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第133話 アホートニク作戦③

アホートニク1号作戦で航空隊が使用する対艦ミサイルは、今回初めて使用される新兵器だ。


この新型対艦ミサイルは、その弾頭部分が標的となる敵艦の艦体に接触すると超高熱を発生させ、艦体の装甲を融解させつつ内部に侵入して艦内を灼熱地獄に変えてしまうのだ。更にミサイルは敵艦内の奥部まで侵入すると、ミサイル本体の炸薬が爆発して敵艦を内部から破壊するという破壊力する。


このミサイルの恐ろしいところは、被弾した部分から艦内に超高音の金属が溶けて気化したガスが吹き込んで乗組員の大半を殺傷して炸薬が爆発するタイプの他に、炸薬ではなく中性子を放出するタイプもあったりするのだ。どちらの場合も敵艦内の人からすれば悪魔のような兵器といえる。まぁ、兵器は皆そうだといえばそうだけど。


今回、私達航空隊はこの新型対艦ミサイルが6発入ったミサイルポッドをFAーv3の機体後部(翼のように4枚付き出ている部分)に4基搭載している。ミサイル発射後はミサイルポッドを切り離して分離し、通常装備状態となって戦闘を継続する事となっている。


第6独立挺進艦隊の先鋒たる航空隊の接近を察知した敵艦隊は直ちに防空戦を開始した。私達ブラックチューリップ小隊は敵艦から放たれる対空砲火のパルスレーザーを掻い潜り、対空ミサイルをAMMで撃破しながら、尚も敵艦隊に接近した。狙うのは敵艦隊の旗艦であるD級巡洋艦だ。外しはしない。


『マスター、間も無く対艦ミサイルの命中最適距離に至ります』


「了解よ」


対艦ミサイルの命中率を上げるため、更にギリギリまで機体を接近させる。


敵巡洋艦をレーダーに捕捉。


命中最適距離まで、3秒、2秒


「ブラックチューリップリーダーから小隊格機、対艦ミサイル全弾発射、しかるのち右下方へ旋回」


「「「了解」」」


私はブラックチューリップ小隊のみんなにミサイル発射を下命すると共にトリガーを引いて対艦ミサイルを発射した。私のXFAーv3から全24基が発射され、真樹、パティ、エリカが発射したミサイルが続く。


私はミサイルの弾着を見る事なく、予定通り機体を右下方に旋回させて退避。モニターで小隊のみんなの追随を確認した。


『敵D級巡洋艦への着弾を確認』


私は機体を退避させた後、一旦敵艦隊との距離を取ると、再度の攻撃態勢を整えた。新型対艦ミサイルは全弾を撃ち切っているので、この後は通常の対艦ミサイルによる攻撃となる。


私達ブラックチューリップ小隊からだけではなく、他隊からも攻撃を受けて、敵のD級巡洋艦は航行する速度を落としていた。


私達が敵艦隊の上空に達すると、幾つもの明滅する火球や被弾して艦体から大小の爆発が見られる。第一次攻撃で敵艦隊の防空能力は低下しているようだった。


「ブラックチューリップリーダーから小隊格機、敵艦隊の防空砲火は減少している。このまま上空から急降下爆撃するよ。対艦ミサイルを全弾発射して」


「「「了解」」」


真樹、パティ、エリカの返事を聞き、私は敵艦上空から機首を下方へ下げると、エンジンを全開にして加速。そして、急降下しながら敵艦をレーダーで捕捉して対艦ミサイルを全弾発した。上空から見る敵艦は艦幅が狭くて細長いけど、ギリギリまで急降下しての発射だ。防空能力の低下して船足が遅くなった巡洋艦などは的でしかない。


ミサイル発射後、私達はそのまま敵艦の下方へと抜けて退避しる。すると全方位モニターの後方から凄まじい光量がコックピット内を満たした(無論、光量は調整されている)。


そして、ビクトルからの戦果報告。


『敵D級巡洋艦の轟沈を確認しました』


「よし!」

「「「ヤッター!」」」


ヘルメット内のスピーカーからブラックチューリップ小隊みんなの歓声が響いた。私も一瞬だけガッツポーズを取る。


『マスター、大隊長より航空隊全機に戦闘宙域からの離脱命令が出ました』


大隊長からの離脱命令が出たという事は、航空隊による攻撃が一定の効果を挙げ、艦隊による砲撃が始まるという事。


「ブラックチューリップリーダーから小隊格機、みんなお疲れ様。対艦ミサイルも撃ち尽くしたし、大隊長からの離脱命令も出たからウチらは海鳳に帰艦します」


「「「了解」」」



今のところ、私達が確認出来ているのは、私達も攻撃したD級巡洋艦の轟沈のみだから、航空隊による奇襲の戦果全容はわからない。しかし、対艦ミサイルは全弾撃ち尽くしているし、離脱命令も出ているので海鳳には一度戻らなければならず、その後の第2次攻撃はあるか、どうか。


(まぁ、無いだろうけどね)


私は、感じているこの戦場の空気?雰囲気からそんな事を思いつつ、空母海鳳への帰路を急いだ。


その後、当初の作戦通り、旗艦ハールバール率いる艦隊が敵艦隊への攻撃を開始して、遂には敵艦隊を全滅させる戦果を挙げた。


こうして第1次アホートニク作戦は第6独立挺進艦隊の大勝利でその幕を閉じ、アホートニク作戦は作戦内容を変えつつ第3次まで継続されたのでした。










いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「トオルハンマーを死守せよ①」にご期待ください。


「美しく戦いたい。空に、太陽がある限り。不思議少女、ナイルなトトメス!」


『不思議少女 ナイルなトトメス』より


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