第65話 結成!レッドライオン小隊
暫くは私とエルザ隊長の二人きりなのだろうかと思っていたけど、私が空母太鳳に着任してから二日後、未着人のパイロット二名が着任した。これで隊長と小隊員の四名が揃ったのだ。
私の同僚となる二名のパイロット、その一人目はラビィ・マクドーウェル少尉。年齢は私と同じで21歳、出身はエルザ隊長と同じく英連邦のエジンバラなので士官学校の後輩となる。なので、エルザ隊長とマクドーウェル少尉はお互いになんとなく知っているのだそう。身長は私と同じくらいの165cmってところかな。メリハリの効いたナイスボディだ。肩甲骨辺りまで伸ばした栗色の髪はとても綺麗で、笑顔が似合う美人さんだ。
もう一人はパティ・マツモト少尉。年齢はやはり私と同じ21歳、アメリカ合衆国はハワイ出身の日系人。合衆国の士官学校を卒業している。私より少し小柄で、黒髪をベリーショートにしていて、色白に大きな瞳がキラキラしていて、勝気そうなボーイッシュのとても可愛い"女の子"って感じだ。
二人とも私と同年で、それぞれ別の士官学校を卒業しているから、私達三人は所謂「コレス」っていう事になるのかな。
「さて、ここに第一回エルザ小隊のミーティングを始めたいと思います。」
「ワァー」
「イェーイ」
パチパチパチパチ
場所は艦内の士官室。私が高らかにそう宣言すると、乗りのいいパティが盛り上げてくれ、ラビィも乗っかってくれた。
「では初めて小隊全員が揃ってのミーティングになるので、まずはエルザ隊長に一言頂きたいと思います。では、エルザ隊長、お願いします。」
私はそう言って隣に座るエルザ隊長にマイクを渡す振りをした。
「サク、お前なぁ、」
エルザ隊長はしょうがないなぁ、という感じでマイクを受け取る振りをしてから、コホンと一つ咳払いをした。
「では、まずは私も含めて小隊全員が揃ってとても嬉しく思う。皆、出身も人種も文化も違うが、心を一つにして地球のために戦おう。私の方針として、階級とか関係なく何でも話し合えるフレンドリーな小隊を目指したいと思っている。一日でも早く戦力化出来るよう訓練は厳しいものとなるだろうが、お互い支え合って頑張ろう。私からは以上だ。」
パチパチパチパチ
私とラビィとパティの拍手が続く。
「では、最初のテーマは、」
と、私がミーティングを進行しようとしていたところ、
「ハイ、ハーイ。議長、提案があります。」
と、パティが手を上げて発言を求めた。
「ハイは一回でお願いします。では、パティさん、どうぞ。」
「はい、私は私達エルザ小隊のコードネームを決めたいと思います。」
「「「コードネーム?」」」
空母太鳳の航空戦力は2個戦闘航空大隊からなり、私達エルザ小隊は正式には第309護衛艦隊第1戦闘航空大隊第2中隊第2小隊という長いものとなる。流石にそんな長い小隊名では航空管制官などが戦闘中に言ってられず、それはもう非効率なんてものではないので、小隊毎にそれぞれコードネームを付ける訳である。
「はい、私考えたんですけど、"レッドライオン小隊"ってどうですか?」
「「「レッドライオン小隊?」」」
パティが言うには、古来隊名には勇ましいものを付けるもので、それは強そうな動物に因んだものが多いと(バーミリオン小隊とかスカル小隊とかもあるけど…)。それで私達の場合は、エルザ隊長の髪が綺麗な赤なのと、イギリスというと何となくリチャード獅子心王を連想(う〜ん、私はアーサー王なんだけど)するからライオン。その二つを組み合わせて"レッドライオン小隊"だ!という事らしい。
「うん、エルザ先輩は雌のライオンって感じがありますもんね。私はいいんじゃないかと思います。」
何か、ラビィが身も蓋もないような事を言って賛成して、エルザ隊長は渋い表情になっていた。
「あっ、私もいいと思います。何か綺麗で凛々しい隊長に合ってますよ。」
「そうかな?」
「そうですよ。」
私がそう言うと、渋面を作っていたエルザ隊長の表情が、満更でもないという感じに少し緩んだ。
すかさずパティが決を取る。
「それじゃあ、みんな賛成でいいですか?」
「「異議ナーシ」」
私とラビィは声を合わせて賛成した。
「エルザ隊長、どうですか?」
「みんなが良ければ、私に異議は無いよ。」
「はーい、ではエルザ隊長、お願いします。」
「うん。」
エルザ隊長はパティに促されて少し間を置くと、
「では、ここにレッドライオン小隊の誕生を宣言する。」
「「「イェーイ!」」」
私が所属する初めての実戦部隊"レッドライオン小隊"は、こうして名実ともにその産声をあげたのだった。
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