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第76話 遭遇戦②

「全機、全速でこの宙域から離脱する!」


「「「了解!」」」


私達はそのままエルザ隊長の命令により針路反転180°で現宙域を離脱するに至った。



「ビクトル、どう?何かわかった?」


『不明瞭な部分が多く断定は出来ませんが、アムロイ艦の特徴と一致する箇所が存在します。』


私はビクトルから映像解析結果を聞いた。ビクトルは断定はしてないけど、あれはアムロイ軍の艦隊で間違いない。このJ宙域はアステロイドベルト駐留艦隊の内懐だ。アムロイはいつの間にこんな所まで入り込んでいたのだろうか。


『識別不明の艦隊より本隊に急速接近する複数の熱源体を確認。要撃機と推定されます。』


これはまずい。敵の要撃機はおそらく武装もエンジン出力もこちらを上回っている。それに加えてこちらは訓練のためミサイルを搭載していないのだ。


「レッドライオンリーダーから各機。敵に発見された。散開して敵の攻撃を躱せ。何としも逃げきるぞ。」


エルザ隊長の命令で私達は一斉に編隊を崩して散開した。と、その直後、一条の大口径ビームが私達が編隊を組んでいた辺りの空間を薙いだ。


「!!」


『敵機の総数は不明。当機から確認出来る機数は10機。データと照合するも該当する機体無し。未確認、若しくは新型機と推定されます。』


こちらはほぼ丸腰。それに対して相手は未知の機体で、スペックなどはわからないけど、おそらく機体性能はこの六式艦戦よりも上だ。そして数も倍以上ときたら不利もいいところ。でも、やる事はやっとかないと。


「ビクトル、可能な限り敵艦隊と新型機のデータを集めて。」

『了解』


ここは逃げの一手に限る。そして、せめてあの隠れていた敵の情報を出来るだけ友軍に伝えないと。問題は敵が私達を生かして帰す気が無いという事。


そうしている間にも敵機が大口径ビームを放ってくる。今はまだ相互に距離があるから狙いも甘いけど、このまま逃げているだけだと何れ距離を詰められて撃墜される。どうする?どうするか。


「おい、お前さん。前に俺に何か言ってなかったけか?"立ってる物は親でも使え"とか?」


「言ってませんよ。ちょっと思っただけで。」


もう!こんな時にそんな何年も前の事を言わなくったって!


「手持ちの札だけで勝負するんじゃない。何でも利用するんだ。こいつは花札でもポーカーでもねえ、麻雀だ!」


う〜ん、例えが今一よくわからないけど、言わんとしている事は理解出来た。要は周りの環境を利用しろって事だと思う。周り、周りは小惑星ばかり。そうか!敵機の方がエンジン出力は上だけど、こちらは小回りが利くんだ。周りが岩だらけなのだから、岩に隠れたり、待ち伏せしたりすればいいんだ。


「大尉、わかりました。」

「そういう事だ。頑張れよ。」


全方位モニターで確認すると、事前命令通りに4番機のパティが私の後方に位置している。


「パティ、聞こえる?私達は小惑星に隠れてやり過ごそう。」

「了解。サクに着いてくよ。」


私とパティはそのまま右に旋回して小惑星の密度が濃い宙域に紛れ込んだ。コックピットの全方位モニターには明滅する火球が見える。敵の要撃機が第2中隊に追いついて空戦が始まったようだった。

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