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第111話 第6独立挺身艦隊

「ここに諸君ら精鋭パイロットとFAーv3からなる2個戦闘航空大隊を迎えられた事は実に幸いである。諸君らには今後、実戦にてFAーv3の威力を存分に発揮して貰いたい」


私達は今、空母海鳳の航空機格納庫で整列して第6独立挺身艦隊の艦隊司令から訓示を受けている真っ最中。この、私達の前で仁王立ちで熱弁を振るっているのはアレクセイ・ガチンスキー大佐(45)という名前から分かる通りのロシア人だ。


このガチンスキー大佐、長身で"ゴツい"という表現がぴったりな体格。しかも顔は四角くて厳つい、眼光鋭い見るからにおっかないおじ様である。


頑固そうなその容貌は、一つの事に執念を燃やすタイプに見える。事実、ガチンスキー大佐はこの艦隊の司令になる前は巡洋艦リューリックの艦長だったそう。巡洋艦リューリックといえば、木星周辺宙域に侵入して来るアムロイ軍の艦艇を単艦で30隻も撃沈している殊勲艦として有名だ。


「我が艦隊は諸君らの配置をもって編成完了となった。我々の目的は艦隊単独にて土星宙域に進出し、敵の情報を収集し、敵を監視し、もって敵による我が軍への通商破壊を防ぐ。そして、敵の小舟一隻、衛星の一機であっても徹底して破壊し、通信索敵を妨害し、嫌がらせの限りを尽くして敵の後方を撹乱する事である」


要はこの8隻の艦隊で土星の周辺に行き、アムロイ軍に対して艦隊によるゲリラ戦を仕掛ける、という事らしい。


地球連邦軍宇宙艦隊の基幹艦隊で大勢の中に埋れているよりも、ここにいる方が私にとっては父の敵討ちの機会が多そうだ。どうもなかなか大変そうだけど、護衛艦隊の時のように何かを何がなんでも守り抜かなければならない、という訳ではなく、敵を見つけては攻撃し、頃合いを見計らっては引く。今度は狩られる側ではなく、狩る側になるんだ。


「これは来るべき地球連邦軍による土星奪還の露払いとしての意味合いもある大変重要な任務である。諸君らの活躍を大いに期待している」


ガチンスキー大佐の訓示が終わると海鳳艦長竹達大佐の訓示と続き、副長を始めとする各部からの連絡事項の伝達があってから私達は解散となった。


第6独立挺身艦隊。それが私達が配属された部隊の名称だ。独立戦闘航空団に漸く身請け先が見つかり、"独立"の二文字が消えたと思ったら身請け先に''独立"が付いていた件。まぁ、良いんだけどさ。



この艦隊の任務は、ガチンスキー大佐が熱く語っていたように、「挺身」の名の通り艦隊によるゲリラ戦。"第6"というからには他に少なくとも5個の独立挺身艦隊が存在しているのだろうか?その全貌も他隊の任務も私にはわからない。また、"独立"とあるので他隊との連携は基本無く、艦隊単独での任務遂行と私は理解しておく事にした。



さて、我らが第6独立挺身艦隊の戦力だけど、旗艦となる巡洋艦一隻、空母一隻、駆逐艦六隻からなる小艦隊。


旗艦はガチンスキー大佐の座乗する巡洋艦ハールバール。この巡洋艦は外惑星系での運用を想定して建造された大型巡洋艦で、装甲とエンジン出力が強化されている。ちょっと無理があるかもだけど、敢えて例えるならば昔のドイツ海軍の豆戦艦的な?とエリカは言ってた。そんな無理に例えなくてもいいのでは?とみんな思ったそうだ。


次いで空母海鳳凰。言わずと知れた我らが母艦。戦時量産のため船体構造が簡易化された大型空母で、こちらも外惑星系での運用を想定してエンジン出力が強化されている。その航空戦力としてFAーv3からなる戦闘航空2個大隊と哨戒機3機からなる2個偵察小隊が搭載されている。


そして、六隻の駆逐艦。これらも戦時簡易型の新造艦だけど、量産のため船体構造が簡易化された事以外は既存の駆逐艦と性能は変わらない。いや、外惑星系での運用を想定してエンジン出力は強化されているので部分的には性能が良いとも言えよう。


艦名はゴルム、ファクセ、スノーレ、チューレ、ウールメ、ウローブとなっていて、北欧系の人が命名したのかな?とか、戦時に量産される大量の駆逐艦に名前を付けるって大変なんだろうな、とか思ったりした。


そうしてアステロイドベルトのクヌート基地で編成を終えた第6独立挺身艦隊は、諸々の訓練を行いつつ、まずはトロヤ群を目指し、そこから更に土星の周辺宙域に向い、嫌がらせ、もとい、アムロイ軍の後方撹乱の任務に就く事となる。


たった八隻の小艦隊で敵の勢力圏となっている土星宙域での後方撹乱任務は過酷なものになると思う。だけど、今まで守勢だった地球連邦軍がまがりなりにも攻勢に転じた事で艦隊の士気は高い。


それに、私には信頼出来る仲間と、共に戦場を()けたXFAーv3がある。もう何も恐くない!って事は流石に無いけど、行く手に待つのが何であれ、父の(かたき)アムロイが辟易する程嫌らしく、容赦無く攻めてやろう。と、今私はクヌート宙域から離れつつあり空母海鳳の自室の中でベッドに横たわり、横のマーベル団長の寝息を聞きながら決意を新たにした。


因みにマーベル団長はルームメイトで、通路を挟んだ隣のベッドで眠っているだけだから、変な勘違いはしないでね?

いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「新たなる戦いの序曲、のちょっと前」をお楽しみに!


愛の天罰、落とさせて頂きます!

            by sヴィーナス

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