表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/123

魔法のお話し

久しぶりの投稿です。遅くなってすいません

「それじゃ、この世界の魔法について教えるわ」


セリアさんがそう言って、軽く咳払いをした後に喋りだした。


「この世界の魔法は、マナと呼ばれる世界中に漂う物質を自分の体内に取り込んで魔力に変換して、変換した魔力を更に何かに変えて放ったりする事を言うの。ステータスの『〜属性』って言うのは、自分が魔力を何に変換出来るかを表すの」


ふむ、つまりこの世界の魔法は、魔力を自分のイメージした現象に変換してをぶっ放すって事なのかな?


「魔力は基本的に変換出来る物が決まっているの。例えば、魔力を火にしか変換出来無い、火属性のみしか使えない者は、どんなに頑張っても水属性は使えないのよ」


「それはなんとなく分かります」


雄一の言葉に頷く俺と翔吾。決まった属性しか使えないのは、ファンタジーだと結構ある設定だ。


「でも、変換出来る数自体は決まってないわ。さっきの例みたいに一つしか変換出来ない人、複数に変換出来る人、一つも変換出来無い人もいるわ」


まあ、これもありきたりだと思う。実際、翔吾と雄一は複数の属性を持っている。俺の場合は例外で、属性とかはステータスには出ていないけど異世界の魔導に全て含まれている感じだ。


「スキルのレベルは、変換の効率や威力とかに関係あるの。大体こんな所かしら?」


ざっくりだが説明は終了したらしい。じゃあ、バトンタッチかな。


「さて、次は俺の居た世界、クラックの魔法についてだ」


「雲雀の世界の名前を初めて聞いたんだけど」


「まあ、確かに最初からもう結構経ってるな」


「オイ、そのメタっぽい発言ヤメろ」


流石は雄一、ボケたらしっかりツッコんでくれる。


「さて、俺が使う魔法なんだけど、はっきり言ってかなり薄い説明になる」


「薄いってどん位?」


「効果をイメージして、詠唱と名前考えて、ドーン、みたいな」


「「「薄い!!」」」


うん、やっぱそう思う?


「もうちょっとこう、ないの?雲雀」


「いやー、なんつかねぇ、クラックでは魔導師って人種がみんなこうだし」


今だに納得していない三人に、クラックでの魔導師の説明をする。


クラックでは、魔術師、魔法使い、魔導師って呼称があった。多くの人間は魔術師と呼ばれ、この世界と同じ様に体系化した魔法を行使していたが、魔法使いと呼ばれる位になると独自の魔法体系を作る様になり、その上を行く魔導師となると、さっき説明した通りで魔法を使えてしまうのだ。


「あー、もちろん魔法の理解が浅い訳じゃないぞ。普通に魔法は詳しいつもりだし」


「だったら、もうちょっとちゃんと説明しろ」


「いやぁ、説明も何も無いんだわ。魔導師はそういう人種なんだ」


「感覚的になるって事かしら?」


俺のあやふやな説明にセリアさんがコメントする。


「はい。魔導師は、魔力やマナに対する異常な干渉力を持っている所為で、暴走等を許容するなら、イメージするだけでその通りの魔法が発動します」


「・・・それは」


異常なまでの干渉力。これが魔導師の真髄だ。魔法を行使し過ぎた為に、魔法やマナを自分の身体の如く支配する事が出来る人種。


「皮肉な事ですが、魔法を研鑽し続け、自らの体系すら作り上げた魔導師は、研鑽し続けた為に体系を捨てざる得なくなったんですよ」


「「「・・・」」」


説明を聞いて沈黙する三人。


「まあ、趣味で魔法を研究し続ける魔導師も

いるけどね」


俺がその口だし。


「それに、イメージが全ての基盤になるから、知識があった方がイメージが明確になって強力な魔法になるし、面白い事が出来る様になるから、研鑽自体は魔導師は結構やってる」


「・・・興味深い事を聞かせてもらったわね。私もそのレベルになりたいものだわ」


「愚直に魔法を研鑽して、強敵と戦ったりしていれば、その内なりますよ」


「そう、だったら研鑽あるのみね」


そう言って、セリアさん微笑んだ。





その後は、セリアさんと魔法の話しで盛り上がったりながら、魔法の授業は終了した。・・・授業と言えたかはさて置き。


今は、授業が終わったので団長の所に向かってる途中だ。


「なあ、さっきお前が言ってた魔導師になる為には具体的にはどうすんだ?」


雄一がそんな事を聞いてきた。


「魔導師になる為の具体的な定義は決まって無かった。まあ、予想は着いてるけどな」


具体的な定義は決まって無かったが、魔導師達の中ではある程度の予測がある。


「じゃあ、どうやったらなれるの?」


「決して勝利が出来無い様な、圧倒的な強者を一人で倒す事」


自分の知り合いの魔導師を達を思い出しながら呟いた。


「どんな手段でもいいから、たった一人で絶対に勝てない強者に勝利するが条件だと思う」


「絶対に勝てない相手に勝てって矛盾してない?」


「ああ、してるな。でも、それ位じゃないと埒外の存在にはなれないんだよ。多分」


「ねえ、雲雀はどうなの?」


ふと、翔吾が聞いてきた。


「何が?」


「何をどうやって倒して、雲雀は魔導師になったの?」


翔吾の問いを聞いて、昔の事を思い出す。あの、俺の人生の分岐点を。


「そうだな。あれは、雨の降る夜の事だったな」


















「あ、長そうだから回想パスな」


「オイコラ」


雄一に回想に入るのを邪魔されたので、普通に話す事にする。


「ちょっと魔法の実験でな。その時に魔法が的外れな場所に飛んじゃって、その先で眠ってた龍の逆鱗に直撃して倒しちゃったんだよ」


「「・・・」」


二人とも呆れた表情で黙り込んでしまった。・・・なんだそのやっぱりって顔は。


「つまり、それって・・・」


「偶然って事?」


「そうとも言う」


実際、魔導師の殆どは偶然と幸運でなっていた。


絶対に勝てない強者を倒すんだから、実力云々なんてあんまり関係無かったしな。


「「ハァ〜」」


「オイ、なんだその溜息」


「いや、やっぱり」


「雲雀は雲雀だなって」


「言っとけ」


そう言いながら、俺達は訓練場に向かって行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ