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第170話 終戦

サードアロー作戦がどうにか、かろうじて成功した。それでも愛機XFAーv3が大破した私は、AIにプログラムされたパイロット救命措置機能により人工冬眠状態となった。


そして宇宙空間漂流中だった私は一週間後に救助隊によって発見・救助された。病院船に収容され、じっくり解凍されて意識が回復し、諸検査で異常なしとの結果が出されたので私は原隊に復帰する事となった。


空母海鳳に戻った私を待っていたのは、戦闘航空大隊が戦力としては全滅した事実だった。これは大隊の誰一人として生き残っちゃいないって意味では無くて、大隊戦力としての全滅。私も含め、あの戦闘からの生還者も他にいたのだ。


私は幸にして生き残る事が出来たし、私の戦友にして部下達、パティに真樹にエリカも生還していた。あの戦いでパティもエリカも被弾した機体で頑張って海鳳に帰艦する事が出来た。2人の機体はほぼ大破して修理も出来なかったらしいけど。


「その点、私は機体を損ねずに帰艦したけどね」


真樹はそう言ってそのまあまあな胸を張ると、しら〜とした視線をパティとエリカから向けられた。とはいえ、あの激戦で真樹は常に最前線で戦っていたのだから、誰に恥じる事無く胸を張っていい事だと思う。


中隊長の団長ことマーベル・ホワイト大尉、士官学校同期の中山君に木下君も無事に帰艦した。


そうした訳で戦力としての大隊は全滅状態。生き残ったパイロットで戦力の再編を、としたいところだったけど、生還はしたものの機体を失った者が多かったため、そもそも乗れる機体が海鳳には無かった。


無論、機体の補充など無く、そのまま第6独立挺進艦隊は土星宙域から木星へと移動した。艦隊はミネルヴァ基地で部隊再編に取り掛かったけど、その最中に私達は地球連邦とアムロイ諸族連合とが講和条約を締結し、停戦状態から戦争状態への移行、つまり終戦となった事を知ったのだった。


〜・〜・〜


戦争が地球連邦軍の勝利で終わり、アムロイ軍が武装解除されるとそれまでの戦時動員は解除され、地球連邦軍は戦時軍備増強から平時の態勢まで軍備が縮小される事となる。そこで私は躊躇する事無く退役の道を選んだ。


そもそもが父の敵討ちという目的を果たすために士官学校の門を叩き軍人に、そしてパイロットになったのだ。その目的を果たし、戦争そのものが終わった以上、私の中で私が軍人でいる意味は無い。まぁ、自分で言うのも何だけど、私は宇宙時代初のトリプルエースだとかで、しかも戦功も幾つかあった事もあって上の人達からは慰留されはしたけど、決意は変わらない。


そうして私は退役の道を選んだ。では隊や同期のみんなはどうなのか?


パティ「私も退役するよ」

エリカ「私は軍人の家の子だから、このまま残るかな」

真樹「私も軍に残るよ。そもそも軍人を志して士官学校に進んだからね」

ひとみ「私は戦争に勝ったから退役するわ。実家を継がなきゃいけないしね」

史恵「私も実家の会社を継ぐから辞めるね」


との事だった。


おそらく空母海鳳から離れてしまえば、こうしてこのメンバー全員で会う事は難しいだろう。それが寂しいのだけど、戦争によって巡り合った私達が戦争の終わりによって離れ離れになる。それが戦争が終わって平和になるって事なんだと思う。


私達は最後に真樹の機体をバックに生き残ったみんなや支えてくれたみんなで集合写真を撮った。この写真はこれまでの私の人生の集大成とも言え、大切な宝物だ。


因みに、山中君と木下軍からのプロポーズは丁重にお断りした。二人とも随分と落ち込んでしまい、罪悪感で居た堪れない気持ちになったけど、しょうがないよね?だって、私には好きな人がいるんだもん。


実はサードアロー作戦出撃前に整備小隊の秋月少尉からも告白されていて、こちらもお断りさせて頂いた。


秋月少尉は諦めて引いてくれた。だけど、秋月少尉とはサードアロー作戦出撃前にキスしそうになってヘルメットのバイザーに阻止されていて、その時に続きは戻ってからしようとの約束(したかな?)を持ち出されて。私の人生2度目のキスを秋月少尉、郁ちゃんに捧げた。そのまま捕まって何度もキスされたのは想定外だった。結構、肉食系だったのね、郁ちゃんってば…


「マツモト中尉とお幸せに…」


と、秋月少尉は去って行き、思いっきり私の気持ちがバレていた事にびっくり。


そう、私はブラックチューリップ小隊で部下であり、バディであり、戦友であるパティの事が好きになっていたんだ。


いつも私と一緒に居てくれて、支えてくれ、戦い、生死を共にして来たパティ。


私は木星はミネルヴァ基地からの復員船でパティに告白し、ようとしたら先にパティから告白されてしまった(不覚)。


「サク、私、サクの事が好き。レッドライオン小隊の頃から好きだったの。サクと一緒にいたいから私も新型戦闘攻撃機のパイロットに志願したんだ」


「私も、私もパティの事が好き。レッドライオン小隊の頃から。パティが新型戦闘攻撃機に志願して、また一緒になって本当に嬉しかった!」


こうして私とパティは戦友からプラス恋人となり、士官待遇で与えられていた2人部屋で強く抱き合い、熱いキスを交わしたのだった。それ以上もしたかったけど、流石に復員船の中じゃ、ねえ?


〜・〜・〜


復員船である大型客船は、地球圏に入ると月の裏側に静止する月軌道ステーションに入港した。復員軍人達はそこから更にそれぞれの目的地へと散って行く。


私とパティは再会の約束をして、私はNー1コロニーの実家へ、パティは実家のある地球のハワイへと別れて行った。


退役軍人の肩書だけで気楽な身分となった私は、自由になってこれから自宅の片付けや地球に行ってお世話になった祖父母や美奈子叔母さんの元を訪れて本懐を遂げた挨拶と報告をしようかと思っている。

いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに!


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