異世界召喚
少し投稿が遅れました。すいません
目を覚ますと景色が変わっていた。さっきまで立っていたはずの道路から、大きな部屋の様な場所へと。
とりあえず、周りを見渡して見ると近くには翔吾と雄一が倒れていた。また、少し離れたところには先程の四人組が倒れていた。
どうやら全員気絶しているようで、起きているのは俺だけらしい。
(これってどう考えても召喚系だよな。シチュエーションは知らないけど、多分あっちの四人がメインで俺達はオマケっぽいな。………にしても、十年掛かけて戻ってきたのに十日でまた異世界ってどうよ?二人がいるだけマシだけどさ)
自分の体質に改めて呆れながらも、周囲を警戒する。
(一応、なんかあった時のために準備しておこう。とりあえず、【索敵】は発動させて、【思考加速】、【並列思考】、【身体強化】、【バロール】の発動準備、あとは万が一のための【無限の城塞】があればなんとかなるか?)
そして、十分な警戒態勢を敷いた後に気絶してた連中を起こす。
「おい、二人共起きろ」
「…ん……?雲雀?」
「……っ………此処は?」
「場所は知らんがどっかの建物の中みたいだな」
「建物?」
「ああ。ただし、地球上の建物じゃないけどな」
「え?それってどういう………?」
俺の言葉の意味を理解できない様子の翔吾。その横から雄一の質問が飛んできた。
「根拠は?」
「感覚的な物で、二人にはまだわからないと思うから簡単に話すけど、世界にはマナってのがあるんだが、地球と比べてそのマナって奴の濃度がかなり高いんだ」
「えっと、それってつまり………」
「ああ、ここは異世界で、今回のフラグは異世界系だったって事だ」
「「マジか・・・」」
色々な感情が詰まった言葉が虚空に消えていった。
「まあ、こうなったもんは仕方ない。とりあえず、そこの四人組を起こそう」
「あ、じゃあ僕が起こすよ」
そう言って起こしに行く翔吾。確かに翔吾だったらあまり警戒されないかもしれない。
「あ、翔吾。ちょっと待て」
「どうしたの?」
「面倒を避けるために、俺達も状況をよくわかってないってことにしといてくれ」
「わかった」
そして、今度こそ倒れている四人を起こしに行った。
しばらくすると、「……ん…」「………此処は……」などと聞こえてきた。
そして、すぐに意識が覚醒したのか跳び起きる。
「え!?此処どこ?!」
「一体何が起きた!?」
「嘘!?さっきまで外にいたのに!?」
「何がどうなってるの!?」
やっぱ普通は驚くよな、こんなことがあったら。目が覚めた途端に跳び起きたし。あ、こっち気づいた。
「一体何が起きたんだ!?此処は何処なんだ!?アンタ達は一体!?」
予想通り、パニックになっていた。まあ、それもそうか。いきなりこんな非現実的な事が起これば普通はパニクるか。俺だってトリップした時は………普通に受け止めてたな。
「えっと、まず落ち着いて。僕の名前は立川翔吾。あっちのメガネをかけているのが、涼宮雄一。もう一人が桜木雲雀。僕達もさっき目を覚ましたばかりで良く分からないんだ」
「っ……そうなのか。わかった、ありがとう。俺は御門京介。取り乱して悪かった」
「ううん、いいよ。こんな状況だったらパニックにならないほうがおかしいから」
割とあっさり落ち着いたな。そして翔吾よ、その台詞はブーメランだと自覚はあるか?
「ちょと!一体何なのよ!?」
「此処は何処なんですか!?」
「どういう事なの?」
他の三人は落ち着いた訳じゃなさそうだな。
「梨花、詩織、花音。三人共落ち着いて」
「こんな状況で落ち着ける訳がないでしょ!?」
梨花さんが御門に詰め寄ってる。他の二人も言葉には出さないが同じ気持ちらしい。
「そうかもしれない。でも、だからこそ冷静にならいとダメだ。これがどんな状況かわからないけど、普通じゃない事は確かだ。パニックになっていて余計に大変な事になる可能性もある」
おお、なんか凄い事言ってる。良くこんな状況であそこまで考えられるな。
「なんか、マンガの主人公みたいだな」
「体質だけのお前よりもずっとな」
つい呟いた言葉に雄一が返事を返す。うるせー。
「それに、一人じゃないんだ。何かあっても、きっと大丈夫だ。だから安心して」
「京介………ふん!京介だと逆に安心できないわよ!」
あ、なんかラブコメ始まった。胸焼けしそうだ。
「なんか、色々と凄いな」
俺の呟きに詩織さんと花音さんが苦笑する。
「!………あー。雄一、翔吾」
「なんだ?」
「なに?」
「やっとみたいだ」
すぐに意味を察したらしい二人はいつでも動けるようにする。その反応は流石だ。良く俺に巻き込まれているだけある。四人はこっちの動きに気付いてない様だ。
「ラブコメ中のとこ悪いんだけど、ちょといいか?」
「っな!?ラブコメって違うわよ!!ていうか、なんでアンタ達はそんなに落ち着いてるのよ?」
予想はしてたけど、性格キツそうだなーこの人。あと、この人ちょっとツンデレっぽい。
「そんな事より」
「そんな事ってアンタ!」
なんか言ってきたがスルーして、さっき索敵の魔法に引っ掛かった反応を告げる。
「誰かくる。それも複数」
それと同時に部屋の扉が開き、ドレスを着た女性と武装した人達が入ってきた。
「貴方達が、勇者様ですか?」
はい、テンプレテンプレ。




