表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/171

第127話 妾の子

私達の部隊名を聞くや蔑んだ笑いを浮かべるホーネットのパイロット達。


「何なの、その笑いは?言いたい事があるならはっきり言ったらどう?」


私が彼等の態度にカチンと腹を立てそう訊くと、彼等のリーダー格であろうパイロットが再び馬鹿にしたような口調で喋りだす。


「何って、お前達あれだろ?独立挺身艦隊ってはぐれ者の集まりの。その航空隊なんて正規空母に乗れなかった落ちこぼれもいいとこだろ?」


更にリーダー格の尻馬に乗って他のパイロット達も騒ぎ出した。


「それに戦闘機に背を向けるとか、裏切り者かよ!」


「そうそう、しかも使用機が戦闘攻撃機って、お前達は俺達正規空母のパイロットから何て呼ばれているか知ってるか?」


人種は違うけど、私達も彼等も同じ地球人の同胞で、同じ地球連邦軍の軍人で、パイロットだ。だけど、こいつらはこんな醜悪な顔して同じ地球人を、友軍を蔑むんだな。


「何て呼んでるの、私達の事。参考までに教えてくれる?」


怒りを抑えたエリカが唸るように尋ねると、彼等は更に調子に乗った感じで声を合わせ、私達の事をこう言ったのだ。


「妾の子だよ。妾の子!」


"妾の子" その意味するところは、一般的に非嫡出子、婚外子という事だけど、この場では予定外に出来た望まれぬ子供とか、そんな意味だろうか?だけど、それは酷い出生差別だし、しかも今時実にナンセンスな事だ。それに"妾の子"だというFAーv3はそうした意味ではその言葉に該当しない。何故ならば、


「FAーv3は地球連邦軍の航空戦力増強計画によって立案され、防衛技術研究所によって開発されています。あなた方の言う"妾の子"とやらには該当しません。それを防衛技術研究所に言って自信を持っていえますか?何か勘違いしてませんか?誰だ言い出したか知りませんが、いい加減な話を得意げにベラベラ喋って恥ずかしくないですか?」


私は彼等の悪意と偏見に満ちた言葉に、当初の穏便に誘いを断ろうという思惑など何処かに投げ捨てて一気に捲し立てた。佐伯少佐やベルナルド大尉を始めとする技研のみんなが心血を注いで開発したFAーv3、私達の艦隊、そして戦友を侮辱されて黙っていられる私ではない。


そして、それが引き金となり、他のみんなからもホーネットのパイロット達への口撃が開始された。


真樹 「正規空母のパイロットってだけでそんなに偉いの?実戦経験あるの?大部隊に守られてろくすっぽ戦果なんて挙げられて無いんじゃない?言っとくけど、私達みんなダブルエースだからね?しかもこの()(私の事)なんてトリプルエースだよ?あんた達何機撃墜したの?」


エリカ 「私達は全員志願してFAーv3のパイロットになってるんですけど?はぐれ者って何ですか?裏切り者?意味がわからない。それにFAーv3は本当にいい機体で、あなた方が行った事もない最前線の土星宙域でも大戦果を挙げてますけど?ところで、あなた方は今まで何処に行ってたの?」


パティ 「独立挺身艦隊は敵の、アムロイの海の中、孤立無援で戦い続けてきた。安全な地球圏や木星圏でぬくぬくしていたあなた達とは違う。恥を知れ、恥を!」


山中 「(木村と一瞬目を合わせ) 凄い迫力だな」


木村 「(山中の視線を受け) だな。俺達は控えておこう」


怒涛の如きエリカ達の口撃を受けて黙り込むホーネットのパイロット達。彼等が余計な再起動をする前にマーベル団長がずいっと一歩前に出る。


「女の子に声を掛けておいて罵り出すとか、何を考えてるんだか、呆れるわね。謝れなんて言わないから、誰かいい先輩に女の子の引っ掛け方を教えて貰って出直しなさい。あまり騒ぎが大きくなる前に退散して欲しいのだけど?」


マーベル団長は腕を組み、諭すような口調でホーネットのパイロット達に事態の収束を促した。


彼等も自分達が上陸して浮かれ、調子に乗って一方的に他人を根拠も無い事で理不尽に侮辱したという負い目を多少は感じたのか、お互いに顔を見合わせてバツが悪そうにしていた。これを言語化したならば「おい、どうする?」「どうする?って、どうするよ?」といったところかな。


私も彼等に対して腹立たしい思いはある。だけど、こういう連中は変にプライドが高いから、自分から謝ったりはしない。下手に追い詰めると逆恨みするしね。だからこのまま捨て台詞の一つでも吐き捨てて立ち去ってくれればそれでいいのだけど。


実際、そうした流れになりかかっていたのだけど、不意に現れた女性士官が声を掛けてきた事で流れが変わってしまった。


「おい、お前達、何やってんだ?こんな所で」


美人だけどキツい感じの大尉の階級章を付けた白人女性。彼女が現れた事によって終息しかかっていた事態は新たなステージに移行し、いい加減終わって欲しかった私の期待は無残にも打ち砕かれたのであった。


いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「ジェリル・オコーナー大尉」にご期待ください。



クラリス「必ず、無事に戻ってくださいね。ご恩は一生忘れません」

五エ門「さっ、行かれよ」

次元「次元様だと」

五エ門「可憐だ・・・」

次元「おっ始めようぜ!」


『ルパン三世 カリオストロの城』より


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ