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第142話 回航

STH防衛艦隊は先の戦い、STH群防衛戦(=ファーストアロー作戦)で多大な損害を受けて防衛戦力としては全滅状態となっていた。


STH群防衛艦隊の戦力は急遽あちこちから掻き集められた輸送船団の護衛艦隊で、更にその実態は今時大戦が開戦してから建造された簡易構造の防空駆逐艦が大部分を占めていた。乗組員達も予備役や新兵が多く、お世辞にも高いとは言えない練度だったのだ。だけどアムロイ艦隊との圧倒的な戦力差に一歩も引かず、艦隊戦力として全滅するまで戦い続けたその闘魂と覚悟、そして実績は賞賛に値すると思う。戦死した仲間も、生き残った仲間も、皆誇りに思っていいんじゃないかな。


とはいえ、残存戦力でのSTHー1防衛は困難であり、私達も含めた生き残りの艦艇は修理、補給、そして部隊再編のため任務を木星駐留艦隊に引継ぎ、木星のミネルヴァ宙域に回航される事となった。


STH群防衛艦隊に編入されていた第1から第6までの独立挺進艦隊もSTH群防衛の任務を解かれ、本来の任務であるハンターキラーへ戻る。


と言ってもSTH群防衛戦で多大な損害を受けたのはどの艦隊も同じ。私達第6独立挺進艦隊は比較的損害が少なかったものの、全滅に近い損害を受けた艦隊もあり、直ぐに元の任務に戻る事は出来なそうだった。


そうした訳で、STH群防衛艦隊の生き残りは木星圏で碇を下ろし、命の洗濯をする事となった。


まぁ、きっと私達の艦隊は司令のガチンスキー大佐がミネルヴァ宙域の工廠の尻を叩いて損傷艦修理を急がせて任務復帰を早めるのでしょうけど。


あれだけの激戦を戦い抜いたんだから、ここらで少しくらい翼を休めたってバチは当たらない、よね!



地球連邦軍は、今はアムロイの本拠地となっている土星宙域まで帰って来た。STH群防衛戦(ファーストアロー作戦)で敵の本土防衛艦隊はその戦力を大きく減じ、この戦争の趨勢は地球連邦軍の勝利に傾きつつある。きっとここでファーストアロー作戦に次ぐ二の矢、セカンドアロー作戦が遠からず発動されるはずだ。


そんな大作戦を前にしての後方への回航。今まで戦って来て、そして最前線で戦い続けた私達がこの戦争の決戦に臨む事が出来ないのはとても不本意に思う。


だけど、必ずしも予測がつかないのが世の中というもの。

高校生の頃、部活(空手部)顧問の先生(男)が結婚した(因みにお相手は部のOG)。その結婚式に女子空手部を代表として招待されたのだけど、主賓の校長先生がスピーチで


「人生には3つの坂があります。登り坂、下り坂、そして"まさか"です」


と言っていたのを思い出す。


その時は隣に座る男子空手部長の「長いわぁ、早よ乾杯せぇやぁ」というインチキ関西弁の呟きががウザくてあまりその意味を深く考えなかった。だけど私も一応大人と呼ばれる年齢となった今、経験上"まさか"が一番多んじゃないかなと思いしらされている。


「そうだ、お前さん。まさか、この戦争がこれで終わるだなんて思っちゃいないだろうな?」


野村大尉の煽るような声が響く。


「まぁ、しっかり休んでおく事だ。お前さんの活躍はまだまだこれからだからな」


英霊、野村悠里命からの神託?になるのかな、これは。


〜・〜・〜


元STH群防衛艦隊は戦闘で受けた損傷を工作船による応急修理を受けて、どうにか木星のミネルヴァ宙域へと辿り着いた。損傷の激しい艦艇から入渠していく中、艦体に損傷の無い空母海鳳はタロスコロニーに入港待ちだ。


果たして次に戦場に向かうのはいつの日だろうか?取り敢えず、入港して上陸したら戦場の垢を落として、美味しいものを食べてリフレッシュしよう。


「じゃあ、ムーンプリズムパワーメイクアップね!」


「リフレーシュ!だね」


エリカと真樹の掛け合いを聞きながら、私は上陸してからの事を思い描いていた。



 


いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話にご期待ください。


独眼鉄「俺にとって男塾はいわば、親も同然。親をバカにされて下を向いてるぐらいなら俺はいつでも男をやめてやるぜ」


宮下あきら『魁‼︎男塾』より

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