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休日出勤って酷いよね

お久しぶりです、みづどりです。

………ええ、ええ! 本当にごめんなさい!


一度モチベーションが下がり、そのままダラダラしていたら、なんともうすぐ1年……。更新停止記録を大きく更新してしまいました……。


皆様には何とお詫びしたらいいか……。


そんな中、更新を待ってますと感想をくれた方々、本当にありがとうございます。


それでは最新話です。


久しぶりなので、色々とおかしな所があるかもしれませんが、御容赦を。

「騒ぐなら出てけ!」


めっちゃキレてる灰猫先輩。


何故彼女……間違えた。彼がそうなってしまったのかと言うと、膨大な仕事量のせいで休日登校している学生会メンバーの前で、堂々とお茶をしながら騒いだからです。そりゃ怒られるよね。


「ったくもう……。この忙しい時期に、何でこんな説教しなきゃなんないのよ……」


「暇してる馬鹿がいるからでしょ」


「元凶は黙りなさい。てか自分で馬鹿とか言ってんじゃないわよ」


「何を今更」


そう言って肩を竦めると、自覚がある分タチが悪いわと灰猫先輩がコメカミを抑えた。


「兎も角騒ぐな。この時期は本当に忙しいのよ。部外者を此処に招くのだって反対したいぐらいなんだから」


カリカリと白髪を掻きながら、灰猫先輩はその部外者たちへと視線を向ける。


その視線の先にいた部外者たちはというと。


「お茶入りましたよー」


「ありがとうショウゴ君。やっぱりショウゴ君は気が利くわね」


「あはは。ありがとうございます」


「あ、こっちにもお茶くれ」


「お茶菓子はどうします?」


「つけて」


「はいはい」


給仕の役割を獲得していたり。


「………ん。栄養剤」


「……ありがと」


「こっち、強制剤」


「ん」


薬師のような立場になっていたり。


「ハッハッハ! 悪いが諸君、ボクは用事を思い出したので失礼する!」


「壁に縫われたくなければ座れ」


「……いや失敬! 用事は既に済んでいたな。ハッハッハ!」


「バ会長の手綱を握ってくれる人が増えると楽ですね」


「馬鹿の相手は慣れてますから」


影の権力者その二みたいな立場になっていたりした。


取り敢えず、この光景を見てから一言。


「………反対?」


「ゴメン賛成。めっちゃ役立ってた」


めっちゃ馴染んでいる我が親友+同胞を見て、即座に前言を翻す灰猫先輩であった。まあ全員スペック高いし、いて困るような奴らじゃない。


「もう皆学生会に入って欲しいわ……」


実際、正規役員である灰猫先輩が、やけになまめかしいため息を吐いて三人を見つめていた。


どうやらアシスタントとして十二分に役立っている三人は、膨大な仕事量と人員不足のダブルパンチがデフォルトの学生会にとって、とても魅力的な人材に見えるらしい。


「あー、もう本当に忙しい……」


「まあこの仕事量だと然もありなんと言いますか。普通に過労死が見えてくる量ですよ」


「具体的に怖い事は言わないで。やる気無くすから……」


そう言って机に突っ伏す灰猫先輩。おいたわしや。


「これは俺という鬼札を」


「投入しません」


「あり?」


え、ここって俺が仕事バリバリ片付けて皆からチヤホヤされる場面では?


「いやね、そうしたいのは山々なのよ? ただこの状況って地味に毎年恒例だから。楽したら来年以降が死ぬ」


「こんな仕事の山が恒例とかマジか……」


日本のブラック企業とタメ張るんじゃないかね? いや、就職してないから分からんけど。


「何でこんな地獄絵図が恒例になってるんです?」


「学園交流会ってのがあるからよ」


む? また何か面白そうなイベントのかほりが。


「字面からして、他の学園とキャッキャウフフ?」


「キャッキャウフフはしない……とは人によるから言いきれないけど、後は概ねキミの予想通りね。各国にある学園の代表たちが、一同に解するのが学園交流会。因みに今年の開催場所はトリシューラ帝国の【サンクトス帝国学園】」


んー、確か一番最後に勇者召喚をやった国だっけ? そんな場所までわざわざ出向かにゃならんのか。ありがちっちゃありがちなイベントだけど、こんな物騒な世界を移動してまで、やる意味はあんのかね?


「トリシューラ帝国ねぇ……わざわざ他国まで行くなんて、代表に選ばれた奴らは大変でしょうね」


「他人事みたいに言ってるけど、キミも代表の中に入ってるからね」


あ、やっぱり?


「まず学生会メンバーは原則全員参加。後は先生方が優秀だと認めた生徒数名、素行が良くて家格の高い生徒が数名、そこに引率の先生が数名って感じよ。例年通りだとね」


つまり俺は強制参加と。面白そうだから別にいいけど。


「因みに、学生会メンバー以外はもう決まってたりします?」


「私もまだ詳しく知らないわ。でもまあ、ここにいる三人と、キミたちの後見人の家の子たち、フィリア王女は確定じゃないかしら? 後はミカヅキちゃんとかもありそうねー」


「……それ大丈夫なんすか?」


ある意味でドリームメンバーだと思うんだけど。というか、交流会がカオスになる未来しか見えない。


「んー、駄目じゃない?」


「うっわ軽い」


うん、駄目なのは分かってはいたけど、学生会メンバーとしてどうなのその反応?


「いやねー、ウチは兎も角、他の学園って面倒なの多いのよ。貴族は威張るし、平民は妙に卑屈だったりするし。だからキミたちがハチャメチャしてくれた方が、個人的に助かるのよ」


「やけに実感が篭ってるんですが」


「実体験だからに決まってるじゃない。毎回毎回、どっかの馬鹿に妾に誘われるのよねー。こっちは男だってのに」


「あらまー」


「何が嫌って、それでも構わんって言ってくる変態が一定数いる事が本当に嫌でね」


まあ、見た目だけは女神みたいな美少女だしなこの人。そりゃとち狂う奴も出てくるか。取り敢えず南無。


「というか、だったら今回は余計にアレですね。性別の問題は解決した訳だし」


「……絶対に他の学園の奴らに言わないように代表メンバーに言い含めないと」


俺の言葉を聞いて、灰猫先輩は真剣な表情でそんな事を呟いた。


それはそうだ。完璧な男であった時ですら、妾云々の話が出てきたのだ。今の灰猫先輩の状態を知られたら、確実に面倒が起きる。


武闘大会の時以来、灰猫先輩は性別がコロコロ変わるようになった。ちょっと何言ってんのか分かんない? 俺もだよ。


どうもこの人、あの一件以来【性別転換】なんて愉快なユニークスキルを獲得したようなのだ。


「全く……何でこんな変な能力目覚めちゃうかなぁ……」


「それはもう、灰猫先輩に素質があったとしか」


「……諸悪の根源が何言ってんのよ」


いや、そんなジト目で見られても困るんですが。


「前にも言いましたけど、あの薬はあくまで切っ掛けであって、性転換を自力で出来るようにしたのは灰猫先輩自身です。確かにあの薬は先輩の性別を変えましたけど、あくまでそれは外見上です。たった一回性転換したくだらいじゃ、魂レベルで性別があやふやになんかならないんですよ」


そもそも何故そんな事になったのか。それは偏に灰猫先輩自身の体質によるものだ。


灰猫先輩は外見が完璧に女性である。だが普通、そんな事はありえないのだ。そもそも男と女では身体の造りからして違う。骨格や筋肉の付き方が違うのだ。男の娘なんて度々言われる翔吾やアルトですら、顔立ちや体格がパッと見女っぽいだけで、骨格などは男のそれだ。


だが灰猫先輩は違う。この人の場合、骨格や筋肉の付き方がほぼ女性のそれだ。違うのは、せいぜい腰周りの一部だけで、それすらよく観察しないと男のそれとは気付けない。


そんな身体的特徴、いや異常を持っているのが灰猫先輩であり、だからこそ性転換をセルフで可能とする珍妙な能力を獲得出来たのだろう。


「てか、ここまで条件が揃ってたら、薬なんて使わなくてもそのうち獲得してたんでねーの?」


「やめてよそういう現実突きつけてくるの……」


薄々自覚はあったようで、ガックリと項垂れる灰猫先輩。


「ま、ゲットしちゃったもんは仕方ないと諦めて、力のコントロールを身につけるべきでは?」


「うー、そんな事言われてもー……」


先程も言ったが、最近の灰猫先輩は性別がコロコロと変わる。面白がってユニークスキルを乱用しているのではなく、ユニークスキルのコントロールが効かない状態なのだ。グレゴリウスみたいな状態だと言えば分かりやすいか。


お陰で灰猫先輩の状態は既に学園で知られており、学園は大荒れだ。『メルトって男? 女? まあどっちでもいいや取り敢えず告ろうぜ!』ってな具合で。


なのでユニークスキルのコントロールは割かし急務だったりする。


「性転換のコントロールなんてどうすればいいのよ……」


当然というか、コアでピンポイントな方法を知っている奴などいない。


「……ヒバリ君たちの力で何とかなんないの?」


困った時のなんとやら、的なノリでそんな事を聞いてくる灰猫先輩だが、当然答えは決まっている。


「まあ出来ますけど」


「出来るの!?」


当たり前だよ全能に近い万能だぞ。


「出来ますけど、オススメはしません。こういうのは自分でものにしないと変なタイミングでしっぺ返しくらいますよ?」


「うぅー……」


ド正論で封殺されて先輩涙目。


「まあ数こなしてれば、その内感覚が分かるんじゃないすか?」


「やっぱりそうなるかぁ……」


手探りになる以上、何度もやって慣れていくしかない。こういうものに、近道なんてないのだ。


「ただそうなると、交流会で地獄を見る事になるでしょうね」


「……」


過労死寸前の仕事量に、性転換なんて異常事態。そして近い将来に起こるナンパ合戦。尋常ならざるトリプルパンチを喰らった灰猫先輩は、ついに限界がきたようで。


「もうやだぁぁぁ!」


恥も外聞も無くギャン泣きしだしたよこの灰猫。


「ちょっ、どうしたのメルト!?」


これには他のメンバーも驚いたようで、全員が手を止めて灰猫先輩を凝視する。


「何があったのヒバリ君!?


「やっても尽きぬ仕事量。解決しない性転換。交流会に来るであろう馬鹿たちの対応。結果としてこうなりました」


「……分かったわ。許容範囲を超えたのね」


「そういう事っす」


「何とか出来る?」


え、これ俺が対処すんの?


「キミなら何とか出来るでしょ? 頻繁に人泣かせてそうだし」


「アンタが俺をどういう目で見てるのかは理解した」


サラさん、俺でも流石に泣くんだぜ?


「で、お願い出来る?」


「えーとですね、俺の人生経験から言わせて貰うと、泣いてる相手、特に女性の場合だと、対処法は簡単です」


灰猫先輩が性別は脇に置いておく。少なくとも今は女性だ。


「……その方法は?」


「面倒だから関わらない!」


そんな訳でさらば!


「あっ、コラ待ちなさい!」


三十六計逃げるにしかず!

えーと、この場で次回の更新についてお話させていただきます。


次回も、頑張って更新したいと思います。それでもやはり不定期になってしまうので、その辺は御容赦ください。……まあ最低でも、更新停止記録を更新しないようにはするつもりです(笑)……全然笑えないっすよねすいません。


昔は一・二週間の頻度で書いてたんだよなぁ……頭おかしいじゃないの過去の自分? 年取ったかなぁ……。


まあ、はい。頑張ります。うっす。










(実を言うと、もっと前にこの話取り掛かってたんですよ。でも完全に鈍ってたから、リハビリとして適当に新作とか造って、そしたら新作だけで数万文字書いてたというね。不思議)

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