今後の方針を考えよう
今俺達は、王城の客室にいる。
俺達三人が勇者ではなく巻き込まれただけだとわかった後は、その場はてんやわんやになってしまった。シャルロット王女は罪悪感の余りか泣き出してしまうし、それを見た兵士達が「姫様を泣かすとは何事か!!」と言って斬りかかってこようとするし、御門達はそれを止めようとしたりオロオロしていた。騒ぎを聞きつけた人達によってなんとか収まったものの、後日正式に謝罪をすると言われてしまった。
御門達四人は、国王との顔見せする必要があるらしく、謁見の間に連れて行かれた。俺達は王城の客室、それも確実に貴賓室以上であろう部屋に案内された。
最初は一人一部屋だったが余りの部屋の広さと、一緒の部屋の方が都合が良さそうという理由から、三人一緒の部屋にしてもらった。
部屋に案内された後はやることも無いので、今後の事を話し合う事にする。
「とりあえず、ステータスを見せ合おう。話し合うにしても、まずは自分達がどんな感じか知っていた方が良いだろうからな」
雄一がそう言いだしたので「了解」と答えながら指をパチリと鳴らす。
「なんだ?」
「盗撮や盗聴、その他諸々を防止する結界を張った。一応、念の為」
「おお、マジか。そんな都合の良い物まであるのか魔法。というか、お前が魔法使ったとこ初めて見たぞ」
「あっちの魔法だからこの世界にあるかは知らんが、そんな大層なものじゃないぞ、コレ」
「いや、それでも十分だろ」
ステータスは個人情報の塊だから、出来るだけ隠した方が良いだろうからな。命の危険がある場合は特に。
まずは雄一から見せる事になった。
・ステータス・
名前 : 涼宮雄一【LV26】
性別 : 男
種族 : 人間
天職 : 観察者
体力 : 568
魔力 : 324
筋力 : 234
敏捷 : 245
耐久 : 214
称号
『巻き込まれし者』『見通す者』
スキル
・鑑定LV5 ・狙撃LV4 ・交渉LV4 ・危険感知LV5 ・気配遮断LV4 ・格闘術LV7 ・礼儀作法LV3 ・隠密LV5 ・直感LV6
ユニークスキル
未来予知
*******
「なんか、ゲームだとシーフや盗賊やスカウトとかやってそうだね」
「確かに。天職の観察者もそう考えるとそっち系っぽい」
「魔法系のスキルは無いね」
「スキルは経験とか関係するらしいからな。今は無くても後から出てくるんじゃないか?」
「成る程」
「それより雄一。ユニークスキルに未来予知ってあるけど、お前そんな事出来たか?」
「異世界補正とかそんなんだろう。多分」
次は翔吾だ。
・ステータス・
名前 : 立川翔吾【LV24】
性別 : 男
種族 : 人間
天職 : 製作者
体力 : 513
魔力 : 408
筋力 : 196
敏捷 : 241
耐久 : 182
称号
『巻き込まれし者』『世話焼きな青年』
スキル
・鑑定LV5 ・修理LV5・交渉LV3・危険感知LV4・気配遮断LV3 ・格闘術LV6 ・礼儀作法LV3 ・直感LV6 ・料理LV6 ・創作LV5 ・剣術LV5 ・解析LV4
ユニークスキル
魔改造
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「生産職?」
「確かに翔吾はそんなイメージがあるが」
「あんまし戦闘向きじゃなさそうだし」
「どちらと云うと守ってもらう感じ」
「そうそう」
「僕もちょっとは戦えるよ!」
「格闘術と剣術のLV6ってちょっとか?」
「何気に高いよな」
「つーか、魔改造て」
「やばそうな感じがぷんぷんするな」
「自分でもあんまり使いたくないかも」
「お前達のユニークスキルかなりチートくさいぞ」
「そういうお前はどうなんだよ?」
「結構気になるかも」
「見てみるか?」
・ステータス・
名前 : 桜木雲雀【MAX】
性別 : 男
種族 : 人間
天職 : 大魔導
体力 : 5683297
魔力 : 9999999
筋力 : 302954
敏捷 : 602541
耐久 : 425896
称号
『巻き込まれし者』『トラブルメーカー』『限界突破者』『神群殺し』『神殺し』『魔王殺し』『龍殺し』『竜殺し』『魔神』『一人師団』『三千世界の大魔導師』『救国の英雄』『傾国の魔導師』『天災』『世捨て人』etc・・・
スキル
・異世界の魔導LV10 ・剣術LV7・格闘術LV8 ・魔闘術LV8 ・魔剣術LV7 ・魔力操作LV10 ・手加減LV10 ・気配遮断LV6 ・直感LV7 ・威圧LV7 ・軽業LV6 ・交渉LV4 ・危険感知LV7 ・
礼儀作法LV4 ・鑑定LV6・偽装LV6 etc・・・
ユニークスキル
魔力支配
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「「お前が一番チートじゃないか!!!!」」
「やっぱそう思う?」
「そう思う?じゃねーよ!!どう考えても異常だろ!!ツッコミどころがありすぎだ!!」
「どうやったらこんなステータスになるの!?全ステータス6桁以上っておかしいでしょ!?魔力9999999とかゲームじゃん!!」
「いやー、俺も見た時びっくりしたわ」
「びっくりじゃねーよ!?称号の部分とかヤバイじゃ済まないぞ!?○○殺しとか何個あんだよ!?」
「5個だな」
「そういう事じゃない!!まだ『魔王』『神』『竜』『龍』は良いとしても、いや良くはないけど、なんだ『神群殺し』って!?初めて聞いたぞ!!」
「あー、それな。向こうでちょっと悪神とかそっち系の神様達がちょっかい出して来て、知り合いの魔法使い達で返り討ちにした事があったんだけど、多分その所為」
「お前マジで何やってんだ!?」
「スキルもとんでもないのが殆どだよ」
「殆どのスキルがLV6以上だし。お前魔法使いとか嘘だろ!」
「魔法使いでも接近された時の為に最低限戦えるってだけで、本来は遠距離と中距離が俺のレンジだ」
「達人・英雄クラスが最低限ってどんだけだよ!?」
「俺の知り合い達クラスだと、そんぐらいじゃないと瞬殺されるんだよ!!」
「良く生きて帰ってこれたね、雲雀」
色々ツッコミを入れられた後、元の話題に戻る。
「と・も・か・く!ステータスは他人に出来るだけ見られない事。特に雲雀!お前のステータスは異常すぎる。俺と翔吾が見られても問題無いとは言わないが、お前の場合は完全に厄介事が起きる。だから、くれぐれも気をつけろよ」
「流石にそれはわかってるよ。むしろ、権力云々の厄介さは俺の方が身に沁みてると思う」
「そういえばそんな事言ってたな。それじゃ、何を気を付けた方がいいと思う?」
「そうだな、幾つかか有るけど、まずはこの国と近隣諸国の国風と情勢。後、権力者達について。次に、宗教だな。幾つあり、どのような教義を掲げているかとか。とりあえずはこの二つだな。他は追い追いでいいと思う」
厄介事云々は大体この二つが原因の場合が多いからな。
「成る程。わかった、それじゃとりあえずはその二つを調べる事にしよう。次に」
コンコン。
雄一の台詞の途中で、扉がノックされた。
「少々宜しいでしょうか?勇者様方がお会いしたいそうです」
「どうぞ」
結界を解除しながら答える
はてさて、一体どんな用事だろうか。
翔吾と雄一もなんだかんだ言って勇者達と同等かそれ以上に強いです。
主人公は、環境が過酷だった所為でああ成りました




