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〜の一環は認めちゃ駄目だと思うの

眠い目を擦りながら書いたので、少し文脈が変です。


誤字脱字の可能性大です。

リザイア王国から戻った後、特に何事も無く就寝した。……一応言っとくが、ちゃんと見張りはやったぞ?


そして補習二日目。現在は朝食を済ませ、三時間程移動した位置にいる。


絶賛戦闘中で御座います。



「ゴガァァァ!!」


こげ茶色の肌を持つ、成人男性と同じ程度の背丈の鬼。ホブゴブリンと呼ばれる魔物が、雄叫びを上げながら錆びた剣を振りかぶる。


「オウリャァァァ!」


それに突撃をかますのは、黒狼族と呼ばれる獣人の種族の少年。野生を感じさせる雄叫びを上げながら、ホブゴブリンへと飛び掛かる、


「っ、こら駄犬! 前に出過ぎだ少し下がれ!」


直前でミカヅキに怒鳴りつけられた。


「っは、悪い!」


正気が戻ったグレゴリウスは、咄嗟に急停止してバックステップ。その一瞬後にはホブゴブリンの剣が地面を叩くが、直撃はせずに無事回避に成功する。


「っと、とと」


とは言え、無理な姿勢からのバックステップ。僅かにバランスを崩したグレゴリウスは、その場でたたらを踏んでしまう。


それは戦闘において、致命的な隙だった。当然、ホブゴブリンがその隙を見逃す筈は無く、


「ゴガァァァ!」


「うわヤベ!?」


未だ体勢を立て直していないグレゴリウスに向け、突進を仕掛けるホブゴブリン。魔物という普通では無い生物の突進。直撃すればダメージは必至だろう。


だが


「させる訳が無いだろう!」


盾役のミカヅキが、そんな事をさせる訳が無い。即座にグレゴリウスとホブゴブリンの間に割って入り、獲物であるタワーシールドを滑り込ませる。


これが地球なら、体格差や質量差で押し負けるのだが、ここは異世界。素のステータスが高く、何より特殊な歩法で衝撃を完全に地面に逃したミカヅキは、ホブゴブリンの突進を見事受け止めてみせる。


そして、気合と共にシルールドバッシュを行い、ホブゴブリンを吹き飛ばす。


「か、[形成せ風よ・願うは球]う、【ウィンド・ボール】!」


更に追い打ちとばかりに、レベッカちゃんの放った風の球がホブゴブリンに直撃する。


「グゴォ!?」


緊張の所為か、狙いも威力もまだまだ甘いが、それでも完璧に入った。見事にホブゴブリンが大勢を崩している。


「うーん……もう良いか」


潮時だと判断した俺は、近くで控えていた灰猫先輩を掴んで放り投げる。


「トドメだ! 唸れ灰猫先輩!」


「ちょ!? ニャァーー!?」


俺の常識外の腕力によって空を翔ける灰猫先輩。


「っー、ハァッ!」


良い子はマネしちゃいけません的行為だが、そこは流石猫の獣人。すぐさま空中で体勢を整え、ホブゴブリンに接触する瞬間に身体を捻って回避。そしてすれ違いざまに首を跳ね飛ばしていた。


「「「おおー」」」


曲芸染みた妙技を見せられ、観戦に回っていた冒険者から拍手が送られる。


「お見事です灰猫先輩」


「お見事じゃないわよ!!」


「おおう」


褒め讃えたら双剣の片方を投げられた。解せぬ。


「刃物を人に投げちゃ危ないですよ」


「戦闘中に人をぶん投げる方がどうかしてるからね!?」


「どうにかなったじゃないですか」


「必死でどうにかしたのよこの馬鹿!!」


「ぐへっ」


白くしなやかな右脚による疾風の如き回し蹴りが、側頭部に命中。取り敢えず、ここはお約束として倒れる事に。


「ふん! これで懲りたらふざけない事ね」


大丈夫だと分かった上での行動なのだが、それはさておき。


「………」


ふむ。ラノベで有りがちな事をさせて貰うならば、制服を着ている灰猫先輩のスカートの中身が見えてしまう、という流れなんだが……


「………男なんだよなぁ……」


何つーか、別にご褒美でも何でも無いんだよね。


一応、スカートの中にはスパッツ(これも異世界人が作ったらしい。他にもブラやらショーツやらも開発したそうな。因みにその開発者は男。自重しろと言いたい)も履いてあり、スパッツ越しに水色の縞パンが見えてるんだけど。


それと同時に、何とも言えない膨ーー


「ッッッ!!? この変態!!!」


俺の視線がスカートの中身に向いている事に気付いた灰猫先輩は、顔を真っ赤にして双剣のもう片方で斬りつけてきた。危ないなぁ。


「暴力系ヒロインが許されるのはラノベの中だけですよ」


迫る凶刃を指で摘み、よっこらせと立ち上がる。


「五月蝿い! 変態は死になさい!」


「いや、アンタ男」


男の下着見て変態も何も無いだろうに……。


「嫌らしい目で見られたら男だろうが恥ずかしいわよ!」


「いやいやいや。別に嫌らしい視線で見てた訳じゃ無し。普通に男なんだなとしか」


生憎と、男の娘で欲情出来る境地には立ってないっす。


「精々、女じゃねこの人?的な疑惑が晴れたぐらいですよ」


まあ、それでも十二分に可愛いんだけどね。この人に迫られたら、男と分かってても顔紅くする自信あるよ俺。


「……てか、何で下着女性物着けてんすか? アンタその格好ただの趣味だろ」


そこは結構超えちゃいけない一線な気がするんだけど。


「なっ!? やっぱりマジマジ見てるんじゃない!」


「だから男に欲情せんて」


多分。


「縞パンとかあざと過ぎだし」


「拘るんだったら最後まで拘りたいじゃない!」


何に拘るつもりだよアンタ。


「………にしても、良くあんな薄っすい布に収まりますね」


粗いんだね。


「ッッッ、変態変態変態!!!」


「何過剰反応してんすか。ただの男同士の馬鹿話でしょうに」


アンタ悪女みたいなもんだろ。………ん? ちょっと待て。


「………もしかしなくても、意外と灰猫先輩って初心?」


「自分が話題になってたら嫌に決まってんでしょ!? そもそも私はこの手の話はした事無いの!」


まあ、確かにこの容姿で下ネタ降る勇者はいないか。下手な女子より綺麗だし。


「………一応聞くけど、赤ちゃんはコウノトリに運ばれてくるとか信じてないよな?」


「そんな訳無いでしょ!! ちゃんとセッ…って何言わすのよ!?」


「自爆だそれは」


人の所為にすんなや。そしてその程度の単語で紅くなるな。見てるこっちが恥ずかしいから。


「ゔぅーっ!」


涙目で睨み付けてくる灰猫先輩。


「はっ」


鼻で嗤ってやった。


「………何やってんだお前ら」


呆れが隠せないと言った風に、タイソン先生が注意してきた。


「魔物の死体だらけの場所でイチャつくな。他所でやれ」


いや待てコラ。


「なっ!? ちょっ、タイソン先生! 私は別にイチャついてなんかっ!」


「そもそも男だこの人」


男は守備範囲外だよ。


「どっちでも良い。けど場所は弁えろ。さっきまで戦ってたんだぞ。それに、女性がいる前で何て事言ってんだ」


タイソン先生にそう言われ、女性陣の視線が冷たくなってるのに気付いた。


「おっと、これは失敬」


この手のセクハラが日常茶飯事である冒険者の女性陣は兎も角、レベッカちゃんとミカヅキの前では配慮するべきだったな。


「………見損なったぞ先輩」


「悪い悪い。次からは気を付ける」


「私よりもメルト先輩に謝れ。幼気な少女を卑猥な言葉で責め立てるなど男の風上にも置けん」


「いや待てや」


幼気でも無えし少女でも無えだろ。


「……私もどうかと思います。ヒバリさんにはデリカシーが足りません」


「いやだから灰猫先輩は男」


男相手に下ネタ振ってデリカシーも糞も無いだろ。


「「関係無い(です)」」


「えー……」


何か理不尽に感じた。









顔が良いって得だよね、って事を改めて実感した先刻。


ボブゴブリン共の後始末を終え、俺たち一行は再び移動を再開した。今回の歩き組は俺、灰猫先輩、レベッカちゃんだ。


ただ歩いているのも暇なので、適当に思いついた事を口に出す。


「にしても、街道でボブゴブリンって出るもんなんすか? 昨日の狼にしても、こんなぽんぽん魔物が湧いたら旅なんて無理っしょ?」


「つーん」


灰猫先輩に話し掛けたのだが、返ってきたのは素っ気ない返事。……つーんとか口で言うなや。


「………揶揄った事まだ拗ねてんすか?」


「拗ねてないわよ」


「拗ねてるでしょ。謝ったんだから機嫌直してください」


「だから拗ねてないわよ!」


完全に拗ねてるよなコレ。しょうがない。最終兵器リーサルウェポンを使うか。


「マタタビあげますから」


「いらないから! てか何でそんなの持ってるの!?」


「じゃあ猫じゃらし?」


「キミ私の事本物の猫だと思ってない!?」


気移りの激しいところとか猫そのものだよ。


「………痴話喧嘩を見てるみたいだな」


灰猫先輩とのやり取りを眺めていたミカヅキが、ポツリとそんな事を呟きやがった。


「おいミカヅキ。何度も言うがこの人男だからな? 同性同士に使う言葉を使ってくれ」


俺が文句を言っても、ミカヅキはやれやれと肩を竦めるだけだった。更に、


「仲が良いですよね。ヒバリさんとメルト先輩」


「先輩の性別知らなかったら勘違いしそうにはなるな」


レベッカちゃんとグレゴリウスまで。ぶん殴るぞ駄犬。


「いやあのね? 私見た目が女っぽいってだけで、同性に興味ある訳じゃないのよ?」


流石の灰猫先輩もこの誤解は困るらしく、顔に汗を浮かべて否定している。


「その割には、妙にサクラギの事を気に入ってるようだが?」


「ちょっ、タイソン先生!? 先生は私の性格知ってるでしょう!? 単に私と性格が似てて、見てると面白いからであって、そんな深い意味とか無いですからね!?」


必死になって否定しようとする灰猫先輩。ラブコメのヒロインみたいな反応だが、何度も言うがこの人男だ。


「………灰猫先輩、そんな反応すると余計に疑われますからね?」


「諸悪の根源が何言ってんのよ!」


うわぁ、まだ拗ねてらっしゃる。


「で、さっきのサクラギの話だが」


「何事も無く話題変えんな。そして引っ張るんかその話題」


とっくに流れたのかと思ってたわ。


「流せる問題でも無いだろ。こういうのも考えるのも補習の一環だ」


「いや、それは補習関係無い」


そう言っとけば考えると思うなよ。


「つーか今更ですけど、この補習って効果有るんすか? 日数的に無理でしょう」


問題点を改善するにしても、こんな短期間でどうにかなるとは思えない。いや、本当に今更だけどさ。


「特にグレゴリウスとか、短期間で解決するような問題じゃないですよ?」


「おい! 俺を例に出すな!」


だって丁度良いんだもん。


「まあ、お前の言いたい事は分かる。だが、この補習の一番の目的は、実戦の中で自分の抱える問題を自覚させる事だ」


「あー」


「勿論、克服出来そうなら克服させるが、そんな一筋縄でいくような生徒はこの補習に呼ばれない」


まあ、確かに癖は強いわな。


「だから学園側もこの短期間で解決したら儲け物程度にしか考えてないんだ。まあ、費用の問題も有るが」


結局金か。世知辛いな。


「それに問題点を解決するかは、最終的に個人の問題になってくる。学園は実力主義だ。問題点を改善して高みに昇れば良し。逆に、放置しても自分が泣きを見るだけだ。そこは教師も関知しない」


学園として救済処置は与えるが、それ以上は個人の問題だと言う。手伝いはするが助けるつもりは無く、一人で勝手に助かってろって事らしい。


「さて、話を戻すぞ」


「やっぱり戻すのか」


「………お前は何が不満なんだ。自分で振った話題だろう」


まあね。


「それにさっきも言ったが、流せるような問題じゃない。補習だからとか関係無く、考察ぐらいはした方が良い」


まあ、下手したら命に関わる問題だからな。


「で、やっぱり異常?」


「当たり前だ。ホブゴブリンなんて大物、早々街道に出てたまるか。しかも取り巻き付きだぞ」


ああ、そういや取り巻きのゴブリンが十匹ぐらいいたな。ホブゴブリンって大物がいたから、保護者組が即行で倒してたけど。その後は観戦タイム。


因みにだが、ホブゴブリンは冒険者ランクDの魔物だ。取り巻きを考えるとCランクが適正か?


決して危険度が高い訳では無いが、街道で発生して良い問題ではない。


「やっぱり何か原因が有るんでしょうか?」


「さあな。とは言え、ゴブリンは比較的上位種が出やすい魔物だ。本当にただの偶然だって可能性も有る」


「可能性は凄く低いけどね」


タイソン先生の意見を、灰猫先輩はぶった切った。


「と言うと?」


「知らないの? ゴブリンの主な生息地は森や岩場とか、隠れる場所が豊富な場所なの。もう少したら街道の横に森も有るけど、あの時戦った場所はずっと平野だったでしょ? 平野にホブゴブリンとゴブリンの群れって、相当に珍しいわよ」


「ああ、そういやそうっすね」


ゴブリンの生息域か。確かにそれは盲点だった。ゴブリンって住もうとすれば何処にでも住めるから、生息域とかの情報っ忘れがちになるんだよな。………因みに、俺の魔窟の中に住むゴブリンたちは、人間と同程度の技術レベルで街を作ってたりする。良く分からない進化を着々と辿ってる模様。


「だとすると、平野に現れたのは単に奴らの気紛れか………それとも本来の生息地が手狭になったか」


「「「っ!?」」」


俺の予想に反応したのは、レベッカちゃんとグレゴリウスとミカヅキ。タイソン先生と灰猫先輩は、既に予想していたようだ。


「そ、それって、マズイんじゃ!?」


「つまり、またゴブリンたちと戦うって事か?」


「また駄犬のお守りをするのか……」


慌てるレベッカちゃん、闘志を滾らせるグレゴリウス、溜め息を吐くミカヅキ。三者三様の反応には、こっちも苦笑するしかない。


「あくまで可能性の話だ。他にも原因は予想出来る。誰かがゴブリンを操ってるとか、アーティファクト級の魔道具によって召喚されたとかな」


「流石にそれは無いだろう」


「そうか? 俺としては後の二つを推すぞ?」


「無い無い。物語の見過ぎだよヒバリ君。そっちの方が面白そうなのは否定しないけど」


灰猫先輩が苦笑し、他のメンバーもそれに釣られて笑う。お陰で張り詰めた空気も解れたな。


「まあ、どっちにしろ俺たちの仕事は護衛だ。襲われたなら兎も角、そうでないなら放置で良いだろ」


面倒事に態々首を突っ込む必要は無い。


「でも、それだともし被害が起こったら……」


「目的を履き違えるなレベッカ。サクラギの言った通り、あくまで俺たちは馬車の護衛。原因究明や解決が仕事じゃない」


「でも!」


「いいえ。この場合は速やかに冒険者ギルドに報告するのが最善よ。私たちが無闇矢鱈に首を突っ込んで、クリプトンさんを危険に晒しては本末転倒でしょう?」


「……はい」


タイソン先生と灰猫先輩に窘められ、シュンとするレベッカちゃん。


「そう落ち込まなくて良いさ。レベッカちゃんの言ってる事も間違って無いし。何より、人を思いやる心は美徳だよ」


その心を棚上げするようになったら、漏れなく俺よりの人間が出来上がる事になる訳で。流石にそれは見過ごせないと言うか、レベッカちゃんみたいな娘が俺みたいになったらガチで凹むと言うか。


「今回はタイミングが悪かった。だから、冷血漢二人に窘められても気にしない事」


「「誰が冷血漢だ(よ)」」


アンタら二人ですが何か?


「……そう言うお前は、護衛やってなかったらどうしてたんだよ?」


「ギルドに報告してから逃げますが何か?」


面倒事は嫌いです。


「……ふふ、台無しです」


俺がそう断言すると、レベッカちゃんは苦笑した。


「有難うございますヒバリさん。お陰で元気出ました」


「それは重畳」


嬉しい笑顔を向けてくれるじゃないか。


「あんまり褒めちゃダメよレベッカちゃん。調子に乗ってセクハラされるわよ」


「オイ」


まだ根に持ってんのか灰猫。


「話を戻すぞ」


俺が微妙な表情を浮かべているのを無視して、タイソン先生が軌道修正を図る。


「結論から言えば、俺たちは変わらず護衛に専念する。と言うか、何かが起きているのかいないのか、それすらも不明な状況だ。他に取れる行動は無い」


「はい。これまでの流れを見事にぶった切った件について」


台無しだよ。長々と話したのは何だったんだ。


「話の腰を折るなサクラギ。最初に言ったろうが。こう言う事を考えるのも補習の一環だ」


〜の一環って言葉で全てを許容しろと言うのか。そんな風に許容してくからやる事がどんどん多くなるんだよ。それで最終的に首が回らなくなる。


ブラック反対! 残業代出せ! 辞めさせろこの野郎! ……これはまた違った人たちの叫びか。


社会の闇が脳裏をよぎった気がするが、それはさておき。


意識をタイソン先生へと戻す。


「あくまで話し合ったのは、心構えを付ける為だ。それぐらいは分かるだろ」


確かに、予め色々と考えといた方が、不測の事態に遭遇しても対処は出来るわな。


「そもそも、行動方針は学生が決める物じゃない。冒険者の方々が意見を出し合い、それを元にクリプトンさんが判断するんだ」


そりゃそうだ。素人の俺らよりも、ベテランである鞘と杯のメンバーの意見の方が信頼出来る。そして、ベテランである彼らがさっきの件を話し合わない訳が無い。慎重過ぎて損が無いのが冒険者なのだから。


恐らくだが、彼らの中から斥候を出しながら進む事になるだろう。


まあ、この一行の主はクリプトンさんだ。最終的な決定権は、クライアントである彼が持っている。雇われ者である俺たちは、それに従うまで。


「と言う訳で、全員覚悟だけはしておくように。覚悟が無駄に終わるのが一番だがな」


それは同感。でも、


「はい先生」


「……何だサクラギ?」


俺が挙手したら、タイソン先生が身構えた。失敬な……と言いたいが、今回は正解だ。


「その覚悟、予想よりも早く必要になりそうな件について」


「……は?」


首を傾げるタイソン先生に、俺は先程から感知していた事実を端的に告げる。


「ここから先に、襲撃されたと思われる馬車の残骸があるっぽいです」


まあ、世の中そんな簡単にはいかないよね。

珍しく下の話が出た今回。何だかんだで、ヒバリたちは紳士です。


蛇足


ヒバリの魔窟に住まうゴブリンの数。


エンシェントゴブリン 4匹


エルダーゴブリン 8匹


ゴブリンキング 6匹


ゴブリンクイーン 6匹


ゴブリンデューク 10匹


ゴブリンジェネナル 8匹


以下、上位種ゴブリン 700匹


亜種ゴブリン 600匹


派生種ゴブリン 2600匹


通常ゴブリン 9300匹



尚、キング以上は魔王に匹敵する力を持つ。


これはヒバリの魔窟の中にいるのが原因で、外界のゴブリンとは諸々の性能が違う。


通常ゴブリンですら、外界のゴブリンキングよりも強い。因みにゴブリンキングのランクはB。


もはやゴブリンという見た目をした別の何か。


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