第137話 トオルハンマー防衛戦③
空母海鳳の2個戦闘航空大隊は、艦隊直掩の1個小隊を残した全機がSTH群へ迫り来るアムロイ艦隊を迎撃すべく、その正面宙域に横一列の布陣を成した。
これは第6独立挺進艦隊の航空隊だけではない。STH群防衛戦に参加する他の第1から第10までの全ての独立挺進艦隊の航空隊は連合戦闘航空団を編成してこの戦いに臨んでいるのだ。
それは総勢640機にも及ぶFAーv3の大編隊という事になるのだけど、勿論航空隊だけで敵艦隊とやり合い訳じゃない。私達の任務は敵大型ミサイル群の迎撃だ。
「ドラゴンスレイヤーから連合戦闘航空団各機、正面から迫る敵大型ミサイル群に対し宙域制圧多弾頭ミサイル全弾発射せよ!」
この大編隊を指揮するのは第1独立挺進艦隊の第1戦闘航空大隊長だ。この人の本名はわからないけど、TACネームはドラゴンスレイヤー。
そのドラゴンスレイヤーさんから宙域制圧多弾頭ミサイルの発射命令が下された。
この迎撃戦に際し、直掩機を除く航空隊の全機は宙域制圧多弾頭ミサイルのポッドをFAーv3の後部尾翼に8基搭載しているのだ。
「ビクトル、宙域制圧多弾頭ミサイル全弾発射!」
『了解』
1基のミサイルポッドには3発の宙域制圧多弾頭ミサイルが装填されている。私のXFAーv3に搭載された8基のミサイルポッドから24発のミサイルが発射された。
勿論、私の機体からだけではない。出撃した640機による一斉発射だ。
合計15360発にもなったミサイル群。無数の光跡を引き、STH群を破壊せんと放たれたアムロイ軍の大型ミサイル群へ向かって突き進み、やがて小型ミサイルをばら撒いた。
コックピットの全方位モニターには宙域制圧多弾頭ミサイルの爆発する夥しい火球の輝きが映し出された。そして次の瞬間には爆発するアムロイ軍の大型ミサイルが放つ火球の凄まじい光が全てを覆った。
それは光量の調整が行われてあっても、モニターから光の圧力を感じる程で、あたかも超新星の爆発を間近で見たかのよう。いや、そんなの見た事ないけどね?
それでも宙域制圧多弾頭ミサイルによる迎撃を掻い潜った撃ち漏らしの敵ミサイルは存在する。そうしたミサイルは艦隊による対空砲火により撃墜され、STH群防衛戦の緒戦はSTH群を守り切る事が出来た。
勿論、これで戦いが終わりではない。STH群にはアムロイ軍の大艦隊が迫りつつあるからだ。だから、来るべき艦隊戦に備え、私達航空隊は対艦ミサイルを装着するため、一度母艦に帰艦する。
空母海鳳からのガイドビーコンに従って着艦。XFAーv3は航空格納庫に収容されると、すかさず整備小隊により機体点検と対艦ミサイルの装着が行われる。
「朝倉中尉、お疲れ様でした」
機体から降りる私に整備小隊の秋月郁恵少尉が労いの声をかけてくれ、彼女はそのまま機体整備に取り掛かった。
「有難う、郁ちゃん。ウチの子をよろしくねー!」
私は秋月少尉に機体を預けると、格納庫の操縦士待機室に入り、冷えたパイナップルジュースのパックを手に取ると、一気に啜った。
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それでは次話「トオルハンマー防衛戦③」にご期待ください。
「君は、走るか?俺たちゃ走るっ!」
「戦闘メカザブングル」より




