勉強が進み、尚且つ自分の復習が出来る。これぞウィンウィンな関係だろう。


「「「ほほお」」」


俺の勉強方法を聞き、関心したような声を出す一同。


「アレだな……お前ちゃんと考えてんだな」


「ちょっと見直した。……ちょっとだけだけど」


「お前……やっぱりただの馬鹿じゃなかったんだな」


「全員また殴られたいか?」


ぶんぶんと首を横に振る一同。なら言うな。


「ったく……。兎も角、今言った事をやれば、多少はマシになるだろうよ。俺の言う事が信用出来ないってんなら、先生の誰かに良い勉強方を教えて貰え。とにかく、やり方なんて何でも良いからやれ」


あんだけ語ったたが、結局は素人の意見だからな。もっと良い勉強方もあるだろう、と言うか絶対ある。


「どんなに良い勉強方でも、やらなきゃ意味無えんだ。やれ。留年とかしたくなかったら、教科書読んで、数をこなして、理解しろ。例外を除けば勉強に楽な道は無い」


ま、例外側の俺に言われれば、説得力なんて皆無だろうけど。


「えっと、ヒバリたちは教えてくれるのか?」


「相手による」


「男には教えないってか!?」


アホか。いや、確かに男に教えるよりは女の方が楽しいけども。


「ちゃんと勉強やる気があるなら教えてやるって言ってんだよ。誠意さえ見せてくれれば、こっちも時間を割いてやろうって思うしな」


単純に楽そうだからとかの理由で来たら、問答無用で断るつもりだ。そんな馬鹿には付き合ってられんし。


「一応言っとくが、今回みたいに簡単に引き受けて貰えると思うなよ?」


「初回サービス+必死さ+熱意に負けただけだしね」


「本来なら、俺たちはそんなに安く無いって事だな」


「「「ええー」」」


えー、じゃねえよ。そこは納得しろや。俺たちプロ並みの成果も出してんだぞ。


「じゃあ誠意って具体的にどうすんだ?」


「先生たちから復習ようのプリントとか貰うとか? ちょうど一人そこにいる訳だし、貰えるかどうか聞いてみな………って、エクレ先生どしました?」


エクレ先生の方に話題を振ったら、先生が俺たちの事をじーっと見てる事に気付いた。


「俺に何かついてます?」


「え? ああ、違うの。用事で訪ねようとしたら、ちょっと感慨深い場面に遭遇したなって」


「感慨深い?」


「ええ。だって、自分のクラスの子たちが自主的に勉強しようって話をしてるのよ? 担任としては嬉しいわ。勉強嫌いな子たちが中心だから余計にね」


悪戯っぽくそう付け加えるエクレ先生。勉強嫌いの奴らがポリポリと頬を掻くが、お前ら少し教師の負担になってる事を自覚した方が良いと思う。


「いや、精神的な負担としてはヒバリ君が断トツだから」


「「「「うんうん」」」」


おっと、こりゃマズイ。全員にジト目で睨まれたので、話題を変更する事に。


「エクレ先生、何か用事があったんですか?」


「あ、そうだった忘れてた」


ポンと手を叩くエクレ先生。どうやら話題逸らしは上手くいったらしい。


「ちょっと君たちに聞きたい事があったのよ」


ああ、それで騒ぎを聞きつけるのが早かった訳か。


んで、俺たちに聞きたい事って何だ?


「「君たち(ヒバリ君)、武闘大会に興味ない?」」


「武闘大会?」


また何ぞイベント事かね?………てかちょっと待て。カッコ多くね?

この時期にこのサブタイトルはマズイですかね?

因みにですけど、これ書いてて凄くブーメラン。分かってても出来ないんですよねぇ。もしヒバリみたいな奴がいたら無言で殴る自信がある。











ポツリと一言。


…新章にも入ったし、年明けしたし、何かプレゼント的なのが欲しい(イラストとか)


ちょっと強請ってみる(テヘペロ)


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