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第113話 ASCー1

地球人類とアムロイとの最初の接触はこの戦争が始まるずっと前、21世紀の後半に遡る。地球圏に小惑星を曳航するためアステロイドベルトに向かっていた地球連邦の大型調査船ボーンフリー号が火星軌道付近を漂流している異星人の宇宙船(後に戦闘艦と判明し、ASCー1と命名)を発見したのだ。


この異星人の宇宙船ASCー1を調査船ボーンフリー号が調査したところ、船体の損傷は軽微ながらも乗組員は何らかの原因により全員が死亡していたという(酸欠か中性子?)。


異星人の宇宙船発見により、ボーンフリー号は地球連邦政府の命令で本来の目的だった小惑星の曳航などそっちのけでASCー1の調査と曳航を行う事となった。


無事地球圏(それでも月軌道の外側)へと曳航されたASCー1。早速の調査で次々に異星人の進んだ技術(反物質エンジンや重力制御装置など)が明るみとなる。


ASCー1によりもたらされた異星人の進んだ技術は地球社会に反映され、地球連邦の宇宙開発は加速度的に進んで行く事となった。だから、私達が使っている宇宙船や武器などにはアムロイの技術が使われているのだ。


また、ASCー1から回収した異星人の遺体から、アムロイと自らを呼ぶ異星人達は哺乳類型のヒューマノイドの知的生命体で、私達地球人類と外見もよく似通っている事がわかった。ただ、当然異なる部分もあり、彼等は私達よりも両耳の先端が尖って長く、男女共に色白で私達の容姿の基準で言えば美形であったそう。


私も遺体から復元されたアムロイ人の姿を立体映像や写真などで見た事あるけど、それはまさにエルフそのものといった感じで驚いた。


しかし、アムロイの科学力は非常に進んでいて、当時の地球人類のそれと比較して200〜300年先を行っているものであったけれど、ASCー1の船内からは空間を跳躍するいかなる装置も存在しなかったという。


それでは、彼等は一体どこから、どのように、何のために私達の太陽系に来たのだろう?


そこで、漂流していたASCー1の軌道を計算したところ、約30年程前の土星宙域まで遡る事が出来たそうで、そうするとASCー1はどうも土星から現れた可能性が高かったという。


地球連邦はそのためASCー1の出現について二つの仮説を立てた。一つはアムロイ人は土星の衛星に生息する知的生命体であり、ASCー1は何らかの原因で損傷して漂流した、というもの。


もう一つは、土星宙域の何処かに別の空間に繋がる穴のようなものがあり、ASCー1は別の空間からその穴を通って太陽系に現れたのではないか、というもの。


土星やその衛星に宇宙船を建造出来る程の知的生命体がいるのであれば、彼等が発する電波などは地球からでも傍受出来てすぐにその存在が明らかになるはずである。そうした観点から前者は否定され、地球連邦政府は後者の可能性が高いと判断し、土星宙域の調査の必要に迫られたのであった。


そうしてASCー1の発見によりアムロイ人の技術を分析、研究、応用しての宇宙開発は、いつしか、いつか現るかもしれない異星人からの侵略に備えた防衛体制の確立、そして異星人が通って来た穴を見つけるための土星宙域の調査が原動力となって牽引された。



土星の周辺宙域、そこには幾つもの小惑星群が存在している。まだ番号のみで名前も付いていない、その中の一つに第6独立挺身艦隊は潜んでいる。


敵の勢力圏で行動する私達は、常に航行している必要がある。そうした中でこうした小惑星群は暫し身を隠せる貴重な隠れ家だ。


この一ヶ月間の作戦行動でアムロイ軍の土星圏における警戒網が案外粗雑で穴も多いという事がわかった。アムロイの科学力をもってしても広大な土星宙域をカバーするのは難しいのかもしれず、こうした小惑星群の存在も把握し切れていないのだろう。


土星とその周辺の観測にあっては数世紀に及ぶ実績がある私達地球人類。それこそ地の利は我に有りって感じで把握している小惑星群には私達だけではなく、現在少しずつだけど反攻、そして土星奪還のため続々と友軍は集結しつつある。


遠い宇宙から土星宙域の(ワームホール)を通って私達の太陽系に漂流して来たASCー1。そして、この船の発見に端を発するこの戦争。きっと私達地球人類と侵略者アムロイ人との互いの存亡を賭けた決戦は土星宙域で行われるのだろう。






いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「敵討ちと報復」にご期待ください。


しびれるくらい、後悔させてやるよ!

              by sジュピター

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