学園の入り口です
はい、予定通り学園に入りましたね。………学園編はまだ先ですよ?
誤字脱字多いかもしれないですのでご注意を。
「ほえー………」
「大きいねえ………」
「中々の規模だな此処」
冒険者登録をした翌日、俺達三人は編入する事になる学園の前にいた。学園についての説明を受ける為だ。一応、此処に来る前にパンフレット的な冊子を貰ったけど、三人とも車の中で本とかを読めない人種だった為に目を通していない。………最初は読んでみてたんだけど一分くらいで吐き気がしたんだよ。
そして現在、俺達は目の前の建物に圧倒されていた。純粋にデカイのだ。ぱっと見た感じだと、校舎だけで高校ぐらいなのが二・三個あった。敷地も合わせるとかなりの大きさだろう。
この世界の文化レベルは地球で言う所の中世後半レベルだ。なのに、これ程の規模の施設がある事は驚愕に値する。………まあ、魔法という物理法則をぶっちぎるファクターがある以上、地球と同じ基準で考えちゃ駄目なんだけどね。
「ねえ、雲雀の居た世界だとこの規模の建物ってあった?」
「それは一般の人間のか?それとも魔導師のか?」
翔吾ふと思ったのであろう疑問をぶつけてくるが、俺達と一般人だと基準が全然違うので即答が出来無い。
「どっちもで」
「はいはい。………先ずは一般人だが、あったはあったぞ。流石に此処までデカイのは少なかったけどな。この規模だって、優秀な魔法使いが大勢いて時間を掛ければ可能だし」
そう。魔法があればこの程度の建築物を作る事など造作も無いのだ。地球だとオーパーツ扱いされる完成度で作られた代物でも関係無い。巧く使えば魔法は文化レベルなど容易く超越するのである。
「へえー。じゃあ、魔導師だと?」
「ラピ○タがあった」
「「ガチかそれ!?」」
うん。話を聞いてただけだった雄一まで驚いてる。………まあ、その気持ちも分かるけどね。俺も見てビビったから。
ラピ○タ制作事件の原因だけど、師天の一人と一緒に居た時、俺の記憶から映像を抜き出してラピ○タを見てたんだよ。そしたら面白がってそいつ翌日に作りやがってさ。それを見た他の師天も真似しだして、結局十二個のラピ○タが出来たんだ。………あ、師天の皆は俺が異世界人だと知ってる。それでよく俺の記憶にあるアニメとかの上映会してた。お陰で異世界なのにオタクが誕生して、俺の屋敷が溜まり場になった。そして、今回のラピ○タ事件はそれの一つが原因。
「勿論それで終わらなかったけどな………」
残念ながら俺達はそこで満足する程普通じゃない。作ったラピ○タを自分の思うがままに改造と増築を重ねていって、空飛ぶ城じゃなくて空飛ぶ要塞に変えたんだ。そして全員で誰のが一番かを競い合ったんだ。………これ、遊びみたいに言ってるけど戦争と大して変わらないからね?要塞がぶつかり合ってんだから。しかも空中で。何処の銀河大戦だよって話。
お陰で事故処理が大変だった。俺達の近くに住んでる人達は「また師天様達が馬鹿やってんな」で終わったんだけど、近隣の国々の王都とかだと「古の『魔導師大戦』の勃発か!?」ってパニックになったらしい。
「お前等にはまともな奴が居ないのか………」
「傍迷惑ってレベルじゃないよそれ………」
頭を抑えて呆れる二人。まあ、普通の人間だったらそんな反応だよな。けど、俺から言わせて貰えばこんなの当然だ。
「まともな奴が魔導師に成れる訳が無いだろ?」
「誇らし気に言うなこのド阿呆が………」
「威張る様な事じゃないから………」
処置無しと匙を投げる二人。
けど、実際は俺の言った事は正しいんだよ。あくまで仮定だけど、魔導師になるには絶対に勝てない相手に勝つ必要があるんだぜ?そんな矛盾に挑戦する様な、そしてあまつさえ成功する奴が普通な訳が無いだろう。………偶に俺みたいな例外もいるけど。それでも、やっぱり俺だって普通じゃない。偶然で魔導師になるなんて、ある意味でどんな魔導師よりも異常だって断言出来る。
………とは言え、だ。今はそんな事はどうでも良い。何で己の異常性を再確認せにゃならんのだって話ですよ。普通だったら、そろそろお迎えが来ても良い頃じゃないかと思うのよね。
「結構な時間を待ってんだけど、そこんとこどうなのかね?」
「さあ?僕に聞かれても」
「俺達に聞くな。本人に聞け」
うん、流石は二人だ。この反応、やっぱり分かってるみたいだ。
「「「いい加減出てきやがれ(下さい)」」」
俺達はそう声を揃えて、さっきから魔法で姿を隠している人物に視線を向けた。
「おろろ?陛下の報告から一人にはバレると思っとたが、まさか全員が気づいておったとは」
出てきたのは白髪の老人。長い髭を撫でながら、不思議そうに首を傾げている。
「だ、タンブ○ドア校長………!?」
「「やかましい!!」」
戦慄しながら呟いたら二人に思いっきり叩かれた。………だって似てんだもん。白髪ロン毛で長い髭の魔法を使う爺さんだぜ?しかも、この爺さんは多分だけど校長とかの立場だぜ?どう考えてもアルバス○ダンブルドアだろ。
「んー、ちと違うぞ。わしの名はダーブル・ドーアン・リンドスじゃよ」
「「「ニアミスしてる!?」」」
思ったより名前が近かったし………。名前といい見た目といい、色々と似すぎだろこの爺さん。
「………ん?確かリンドスって………?」
ダーブルと名乗った爺さんと校長先生の相違点が他にも無いか探してたら、俺の隣の雄一が何か疑問に思ったみたいだ。呟いていた言葉から、多分だけど爺さんの家名に何かあるみたいだ。………そう言えば俺もリンドスって聞いた事ある様な?最近聞いたと思うんだけど何処でだっけかな?
…
……
………
………っあ!?そうだ思い出した!
「たし」
「リンドスってセリアさんの家名だよ」
先に言われた!?折角思い出したんだから言わせてよ翔吾!
「あー、そうだそうだ。思い出したわ、ナイス翔吾」
「うん。一応、知り合いだからフルネームは覚えてるんだ………って、何でいじけてんのさ雲雀」
「………知らないでーす」
おい、二人共。人をそんな可哀想な奴を見る目で見るな。翔吾が悪いんだぞ、折角俺が頑張って思い出したのに横取りするから、ぐすん。………自分でもこれは気持ち悪いな。
「………おホン。て、話を戻します。何でダーブル殿はセリアさんと同じ家名なのです?」
取り敢えず、ズレてた話題を修正しよう。………だからそんな目で俺を見ないで。
「そんなに堅くならなくて構わんぞい。学園長と言う立場上、君達とはよく会うじゃろうしな。気軽に呼んでくれ」
やっぱり学園長だったかこの人。もう俺の中だとこの人の印象はダンブ○ドア校長で定着した。
「それで、何故わしとセリアが同じ家名なのかじゃが、そこまで難しい事では無いぞ。わしとセリアが祖父と孫というだけじゃ」
そう言ってダーブル学園長は自らの白髪を掻き分ける。すると、髪の中からエルフの特徴である尖った耳が現れた。
「セリアさんのお祖父さんなのですか?」
「そうじゃ。セリアが三人には世話になったと聞く。特にヒバリ君とは良き友人になれたとも。孫と仲良くしてくれてありがとのう」
一人の祖父として頭を下げる学園長に、俺達、特に翔吾が慌てて返答する。
「いえいえいえ!お世話になったのは僕達ですから。ヒバリなんてセリアさん迷惑ばかり」
「いや掛けてねーよ!?誤解を招く言い方するな翔吾!」
確かに少しガクリとさせた事は有ったけども!今の所は別に迷惑掛けて無いから!普通に良い友人になったよ俺。
「ほっほっほ。仲良き事は良い事じゃの」
「まあ、悪いよりは俺も良いと思いますね」
俺と翔吾の掛け合いを見ながら学園長がそう言って、それに雄一が同意していた。………お前は何でそっち側に居んだよ。お前はこっち側の住人だろ雄一。
「さて、そろそろ移動するかの。三人共、わしについて来なさい。学園長室まで案内しよう。話はそこでじゃな」
「「「分かりました」」」
ひとしきり笑った後、学園長がそう促してきた。特に異論は無いので、俺達は素直に頷いた。………そう言えば全然動いて無いな俺達。そこそこの時間が経ったけどまだ入り口じゃん。
○がいっぱい出てきた今回の話。最近ネタが面白いのかわからなくなってきました。
そして話が進まない………。




