第42話 練習艦隊⑥ 哨戒任務
スペースコロニー組への寄港を終え、練習艦隊はその最終目的地である月へと進路を向ける予定だった。本来ならば艦隊は月に向かいつつ、その途中で訓練を行い、月面のチコ基地に至って練習航海が終了するところ、ここに来てその予定は大きく変更される事となったのだ。
何故急に予定が変更されたのか?その理由は地球連邦軍による火星奪還作戦が発動されたから。火星は未だにアムロイの占領下にあり、地上では地球連邦軍火星駐留軍の地上部隊が抗戦を続けている。
とはいえ、何ら補給も無い状態では地上部隊も次第にジリ貧となり、早晩全滅するのは必定である。また、資源地帯であるアステロイドベルトと地球圏の中間に位置する火星がアムロイの手中にあるという事は、やがて火星が敵の策源地となり、資源輸送の妨害に出る可能性も非常に高い訳である。
そうした理由から物資輸送の安全確保、地上部隊の救出、失地回復、戦意高揚などを目的として火星奪還作戦が発動されたのだった。
そして火星奪還艦隊を編成すべく、新設された第14艦隊がアステロイドベルト駐留艦隊と合流するため出航、我らが練習艦隊は地球圏を出るまでの間、第14艦隊の進路哨戒を任務付与されたのである。
これに関しては宇宙艦隊司令部から練習艦隊司令宛に哨戒任務の依頼があり、命令ではなかったとの事。艦隊司令の磯山少将は実戦でもある哨戒任務を経験する事が、練習艦隊に参加している士官候補生、各科研修の下士官、新兵にとって教育上有益であると判断して哨戒任務の依頼を受けたのだそうだ。
巡洋艦愛鷹、練習巡洋艦香取、同鹿島からなる練習艦隊は、月から第14艦隊が遊弋する宙域へと進路を変更した。
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