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第75話 遭遇戦①

トロヤ群のベアトリス宙域の資源集積基地で鉱物資源を満載した輸送船団は、再びクヌート宙域、そして地球圏を目指して復路の途に就いた。


輸送船団は復路を順調に消化し、クヌート宙域の資源集積基地でトロヤ群から運搬した鉱物資源を降ろすと、更に同基地で精製した金属類を積載した後、いよいよ地球圏へ向かうのだ。


輸送船団が積み降ろし作業中、空母太鳳の航空隊はクヌート宙域から離れた訓練宙域で空戦の模擬戦をする事になった。訓練想定は第1大隊と第2大隊がそれぞれ紅白に分かれての対抗戦で、ミサイルは搭載せず、レーダーで捕捉された方が撃墜されたと判定される。



J宙域とは地球連邦がアステロイドベルトを管制するため同宙域をAからZまでの記号に区分けした内の一つだ。本来は"ジュリエット宙域"と呼ぶのだけど、日系人には馴染みが無いためかアルファベットの読みそのままに"ジェイ宙域"と呼ばれる事が多い。


因みにこのJ宙域の中の、更にJー9宙域には地球連邦軍の最精鋭の緊急展開部隊・869特殊任務群が駐留する基地がある。今回の対抗戦に際し、クヌート基地の管制官からはそっちには絶対近づくなと口を酸っぱくして言われたとか。


この部隊は任務の性質上、その戦力は秘匿されている部分が多い。そのため他の部隊との交流もあまり無く、噂が噂を呼んで隊員は無頼漢であるとか、海賊部隊だとか呼ばれていたりする。


まあ、誰でも面倒は御免だろうから、その辺は素直に管制官の指示に従っておく方がいいでしょう。


紅白の対抗戦は小惑星帯の中で行われた。私はそうした環境下での空戦が初めてだったため、なかなか難しいものではあったけど、勝敗に関係無く技能習熟に関して言えばとても効果があったと思う。


対抗戦の結果は、私は"撃墜"される事なく、勝負は第1大隊の勝利に終わった。負けた第2大隊からは帰艦後にビールを奢って貰う事となっているらしい。私は別の飲み物の方が良いのだけど。


対抗戦の終了後、J宙域からクヌート宙域へは第2大隊から帰る事となった。理由はビールを奢るのだからいいだろう?という事らしい。まあ、それは構わないのだけど、結果として私達レッドライオン小隊が属する第1戦闘航空大隊第2中隊が殿を務める事となった。


第1大隊も第1中隊から帰艦の途につき、そして、第2中隊の番となった時、クヌート宙域へ向かう進行方向上のやや大きめの小惑星にふと注意が向いたのだ。


(なんだろう?私、気になります)


クヌート宙域から対抗戦を行ったJ宙域へは往路と復路は別のルートを使うため、私はその小惑星を往路では見かけなかった。私はその小惑星に何か引っかかる物を感じたけど、見た目は何の変哲も無い小惑星の一つだ。いちいち気にしていたらキリがない。しかし、気になったのは私だけではなかったようで、ラビィからエルザ隊長への通信を傍受した。


「隊長、あの小惑星の陰で何か光ったようなのですが、どうも気になります。」


「私には見えなかったが、ラビィが気になるなら確認してみるか。よし、レッドライオン小隊全機、あの小惑星を時計回りに一周してから帰投するぞ。」


「「「了解。」」」


このまま気になっているよりも、ちょっと遠回りでも、こうして小隊全機で確認した方が気分もスッキリして良い。何事も無くったって少しだけ帰りが遅くなるだけだからね。


その小惑星は直径30kmほどで、賽子の角を下にして立てたような形。小惑星としては中くらいだろうか。表面は太陽光を反射して白く、影になっている部分は真っ暗で何も見えない。


(異常無し、かな?)


しかし、小隊が小惑星の正面から左斜め下に旋回し、時計回りに影の部分上空にさしかかった時、


「隊長、あれは!?」


ラビィの焦ったような声がヘルメットのスピーカーから響いた。次いでエルザ隊長が叫ぶように私達全員に告げる。


「敵艦隊だ!」


そこには何十隻というアムロイ軍の艦艇が小惑星の影に隠れるように停泊していた。



お読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。特に感想を頂けると有り難くあります。

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