第20話 戦況、そして夏休み
西暦2220年8月現在、アムロイとの戦争は依然続いている。
開戦当時にアムロイの別働隊による奇襲を受けた火星。民間人の脱出には成功したものの、地球連邦軍の火星駐留艦隊は民間人脱出の援護のため殿を守って全滅した。
その後、地球圏の外ではアムロイの主力艦隊とそれを迎撃せんと出撃した地球連邦軍の連合艦隊との間で艦隊決戦が行われている。
双方の戦力は拮抗していて、決戦は一進一退の攻防が続いたものの、戦場に後着した地球連邦軍のアステロイドベルト駐留艦隊がアムロイ艦隊の後方を遮断して包囲する動きを見せたためた事で流れが変わった。地球連邦軍の包囲に動揺したアムロイ艦隊が撤退を開始したのだ。その後は攻勢に転じた連合艦隊による追撃でアムロイ艦隊は撃破され、アムロイ艦隊の約三分の一を取り逃がしたものの、艦隊決戦は辛くも地球連邦軍の勝利で終わり、アムロイの地球圏侵攻は阻止されている。
その後の戦況として、火星はアムロイに占領されたまま、その地上ではアムロイと地球連邦軍の火星駐留軍との間で散発的な戦闘が続いている。
また、アムロイ軍が地球連邦の資源地帯である木星圏やアステロイドベルトからの資源を積載した輸送船団を襲撃し、地球圏と資源地帯を分断する戦術に転じた。そのため地球連邦軍も護衛戦に移行せざるを得ず、戦争は膠着状態となっている。
しかし、そのような状況下であるものの、8月になり、やって来ました夏季休暇。
現在戦時下である事から、1ヶ月あった夏季休暇も2週間に短縮されている。これについては入校時のガイダンスで説明があり、残念ではあるものの仕方ない事だと思っている。まあ、この戦時下で士官候補生がのうのうと1ヶ月間も街中にいるのも何かと批判を浴びそうだし、早く前線に出たいと思っている候補生も多いのだ。
さて、私の班のみんなは貴重なこの2週間の休みをどう過ごすのだろうか?
真樹 「私?私は実家が都内だからね。そのまま帰省するよ。咲はどうするの?」
私 「私は実家がNー1コロニー群だし、帰っても誰もいないから。」
真樹 「そうか、ごめん。なんならうちに来なよ。咲なら大歓迎だよ。」
ひとみ「私も実家が伊豆だから帰省するわ。神社の手伝いをさせられそうで恐いけど。良かったら咲耶もうちに来ない?」
史恵 「台南もすぐ帰れるからね。私も家業の手伝いが恐いよ。うちも咲が来てくれたら熱烈歓迎だからね。」
エリカ 「私はおばあちゃんが来い来いってうるさいからパリの母方祖父母宅へ行く予定なの。流石に弾丸ツアーになりそうだから、咲に一緒に行こうとは言えないけど、お土産買って来るからね。」
因みに、エリカの母方の祖父母はパリのシテ島で老舗の花屋さん "エトワール・デ・ラ・セーヌ " を営んでいるそうだ。もしかしてエリカのご先祖は、革命に揺れるパリで悪人を倒す仮面美少女剣士、だったとか?
私はというと、班のみんなが帰る家なき子のわたしをそれぞれの帰省に誘ってくれたけど(エリカを除く)、妹と横浜の祖父母宅へお邪魔する事にした。
さて、4ヶ月振りに会う我が妹の成長ぶりはいかばかりだろうか?
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