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第123話 ウーメリンちゃんとの別れ①

第6独立挺身艦隊が土星の周辺宙域での作戦行動に従事して、早くも3ヶ月が経過した。


この間、私達は作戦宙域においてアムロイ軍の監視・通信施設や衛星、哨戒艦などを発見し次第片っ端から攻撃して破壊、撃沈していった。


更に第1次から第4次に渡るアホートニク作戦で、アムロイ軍の通商破壊に向かう4個艦隊(100隻ほど)を敵の出撃ルートで待ち伏せて全滅させる戦果を挙げていた。 


先日はウーメリンちゃん達亡命希望者達が乗ったアムロイ船パンテーン号を保護する事となった。それによって第6独立挺身艦隊は、地球連邦軍木星駐留軍司令部の命令により彼等亡命アムロイ人狼達を木星駐留軍に引き渡すため、木星ミネルヴァ基地まで護送する事になったんだ。


思いもよらない3ヶ月振りの木星への帰還。元より覚悟の上の征途ではあったけど、木星はミネルヴァ基地に一度戻っていいよ、となれば嬉しくない訳がない。


そして、出会いがあれば別れもあるのは必然な事。地球人とアムロイ人という種族間の垣根を越えて仲良くなった私達とウーメリンちゃん達。以前に空母海鳳の乗組員と海鳳に移乗したアムロイ人達とで交流会を開催してから、艦内ではアムロイ人達に食事や娯楽のために食堂を開放している。私達ブラックチューリップ小隊プラスブリッジ三人娘は、ウーメリンちゃん達とそこで会っていた。


土星から木星までの航海も終わりに近付くと、ウーメリンちゃんは地球連邦から自分達がどのように扱われるのかと不安を訴えるようになった。


「ねえ、サクお姉さん、その第5惑星に着いたら私達ってどうなるのかな?」


「まぁ、多分だけど、捕虜以上お客様以下って感じだと思うけど」


因みに私達とウーメリンちゃん達の会話はアムロイ共通語で行われている。アムロイ共通語の基本は士官学校で習っているからそれを思い出しつつ、難しい場合には携帯端末の翻訳機能を活用したりもする。


「本当に?」


ウーメリンちゃんは不安げな表情で、上目遣いでそう尋ねてくる。くっ、反則的な可愛らしさだぜ、はぁはぁ。


「ほら、うちの偉い人が最初にアムロイの人達の人権を守るって言ったでしょ?それは政府からそうしなさいって言われているからなの。政府の方針でもあるから安心でしょ?」


「うん」


私の拙いアムロイ共通語の説明を聞いて少しホッとした表情となるウーメリンちゃんとフッカちゃん。二人のエルフ、いやいやアムロイの美少女同士が微笑み合う。うん、実に絵になるね。って、エリカ、写真撮らないで!



まぁ、私の話した内容は虚実半々、要は彼女達を多少なりとも安心させるためのハッタリだ。でも、彼女達が今後地球連邦から酷い扱いを受けるとは私は思っていない。彼女達は木星の地球連邦軍が管轄するスペースコロニー内で暫く暮らした後、火星で地球連邦軍に降伏したアムロイの支族、ヤグモ支族に引き渡される事となるはずだ。もしも、ヤグモ支族が彼女達の受け入れを拒否したら、やはり戦争が終わるまでどこかのコロニーで暮らす事になるだろう。


木星に到れば、それは彼女達との別れの時となる。私は最初に彼女達と接触してから、何だかんだで彼女達に感情移入してしまっている。だけど、亡命して来たとはいえ、彼女達は広義の意味では依然として敵だ。


少し寄り道した形になったけど、再び父の(かたき)を討つ。例え敵の戦闘機をアムロイの美少女が操縦していたとしても、私は撃墜するに躊躇はしない。


いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「ウーメリンちゃんとの別れ②」をお楽しみに。


「人の足を停めるのは"絶望"ではなく"諦観"…人の足を進めるは"希望"ではなく"意志"…」

           『ARMS』より



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