表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/171

第33話 空挺降下②

降下塔にはエレベーターなど無い。訓練生はひたすら降下する高さまで重い装備を装着した状態で階段を登り続けるのだ。ダミー人形様や資器材などは専用のホイストクレーンを使用するけど。


装備は15kgくらい。昔に比べたらパラシュートなどの素材が軽量化されて随分と軽くなっているという事だけど、それでも、やっぱり重いものは重いのだ。



ところで、何故地球連邦軍は23世紀の現在に至ってもパラシュートなどという古典的な装備を使い続けるのか?その答えは、なんといっても安くて経済的。そして何世紀にも渡って使い続けられている信頼と実績があるからだ。もちろんジェット推進や重力制御装置を使った歩兵用の小型飛行装置も既に開発されてるけど、それはとても高価で、空挺隊員の全員に装備させる事は予算などの理由で難しい。それに燃料や電源の問題があり、飛行中や降下中に電源異常や故障があった場合はもう成す術が無い。その点パラシュートならば予備を開傘させれば事足りるのだ。まさにパラシュートは安心、安全、経済的で、技術的にも信頼の置ける兵士の良き友なのだ。


また、空挺隊員以外でも一定以上の濃度がある大気圏下では物資や、車両なども降下させられるパラシュートは大変重宝され、今でも活躍している。


と、何故滔々とパラシュートについて一人語りしているかと言えば、


「朝倉候補生、どうした次だぞ。さては怖気付いたか?」


11.9mからの訓練降下を前にして絶賛現実逃避中だったからです。


すう、はあ、深呼吸。おっ、筑波山が見える。あっ、あっちには富士山!綺麗だな。


「よし!」


私は両手でパンパンと頬を叩いて気合いを入れた。


「朝倉、降下準備よし!」


「よし、朝倉、何か叫んでもいいんだぞ。降下!」


訓練軍曹の折角の好意なので甘える事にする。


「降下!ばっかやろー!」


私は叫び、そして降下台を蹴って虚空へジャンプした。



まあ、何でもそうだと思うけど、大抵の事はやってみればどうって事は無いもの。最初の訓練降下こそ怖かったし、戸惑ったものの、それ以降は慣れて只々危険を認識したスリルのある訓練となっていた。


空挺課程は士官学校の必修課程ではなく、履修を拒否しても空挺徽章が与えられる機会が事実上永遠に失われるだけで、士官学校を退学になる事は無い。しかし、履修を拒否したものは効果表には永遠に臆病者とスタンプが押され、現役、予備役関係無く軍人である限り常に付きまとわれるのだという。


今回の空挺課程。私達のクラスからは幸いにして履修拒否する者は出なかった。



こうして降下塔からの降下訓練は無事に終わった。来週からはいよいよ輸送機からの降下訓練が始まる。



訓練後、隊舎のラウンジにて


真樹「ねぇ、降下の時って何て叫んだ?"私ばかやろ'"だったよ。」

咲耶「私も"ばかやろう"派。」

ひとみ「私は"うわー!"派だった。」

史恵「私は"ワタシハカモメー!"って叫んだ。」

真樹・咲耶「「まぁ、とてもワレンチナ的で、テレシコワっぽいですわ」」

真樹「で、エリカは?」

エリカ「私は"パリよ目覚めよー!"って。」

真樹「"聞けこの歌を、勝鬨の歌を"って感じか。」


読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ