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戦後処理が一番ダルイ

書いてて気付いた、この章に半年以上費やしている事に。という訳でこの後は巻きで書きます。マジで。


誤字脱字の可能性大です。


修正。

性別の変えての部分が性癖を変えてになってました。クソワロタ。

心配させてが心配されてになってました。

舞台の上は惨状だった。


俺の捨て身の攻撃は、見事にドロップの全身を貫いた。


だがドロップも、俺の奇襲を読んでおり、同じく捨て身の攻撃によって、俺の身体はバラバラになった。


片や血液の針によるハリネズミ。片や聖剣が刺さったまま身体がバラバラになった。


スプラッタとしか良いようがない状況だ。


『…い、いやぁぁぁ!』


当然、そんな光景を見れば悲鳴が上がる。


『き、救護班急いで! 二人に早く治療を!』


『他に回復魔法を使える教員も回して! 治療院の方にも要請を!』


最初の悲鳴を皮切りに、俺とドロップのレベルの違いに放心していた人たちも動き出した。観客席の至るところから悲鳴が上がり、怒号と絶叫が飛び交っている。


『ったく、あの馬鹿二人は……! 学園行事で殺し合いとか何やってんのよ! 後で説教してやるんだから……! だから、絶対に死なさないで!』


灰猫先輩が必死に叫んでいる。目に涙を浮かべながら、俺たちを助けようと支持を出している。


まあ支持とか必要無いんだけど。


「そう言われると死にたくなるから不思議」


「同」


俺とドロップは軽い感じで起き上がり、慌てふためく周囲を見て苦笑する。俺の場合は、身体がバラバラなので胴体の断面を下にしただけだが。


『え………?』


『ふえ………?』


「「「「ん………?」」」」


何とも言えない空気が辺りを包む。半分の人間が絶句し、もう半分の人間は二度見や目を擦るなどしている。


そして全員が目の前の光景を受け止めた後、


「「「「ぎゃあぁぁぁぁ!? 化物ぉぉぉ!!」」」」


全力で明後日の方向に放り捨てやがった。


「失敬な」


「む」


人を化物呼ばわりとか、失礼にも程があると思う。いやまあ、スプラッタな光景なのは否定しないけどね? 特に俺とか。………よく考えたら学校でスプラッタはマズイか。


「ドロップ」


「ん」


子供たちには刺激が強すぎるとドロップに目配せし、同意を得られたので、お互いに回復する事にした。


俺は常に身体に仕込んでいる回復系の付与をフル稼働させ、ドロップはやけに神々しい液体を頭上に呼び出してそのまま被った。


効果は劇的である。


俺は傷口から新たな肉が生えてきて、それがやがて身体を型取り、ドロップは傷口が一瞬で塞がった。後は服を直せば元通りだ。


「……グロ」


「お前が人の身体刻んだからだろうが。文句言うな」


「ピ○コロ」


「神の一部から宇宙人にランクダウンした奴と一緒にしないでくださいません?」


俺も若干それっぽいなとは思ってたけども。それでも口にしちゃ駄目じゃん?


「でもピ○コロ」


「もうええて! どんだけピ○コロ連呼すんだお前は!」


『ちょっとストーーップ!!!』


そのままドラゴ○ボールの話題へと脱線しそうになった俺たちを、灰猫先輩の叫びが引き止めた。


そして始まる、何でのラッシュ。


『ねえ待って! 色々と待って!! 何であんな事をしたの!? 何であんな致命傷で普通にしてるの!? 何でもう何事も無かったみたいになってるの!?』


「そんな一気に言われてもなー」


「まとめて」


『何なの二人は!?』


この一言に全てが集約されていた。存在自体が疑問らしい。


「何なのって、そりゃあ」


「狂人」


「ちゃう! いや、違くないけども! そこは魔導師って言えよ!」


「言葉同じ」


「それはこっちにも魔導師って言葉があるって意味か? それとも魔導師=狂人って意味か?」


………良く考えたら、確かに同じだわ。


「いや、うん、何でもない。……それで、俺たちが何なのか、でしたっけ?」


嫌な事実は取り敢えず棚上げしてから、灰猫先輩の疑問に答える事に。とは言え、存在自体を訊かれてるからなぁ。何て答えよう?


「そうですね………全能とは言わないまでも、万能な魔法使いですよ」


『……いや、真面目に答えて貰ったところ悪いんだけど、そういう事は訊いて無いのよ……』


あれ?


「てっきり俺たち魔導師が、一体何たるかを聞きたいのかと」


『……んな訳無いでしょ? あのね、二人が異世界人でデタラメな魔法使いなのはとっくに知ってるの。私が、私たちが訊きたいのは……仲良さげなのに平然と殺し合いをした挙句、何事も無かったかのように振る舞う二人の異常な精神性の事よ!!』


灰猫先輩の叫び。それと同時に、我に帰った周囲の人々からも、同じような声が上がった。


『そうですよ!』


「「「「そうだそうだ!」」」」


「「Yes,Fall in Love!」」


「おい待て。何か変なの混ざっとる」


芸人がおるぞ。


『そんな事はどうでも良いのよ! さあ、一体どういうつもりであんな事をやったのか、キリキリ吐きなさい!』


「いやでも、今のネタの主を探さねば」


『吐けって言ってんのよ!!』


「うす」


全身の毛を逆立てる灰猫先輩を見て、俺は即座にふざけるのを止めた。めっちゃ怒ってら。


「まあアレです。ほら、さっき見た通り、お互いに殺しても死なないから、ね?」


『……それは文字通りの意味で?』


「文字通りの意味で」


殺されたとしても、平然と復活するのが魔導師です。


「だからさっきのも、単に喧嘩の延長線上なだけで」


「そ」


『バラバラになってたけど!?』


『串刺しになってましたけど!?』


「延長線上」


「そ」


この辺りはお互いの認識の違いだと思う。普通の人からすれば、酷くても骨折レベルってのが一般的な喧嘩の認識だろう。でも俺やドロップ、というか魔導師が基準になってくると、復活出来ないレベルで殺されなければ喧嘩の範疇なのだ。


「なにせ怪我したところで即回復。死んだところで即復活だ。なら加減とかする必要無いやん?」


『だからって限度があるでしょうよ!』


「その限度が殺し合いなんすよ、俺たちにとっては」


一応、一回死ねば終了というルールはあるし。これでちゃんと考えてあるのだ。


そう説明したのだが、返ってきた反応がヒドかった。


『………もうやだこのキチガイたち』


理解すんのを諦めやがったのよこの灰猫。


「てかキチガイてアンタ」


流石にヒドイよ? 否定はしないけどさ。


『死なないから殺そうとかキチガイの思考回路だからね!?』


うんだから否定はしないって。


『大体キミはね、どんだけコッチを馬鹿にすれば気が済むの!? 人の性別をデモンストレーションで変えて! 公衆の面前で修羅場引き起こして! 過去の仲間が出てきて唐突に異世界人宣言して! クソ重たい過去が出てきて! 腹が立ったって理由でその仲間と殺し合いして! 死にかけたと思ったら何事も無かったかのように復活して! 何なの!? 楽しいの!? キミは私を心配させて楽しい訳!?』


「え、心配してくれてたんすか?」


『逆に何で心配されてないと思ったのよ!!』


「お、おう?」


あれ? 何か予想した反応と違うな。『だ、誰がアンタの事なんか心配するのよ!』的なツンデレ台詞が来ると思ったのに、すげえストレートで返された。


『キミは私のお気に入りの後輩で、同じ学生会の役員なのよ!? そんな子が目の前で修羅場を引き起こして、予想以上に重たい過去が飛び出してきて、明らかに本気の殺し合いをして! それで何で心配されないとか思う訳!?』


あ、うん、コレはアレだ。ガチの方の心配だ。普通に友人知人として心配されてる、茶化したら駄目な奴だ。コレだと何も言えねーよ。


「すんません。マジすんません」


結果、素直に平謝り。


『本当にキミはもうっ、この短い間で何回馬鹿やれば気が済むのよ!』


「……確かに半年以上、どうでもいい事をグダグダやってますよねー」


『はあ!?』


「あ、いや、こっちの話」


うん俺が間違ってた。まだエキシビションを始めてから二時間も経って無いんだった。エキシビションの件をかれこれ八ヶ月近くやってるってのは、俺の勘違いだったわ。


「それでもまあ、やっぱり蛇行がヒドイとは思うけど……」


基本的に行き当たりばったりだからなー。大体が見切り発車な上に、頻度も一ヶ月に一度とかだから、本筋からすげえズレるし。その本筋自体も、頭に浮かんだワンシーンをやりたいだけだから、起承転結が無くて適当なオチに胴体着陸しなきゃだし……。


「何で俺こんな面倒な事やってんだろ……」


『遠く見て何を身も蓋もない事を言ってんのよ! エキシビションの発案者はキミでしょうが!!』


「あー、そういう事じゃ………いえ、すんません」


別にエキシビションについて言ってた訳じゃないという言葉は、どうせ伝わらないだろうから飲み込んだ。……それにエキシビションという企画自体にも後悔が無い訳では無いし。


「本当、何でこうなったんだろ……。折角途中までは盛り上がってたのに。やっぱりフィアとドロップの所為かな………?」


「うわ」


『最低っ、ドロップさんは兎も角、泣きながら告白してきた娘の所為にするとかっ』


「ドロップが原因の一つなのは否定しないのね」


「むぅ」


膨れてんじゃないよ。普通に原因だろうがお前は。


「でも実際、フィアも確実に原因でしょうよ。デート云々を言い出さなければ、こんな事にもなんなかったんだから」


『だからそれは、キミがちゃんと向き合わなかったからでしょ!』


「トラウマの所為で殺しかねなかったのに、どうやって向き合えと?」


『うぐっ』


俺の反論に、言葉を詰まらせる灰猫先輩。この反応、もうこの時点で無理ゲーだって認めてるよな。


『……だったら、はぐらかすんじゃなくて、はっきりと拒絶してあげれば良かったじゃない。そうすれば、こんな事にはならなかったんじゃ』


「告白もされてないのに、はっきり断るとか出来るかってんですよ。それでも遠回しには拒絶してたんですよ?」


一応、男としてやるべき事はやってたんだよ? だけどフィアがそれでもめげなくて……。何であんな無駄に根性あるんだよフィアは……。


「外堀から埋めてこようとしたから、対抗してはぐらかしまくってたら逆ギレされるし……」


『とうとう告白を逆ギレ扱いしはじめたわねヒバリ君……』


『この態度のせいで、同情されるべきところで敵作ってるって気付かないんでしょうか……?』


分かっててやってんですよ。こちとら筋金入りのひねくれ者ですから。


『というか、ヒバリ君のフィリアさんの扱いというか、評価がどんどん下降してるような気がするんだけど……』


「いや別に、フィアの評価は下がってないです。元から懐いてきた犬猫並みだし」


『だからその態度が問題なのよ!』


ひねくれ者ですから。


「ただ改めてフィアの件を思い返してる内に、余計なオプションが加わった事を再確認しまして……」


そう言って俺は、余計なオプションこと、ドロップに視線を向けると、


「ぶい」


「ぶいじゃねーよ帰れよお前」


マジ帰ってくんねーかな? コイツがフィアに味方するとか、面倒な事にしかなんねえだろうし。すげえ憂鬱なんだけど。


「雲雀、戻ったぞ」


「雲雀! もっと他に言い方は無かった訳!? 舞台の台詞がこっちまで聞こえてきて、余計にフィアちゃんが泣いちゃったんだから!」


何でこのタイミングでお前らが帰ってくる訳?


「何さその顔は! フィアちゃんのフォローするの大変だったんだよ!? それでも頑張って励まして、やっと立ち直ってくれたのに。ちゃんとフィアちゃんに謝んなさい!」


「……ひ、ひっく………し、ショウゴ様…スンッ………べ、別に私は、あ、謝って欲しいなど………」


何でお前ら、フィアもしっかり連れ帰ってる訳?


「……マジでお前ら帰れよもう………」


これ絶対この後面倒くせえじゃん……。

思い出したかのように幾つかの補足。


コメントでヒバリの戦闘スタイルは、圧倒的な手数と火力で敵を消し飛ばすものなのではという指摘を受けました。


……ええ、すげえ前にそんな事を書いてましたよ。作者本人も忘れてましたよ。


まあ辻褄合わせとしては、ヒバリは周囲のあらゆるものにエンチャントをこっそり施して、相手に気付かれないように手数を増やす戦い方をします。それで高火力な波状攻撃を行うという事にしました。ドロップ戦でそれをしなかったのは、ドロップがヒバリの戦闘スタイルをあらかじめ知っていたからです。


そしてヒバリがフィアとの婚約を、トラウマがあるのに解消しなかった理由について。単にアール公爵家に気をつかったから。ヒバリ自体は、フィアの事は可愛いとは思ってるし、嫌いじゃないけど、婚約についてはかなり嫌々。最終手段としては、フィアに幸せな幻覚見せるつもりでいた。


後はヒバリの過去ですね。何で貴族のお嬢様の本性に気付かなかったのかという指摘。


単に当時の雲雀がマジモンの貴族というものを、伝聞とかで理解した気になっていたけど、実際はしっかり理解していなかったからです。単純な理由ですけど、色々と背景を捏ねても、結局のところここに行き着きます。だからコレ以上は書きません。面倒という訳じゃないよ?



あ、次回、ヒバリとフィアの関係に変化が。



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