表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/171

第141話 第13独立部隊って知ってる?

「それでね、」

「うんうん」

「その第13独立部隊は敵からは木馬っていうコードネームを付けられて、狙われて、」

「へえー、木馬?何かカッコいい」

「それで?」

「友軍からは囮部隊として陽動作戦に従事させられてたんだけど、常に戦果を挙げ続けてたんだって」

「へえ〜、やるねぇ。ウチらみたいじゃん!」

「本当だね」


空母海鳳の食堂。エリカの話をみんな、うんうんと聞いている。


と、そこへひとみの突っ込みが入る。


「エリカ、それ何百年前のアニメの話よ?みんなも信じちゃだめよ?」


あぁ、本当の戦史じゃなかったんだ。すっかりエリカに乗せられてた。


でも、戦史上で囮部隊や囮作戦は珍しい事じゃないんだよね。


例えば、第2次世界大戦では捷一号作戦で大日本帝国海軍の第一機動艦隊は米軍機動部隊を引っ張るための囮が任務だったし、レイテ沖海戦では航空隊のエアカバーの無い栗田艦隊の被害担当艦として戦艦武蔵が米軍機動部隊の攻撃を引き受けて沈没している。


戦争に勝つには時としてそうした犠牲が必要とされるし、軍人ならこうした任務だって下命されたら従わなくてはならない。


とはいえ、いざ自分が、自分達が囮とされていたら、それを平然と受け入れられるだろうか?偉い人はそれでいいかもしれないけど、圧倒的な敵の中で絶望的な戦いをしなければならない身としては納得出来る訳がない。


でも軍人だし、納得しなければ、今までそうして戦死していった英霊達に顔向け出来ない。そんなジレンマにも陥ってしまう。




STH群防衛戦はアムロイの本土(?)防衛艦隊を釣り出して包囲殲滅するための陽動作戦だった。私達は土星奪還作戦っていつ始まるんだろうね?なんて話していたけど、もうとっくに始まっていて、私達が正にそのファーストブラッドだったんだ。


そして、そもそもが3基あったSTH群の中で本物はSTHー1だけだったという事実。他のSTHー2とSTHー3はハリボテのニセモノだったという。だからその2基はSTHー1よりも不自然に突出した位置にあったのかと納得した。


STH群を餌としてアムロイ軍の本土防衛艦隊を釣り出す。STH群防衛艦隊が敵を食い止めている間に友軍の木星駐留艦隊とアステロイド駐留艦隊がアムロイ軍の本土防衛艦隊を包囲して殲滅する。これがあの作戦、ファーストアロー作戦の骨子だった。


結果的にこの作戦は大成功。アムロイ軍の本土防衛艦隊は見事に釣られ、主力が包囲殲滅されると残存戦力は撤退して行った。


STH群もSTHー2は敵のミサイル飽和攻撃で破壊され、STHー3も大損害を受けた。でも、この2基はそもそもがハリボテのニセモノだったから無論想定内。寧ろ本当のSTHー1を守りきったのでSTH群防衛司令部も任務を達成出来た。


でも、死守しろ(正式な命令ではないけど)と命令され、必死になって守り抜いたSTH群が実はハリボテのニセモノでした。でも作戦成功して戦いにも勝ったよ!と言われたって今更だ。だって、私達は危うくSTHー1のレーザービームで4人揃って蒸発するところだったんだから!


とても喜べる気分じゃなかった。


STH群防衛艦隊の被害も甚大で、第6独立挺進艦隊は旗艦ハールバール、駆逐艦ファクセ、チューレ、グローブが被弾した。航空隊も3機が撃墜され、5機が被弾して行動不能となった。


作戦終了後、艦内の雰囲気は鬱然として、それはとても勝利者のそれではなかった。私達ブラックチューリップ小隊も多分に漏れずで、エリカはそんな雰囲気を払拭したくて、みんなにあの話をしたのだろう。本当ならば小隊長の私が率先してやらなければならなかったなだけど。


でもエリカが何であの話を選んだのかは、ちょっとわからなかったけど。




「それで、第13独立部隊は最後どうなったの?」


私が話の続きを促すと、ひとみに詰められてしゅんとしてしまったエリカの瞳が輝く。


「その部隊は敵の最終防衛線である宇宙要塞を攻め落す作戦で艦載機が全滅して、母艦の強襲揚陸艦も被弾して座礁後に撃沈されちゃうんだ」


「「「「全滅したんかい!」」」」


女子4人の突っ込みが室内に響く。


「全く、なんて話してんのよ、縁起でもない」

「いや、全員生還してるから!」

「でもアニメでしょ?」

「アニメじゃない!いや、アニメか」

「どっちよ!」


エリカとひとみの掛け合いは珍しいけど、この際はスルー。でも、このお陰で私も含めてみんなの気持ちが軽くなったのも事実。


上手く気持ちが切り替えられそう。どうにか次の戦いにも臨めそうかな。

いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話にご期待ください。


桐生院ヴァン「日々冒険、人生は真剣勝負!」

『うたの⭐︎プリンスさまっ♪』より

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ