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割と衝撃の事実が発覚した

なんか長くなったので分割しました。ですので少し短めです。

続きは近々。


誤字脱字の可能性大です。

学園に編入してから二日目。魔法実技の授業。


「はい、それじゃあ今日は風属性の魔法について勉強します。えっと、風属性を使えるのは……ヒバリ君、確か風属性も使えたわよね?何か簡単な魔法を使ってみて」


「はーい」


風属性……OK。イメージは風の翼だな。自分の背中から緑色の翼が生える様にイメージして。


「【アイ・キャン・フライ】!!」


「「「飛んだ!?」」」


「撃ち落とせ、アルテミス」


あーッッ!?



放課後。


学園から帰る途中、見覚えのある男達+αに囲まれた。


「よし、今度こそ覚悟しや「すーー」……は?何でいきなり息吸ってんだ?」


「【ヨガ・ファイヤー】」


「「「「熱ッッッ!?」」」


男達は吐き出された炎によって炙られ、めっちゃ転がり回っている。これが本当のファイヤーダンス。……ちゃんと加減はしたよ?




編入してから四日目。薬学の授業。


「薬学って……何でこんな専門的な事やんの?」


試験管の中身をかき混ぜながら、疑問に思った事を隣のアルトに聞く。


「本科に錬金科があるからだよ。薬学とかはヒバリが言った様に専門的だから、馴染みの無い人に経験を積ませる為。後は、何かあった時に応急処置が出来る様にする為かな」


「へー」


何か理にかなってる様なそうで無い様な。


「……ところで、何でヒバリの試験管オレンジなの?作ってるの下級ポーションだから普通は緑の筈なんだけど」


「ああ、コレ。下級ポーション終わったから暇潰しで作ってんだ。残った材料適当に混ぜて、魔力込めたらこうなった。効果は知らん」


後ちょこっと魔窟の中身も入れてある。


そして実は既に課題は終わってたという。


「何やってんのさ。薬なんだからちゃんとしないと危ないよ?」


あ、やっぱり?


「しょうがない。捨てるか」


先生にバレない様に窓からバシャリと捨てる。薬学の教室は一階だし誰かに掛かる事も無い。地面に生えてる雑草に掛かるぐらいだろう。


「さて、それじゃあ「ひ、ヒバリ!」……んにゃ?」


慌てた様なアルトの声。


「う、後ろ!」


「後ろって窓だ………」


窓の外にデカイ何かがいた。全体的に赤くて、所々に白くて丸い模様がある。多分花だろうけど、花弁の部分が口になってる。……ん?何か見た事なくね?


「……パッ◯ン?」


うん、やっぱそうだ。あのダンディな配管工の関係者だ。髭のナイスミドル達を度々苦しめるお化け花。……燃やすか。


「【配管工・ファイヤー】」


「!☆5=6〆7#28:964〆!!」


「よし、これで問題無『ガシ』な訳無いか」


「サークーラーギーッ……!!!!」


「……先生あのね」


「問答無用ッ!!」


ですよねー。




放課後。


「今度こそ覚悟しろヒバリ・サクラーー」


「【エレクトリック・サンダー】」


「「「あばばばばば!?!?!!?」」」


懲りない奴らだ。




とまあ、そんな感じで編入して何日かが経った。現在はアール公爵家。爺さんの執務室で話し合い中です。


「ヒバリよ、お主何やっとんじゃ?ダーブルから色々な報告が来とるんじゃが」


「例えば?」


「授業中に空を飛ぶ。授業中に新種の魔物を創り出す。一部の生徒が毎回ボロボロになっている。食堂で魔法を発動する。後は良く寝ている」


うん、間違って無いね。そして凄え問題児だ俺。やっぱり、まだ師天の頃の感覚が抜けきって無いみたいだ。つい巫山戯たくなっちゃうんだよなぁ。


「弁明は?」


「無い」


「清々しいのお主……」


だって事実だし。


爺さんは頭痛を堪える様な仕草をするが、直ぐに頭を振って話を続けてきた。


「まあ、お主の性格からして普通に過ごすの無理だとは思っとった。だからそれは良い。ちゃんと後始末はしてるみたいじゃし、特に怪我人も出て無いそうだしの」


そりゃね。師天の頃からそういうのは慣れっこだし。寧ろ規模が小さい分全然楽だ。『無害な天災』ってのが俺のスタンスだし。


俺が心の中でそう思っていると、爺さんが眼光を鋭くして睨んできた。俺、何かしたか?……いや、結構やってるな。


「……儂が聞きたいのはボロボロになった生徒がいる、この一点じゃ。話を聞く限り、お主がその生徒達をボロボロにしたらしいの?」


理由によっては許さない。言葉にはされていないが、雰囲気がそう物語っていた。


ああ、成る程。爺さんは俺が暴れ回ったのかと聞いているのか。まったく、なんて酷い勘違いだ。そんな事がある訳が無いのに。


「馬鹿にすんなよ爺さん。俺が自分から動くと思うか?そんな事して何になる。利益が無いだろ。アレは全部向こうから仕掛けてきたから、適当にあしらっただけだ」


原因は多分俺だけどな。とは言え、やってきたのは向こうだ。原因がどうであれば、先に手を出した方が悪いのが世の中である。俺、悪くない。


「そもそもだ。俺の魔法をマトモに受けたら塵すら残らないぞ。相手が生きてる時点で俺が本気じゃない事ぐらい分かるだろ。それに、やるんだったら相手を認識出来ない様にするなりして、絶対にバレない様にするし」


完全犯罪が出来るのに、態々証拠を残す様な事はしない。魔法の自由度がクラックに比べて著しく低いこの世界では、俺の魔法を感知する事など出来やしない。


この事を爺さんに力説したら、頬を思いきり引き攣らせながらも納得してくれた。


「……色々と恐ろしい言葉が聞こえたが、まあ分かった。つまり、お主から何かした訳じゃないんじゃな?」


「ああ、全部向こうからだよ。大方、貴族の坊々にでも雇われたんだろ」


雄一と翔吾も見たって言ってたしな。


「ふむ……ならば、その依頼主の心当たりはあるか?」


「一応は。編入初日に絡んできた坊々がいた。あしらうついでにプライドも折ったから、多分その時の事を根に持ってんだと思う」


「原因お主だと思うのだが……」


「絡んできた坊々が悪い。開口一番で平民共とか抜かす奴にマトモな対応する気無し」


俺がそう宣言すると、爺さんはやれやれと首を振った。まあ、言いたい事は分かるがね。


「悪いね。これが俺の性分だ。権力とかの仮初めの力で増長している奴は如何しても受け付けないんだよ」


「なんとも難儀じゃのう」


「知ってるよ」


この考えが人として致命的なのは理解している。権力者という存在は居るところには居るのだから。封建社会が幅を効かせるシーラでは特に。


だが、それでも変える気はしない。骨の髄の瑞まで染み込んだ嫌悪感は、そうそう消える事は無いのだ。


「まあ、お主にはお主の価値観がある。思う所が無い訳じゃないが、特にどうこう言う気は無い。言っても聞かんじゃろうしの」


「良くお分かりで」


いやー、理解ある大人って素敵だよね。


「それで、お主がプライド折ったのは何処の誰じゃ?」


爺さんがその命知らずに興味があるとばかりに聞いてきた。えーと、確か名前は………忘れたわ。三下っぽい雰囲気の坊々ぐらいしか記憶に無え……。


「何だっけ……は…は、はす?蓮・コルク・ムートン?」


あれ?こんな和英っぽい名前だったっけ?何かニアミスの様なそうで無い様な感じがするんだが。


だが、こんなあやふやな情報でも、爺さんには該当する人物に心当たりがあるみたいだった。


「……もしかして、ハンス・ドルク・シグムンドじゃないのか?」


「……おお、それそれ!流石は爺さん。腐っても貴族だな」


「腐ってもは余計じゃ阿呆め。儂はまだまだ現役じゃぞ」


「だったらライデンさんに直ぐ家督返さなくても良かったろうに」


「面倒事はさっさと投げるに限るわ。あの仕事量はこの老体にちと堪えるでの」


はっはっは。さっきと言ってる事真逆じゃねーか。


まあ、それでもやっぱ関心するけど。良くあんな雑な情報から正解に辿り着いたよ、本当に。


俺が流石とばかりに頷いていると、爺さんは微妙そうな表情をしていた。


「……にしても、原因作っておいて忘れるとかどうなんじゃ?」


「いやー、関わらなければ実際どうでも良かったし」


嫌いな奴に態々近こうとは思わないと言うか、脳の一部を使用するのも勿体無いと言うか。


「流石に失礼じゃろそれ。……まあ、あのボンクラ息子じゃし妥当な気もするがの」


「あ、やっぱりあの坊々ボンクラなの?」


「うむ。儂の知ってる貴族の子息の中でも上位の馬鹿じゃな」


わーお。滅茶苦茶に辛辣な評価頂きました。爺さんも結構失礼じゃね?……そう言えばクラリスに粉かけてたなあの坊々。だからか?


「親であるクライスト伯爵はマトモなんじゃがなー。どうも初の子供で、しかもそこそこの才能があった所為か甘やかしてしまったみたいでの。今では立派な馬鹿息子よ。才能の方も恐らく腐っているだろうしの」


「まあ、確かに大して強く無さそうだったな。魔導師としての見解だが、あの坊々は努力しても上位の上級魔法が精々だろ」


ついでに言うと、使える様になるまで十数年は掛かると思う。……まったく、宝の持ち腐れとはこの事かね。


だが、爺さんの反応は俺とは違かった。


「……それはそれで十分な気がするがの」


「ああ、そう言えばこの世界だと上級魔法使えれば一流だっけ」


一流のハードルが低い気がするのは否めないが、それでもこの世界の価値観だと十分なのだろう。


「流石はかつて神童と呼ばれただけはあるの。人格は兎も角、才の方はまだまだ健在か」


どうやらあの坊々は神童なんて呼ばれてたらしい。まあ、良くある話だろうか。小さい頃から天才だのともて囃されて調子に乗って、最終的に落ちぶれるなど。十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人とは良く言うよ。


……まあ、あの坊々の場合はちょっと違うが。爺さんも勘違いしてるみたいだし、少しだけ訂正してやろう。


「爺さん、それは間違いだぞ。あの坊々の才能が健在なんてとんでもない。ありゃ、物の見事に腐ってる」


「どういう事じゃ?」


「才能に胡座を掻いて、努力なんて一切しなかったんだろうな。だってよ、本来だったらあの程度じゃ無いんだ、あの坊々の才能は。正しい道を歩んでいたら、今頃アイツは英雄にでもなってた筈だ」


爺さんは俺の言ってる事が理解出来ないらしく、数秒程固まっていた。


「……は?」

ヒバリの暴走シーンがありますが、ぶっちゃけヒバリは開き直ってます。

何だかんだでルーデウス王や爺さん達が後ろ盾にはなってるし、初っ端から誤爆して目立ったし。って感じで。

これからは、真の実力がバレなきゃ良いやって感覚でやっていくので悪しからず。

なので、言ってる事とやってる事矛盾してね?ってツッコミは無しの方向で頼んます。

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