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第27話 山岳訓練②

「山岳訓練なんて言っても、実際は休憩入れながら予定コースを歩くだけだって」

「眠い座学よりも体動かしていた方が気が楽だよ。」

「秋の北海道、いいよねぇ。」

「ねえ、帰りにPXでアレ買わない?ほら、20世紀からの伝統のお菓子。」

「白い◯人!」


訓練に出る前、クラスのみんなとちょっとした遠足気分で語り合った時が私にもありました。とても反省しています。



今、私達の小隊は悪化した天候の中、雨具を着て岩場の陰で降り続く冷たい雨を凌いでいる。


私達の小隊は午前9時に出発し、昼の到着地点で大休止を取った。合わせて昼食も摂ったのだけど、その頃から晴天だった天気が俄かに曇りだした。そして再び行軍を始めると、15時頃から雨が降り出した。雨足は次第に強くなり、視界も急速に悪化した。


『小隊長より各班長へ。天候悪化につき現時点で小休止を取る。各班長は小隊長の元に集合せよ。回答の要無し。以上。』


そんな時、小隊長の北条猛学生隊長から無線が入り、急遽小隊各班長は集まる事となった。


集まった8人の班長達と副隊長の花月舞候補生に対し、北条隊長は今後の行動について自らの方針を告げた。


「皆、今後の行動についてだ。この荒天と日没で視界が極めて悪い。気温の低下で隊員の健康状態にも懸念がある。我々はまだ大休止する予定地点に至っていないがここで野営し、明朝に天候が回復し次第行軍を再開しようと思う。意見があるなら言ってくれ。」


北条隊長に意見を求められて、まず手を上げたのは、意外にもあの木村候補生だった。


「では私から。ここで野営するのはいいと思いますが、翌朝になっても天候が回復しなかった場合はどうしますか?」


うむ。もっともな疑問だ。こいつはあんな事しでかしたものの優秀な士官候補生ではあるのだ。


「その場合は、残念ながら訓練指揮本部に救助要請をする。」

「わかりました。私からは以上です。」

「他に意見は無いか?」


北条隊長はそう言って全員を見回したが、木村が皆の意見を代弁したようで、私を含めた班長全員で「有りません」と応じた。


「では最後に私から。」


副隊長の花月さんが野営に当たっての留意点を挙げた。


「各班は班毎にまとまって下さい。また、各班長はそれぞれ連絡が取れるようあまり離れずに野営し、2時間毎に無線で1班に報告して下さい。」


その後解散となり、私は班員の元に戻った。雨足はやや強くなり、止む気配はない。気温は更に下がり、吐く息が白い。



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