第39話 練習艦隊③
スペンサー要塞。いや、宇宙要塞スペンサーと言い換えようか。
かつて、20世紀の後半にアメリカ合衆国の天文マニアであるマーゴット・スペンサーさん(女子ね)が自分で作った天文台で発見し、自ら命名した小惑星である。その小惑星スペンサーを21世紀の終わりにアメリカの企業が地球圏のラグランジュポイントまで牽引して鉱物資源を採掘していたものを、資源の枯渇・採掘の終了と共に地球連邦軍が買い取って軍事施設としたものである。
その形は横長にしたサツマイモといったところ。3つの宇宙港があり、その機能は主に地球圏における宇宙艦隊への補給、整備、通信といった後方業務機能に重きが置かれている。
練習艦隊は、このスペンサー要塞周辺宙域で要塞からの各種支援を受けながら連日個艦運用訓練、艦隊宇宙訓練、標的を用いての砲撃訓練を行った。これらの訓練では緊張したし、厳しいものではあったけど、私は士官学校のカリキュラムでシミュレーションを行っていたので、ある程度余裕を持って対処出来た。
また、この要塞に練習艦隊は訓練終了後は寄港する事が出来、艦隊の将兵だけでなく、士官候補生や研修の下士官、新兵も交代で上陸して要塞内の、限られたものではあったけど、飲食・娯楽施設等を利用する事が出来たのは実に有り難い事であった。
「はあ〜、生き返る〜」
「ふい〜、まさか宇宙要塞で温泉に入れるなんて思わなかったよ〜」
湯船に浸かる私の横で人工温泉にご満悦のひとみと史恵が唸っている。ここは要塞内にある入浴施設「空湯の里」。訓練を終えて要塞に寄港した練習艦隊に上陸許可が出たので、私達は班員全員で要塞内の娯楽施設エリア、通称「街」に繰り出したのであった。
「街」の施設は民間業者が運営を委託されている為、私達が夕食を摂った定食屋さんもなかなか美味しかった。因みに飲酒出来るお店もあるけど、女性従業員によるサービスは配膳のみだそう。そして、夕食の後に私達は「空湯の里」を訪れた訳であった。
私達は士官学校に入校し同じ班となって既に一年以上が経過している。もう、お互いの裸も見慣れたものだ。とはいえ、みんなそれぞれタイプは違うけど、綺麗で、ナイスバディだと思う。
一番のお胸さまの持ち主は史恵だ。私達の中で最も小柄なのだけど、所謂「隠れ巨乳」というやつだ。小柄で目鼻立ちのはっきりした可愛い童顔で巨乳。反則でしょうと思う。今もお湯にお胸さまが 浮いている。
それに対してひとみはしっとりとした色白の肌質でほっそりしている。お胸さまは慎ましげだけど、可愛らしく形がいい。
バスチェアに座って身体を洗っているエリカと真樹。エリカはヨーロッパの血が半分入っているだけに色白でお胸さまも大きく、メリハリのあるボン・キュッ・ボンな身体をしている。
真樹はやや筋肉質で、アスリートのような引き締まった身体をしている。お胸さまは意外とあり、筋肉質なのにそこだけ上手い具合にサイズがあるという、なんともずるくて綺麗な身体だ。
私は、自分の事だから何とも言えないけど、結構いいスタイルだと思ってる。
と、そんな事を考えていたら、エリカと真樹が身体を洗い終えて喋りながら湯船に浸かって来た。
「真樹、飛び込んじゃダメだよ。」
「しないよ、そんな事。小学生じゃないんだから。」
「でもやりそうじゃん。」
因みに、漫画や小説のように女の子同士でお風呂に入ったからといって胸を触ったり揉んだり、といった事はあまりしない。
エリカと真樹が湯船に浸かったので、何とは無しにお喋りが始まった。
私「こうして5人で一緒にお風呂に入るのも久しぶりだね。」
ひとみ「そうね、一ヶ月ぶりかな。」
史恵「一ヶ月かぁ。練習航海も1/3を消化したんだね。」
真樹「まだ残り2/3もあるしゃん。長いなぁ。」
ひとみ「1/3で根を上げてどうすんのよ。スペンサー要塞から月に行くまでが一番キツイのよ?」
エリカ「そうそう。航海中は戦闘配備で、いろんな想定の訓練やら呼集が不定期に行われるらしいから、みんなヘロヘロになっちゃうんだって。」
私・真樹・史恵「「「うへぇ〜」」」
ひとみの情報収集は流石の一言に尽きるよね。
私「えっ、じゃあ各コロニーに寄港する合間もずっとそんな感じってこと?」
ひとみ「そうみたいよ?」
まあ、大変そうだけど、これぞ練習航海って感じかな。
真樹「ねぇ、そんな事よりも愛鷹クルーでカッコいい男いた?」
その後は真樹の発言から愛鷹クルーのイケメン談義となったのは言うまでもない。のぼせそうになったから切り上げたけど。
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