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第107話 部隊創設事始め

私が所属する第3独立戦闘航空団は、同時期に発隊した他の第1から第6までの独立戦闘航空団と共に地球連邦軍地球圏防衛総隊直轄の部隊となっている。これには二つの理由があるとされているらしい。


それは、総隊本部直轄の下で優先的に部隊創設の準備と迅速な戦力化を行うというものが一つ。でも、これは建前であって、もう一つの理由が真実に近いのではないかと噂されているのだ。


そのもう一つの理由とは、まだ実戦経験が殆ど無い、どのように運用して良いのかわからない新兵器で編成された部隊を、どこの航空部隊も機動部隊も欲しがらなかったというもの。


地球連邦軍の上層部は、現在の主力戦闘機である六式艦上戦闘機の実戦での戦果と消耗率から、六式はアムロイ軍の戦闘機に対して劣勢であるという認識に至ったそう。そして、その六式艦戦の弱点を補うため"戦闘攻撃機"という新たなコンセプトの機種開発と、六式艦戦後継機の開発及び実戦配備の前倒しを決定した。


現場の指揮官レベルでは後継機開発と実戦配備の前倒しは歓迎されつつも、戦闘攻撃機の開発と配備については敬遠された、という事だった。


というのも、FAーv3は六式艦戦の発展型とはいえ、やはり六式艦戦とは武器システムも異なるし、機体も大きいから場所もとる。また、既存の戦闘機隊との連携なども考えると戦術の見直しも必要となってくる。現在は戦時下であり、自分が指揮する部隊の戦力を充実させたい現場の部隊指揮官としては、自隊の戦力を減らしてまでそんなお荷物抱えたくないのだろう。



そういう訳で戦闘攻撃機の開発・配備には反対が多く、実はボツになりかけたみたい。だけど防衛技術研究所が執念で試作機の開発を成功させ、且つ、木星での戦闘に投入して単機で大戦果を挙げた事で息を吹き返したそうだ。そして戦闘攻撃機の開発・配備計画は不死鳥の如く奇跡の復活を果たす事が出来、FAーv3の正式採用と部隊創設が決定された、というのである。


だがしかし、せっかく部隊創設まで漕ぎ着けたものの、やはり部隊の引き取り手が決まらない。そこでやむを得ない措置として、発隊する六つの戦闘航空団を地球圏防衛総隊直轄の"独立戦闘航空団"という事にしてお茶を濁したのだそう。


"〜だそう" "〜だという"など語尾に伝聞系が多いのは、高々現場の小隊長風情が軍上層部の思惑などわかるわけも無いから。情報入手の伝手なんてある訳も無いしね。だから、今までの内容は飽くまで正規の情報と出所の怪しい噂などを総合し、そこに各人の推理や推測を加味して何となく出来上がった推論だったりする。まあ、案外近いところまで迫っているんじゃないかと私は思うけど。


でも、この話が本当だとするならば、せっかく創設された独立戦闘航空団もこのままでは成果が出せず、そうなれば反対派は嬉々として解隊に動き出してしまいかねない。


私としては、それは正直避けて欲しいところ。漸く私と相性が良くて強力な機体と心通じ合う仲間でもある部下達に恵まれたのだ。


とはいえ、私も宮仕えの悲しき身分なので、そんな状況では訓練で腕を上げるなど実戦に備えて粛々とやれる事をやるしかない。申し訳ないけど、難しい事はマーベル団長を始めとする団の偉い人達にお任せするしかないのだ。



そうして、部隊が発隊してから訓練期間の一ヶ月が終わろうとする頃、地球連邦軍地球圏防衛総隊本部から部隊の移動が通達された。どうやら私達の引き取り先が決まったようだった。


果たして、私達の一ヶ月は先様の目にはどのように写ったのだろう?頼もしい新兵器のデモンストレーションだろうか?それともニャーニャーと鳴いて憐みを誘う段ボールの中の捨て猫?


そうした訳で、私達は通達に基づき行き先も知らされないまま、実に慌ただしく引っ越し準備を進める事となった。そして部隊ごと大型輸送船ルシタニア号に乗船し、まだ見ぬ配備先に向かって出発した。


一体どこの部隊が私達を受け入れてくれるのか?お呼びとあらば星の果て、マゼラン星雲ひと跨ぎ、は流石に無理だけど、お呼びとあらば即参上!しますよ?

いつも『朝倉家の戦争』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「新たな戦隊、その征く先は?」にご期待下さい。


当てさえすれば勝つんです。諦めたら、負けなんです!

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