第15話
ぼちぼち更新です。
あれから、遊ぶのを止めて馬車を引く算段をラズールさん達がしてる。多分騎獣は戻って来ないので人が引く事になりそうだ。重量オーバーしない限りは幾ら乗せても5キロくらいの重さにしかならない。見た目はシュールだろうなぁ〜。今時珍しい人力馬車だ。ははは、乾いた笑いしか出ないな。
「冒険者に頼んで引いてもらおう」
「仕方ない。別料金で頼むしかないぞ」
あんまり馬車で遊ぶからだ!早く出発したいよ。冒険者連中も呆れているよ。王都に着くのが遅くなる。
「おい、頼んだぞ」
「お金は払ってくれよ。なんで俺たちが騎獣の真似なんか」
冒険者がぶつぶつ言いながら、頼まれて馬車を引いている。パーティーごとひとつの馬車を頼んだみたいだ。結局徒歩だから交代交代で引くから時間がかかった。次の町に着いたら夕方で遅くなったが、ラズールさんがギリギリで騎獣を買いに行った。
「騎獣が買えるといいな。楽になると言うか、笑われないで済むと思う」
町に着いた時、やっぱり馬車を人が引っ張っていたので笑われた。冒険者達も恥ずかしかっただろうな。俺は中にいたから平気だったが。最寄りの馬車置き場に預けて宿に向かった。普通は空の馬車を預けるが、宿まで晒し者になるのは勘弁って事で俺が提案した。荷物が載ってるのに盗まれないかって?ちゃんと盗難防止の魔法陣を書き込み済みだ。盗もうとすると痺れて24時間動けなくなる。
「ジーク、一緒に宿に行かないか?世話になったから食事ぐらいおごるぞ」
お!食事か。悪くない。ガラスさんに着いてくか、危なくない宿を紹介してもらうか。
「ご馳走期待していいか?ただ飯は美味い」
「任せろ!美味い物食わせるぞ」
ガラスさんに宿まで連れて行ってもらった。
「いらっしゃいませ!アンネイの宿にようこそ〜」
「いつもの部屋頼むぞ、それとこいつにも1部屋頼む」
俺の部屋まで頼んでくれたよ。ただか?
「ガラスさん、今日はラズールさんは一緒じゃないですか?新規さん紹介ありがとうございます」
「ラズールは、後から来る。食事を先に頼む」
「はーい分かりました。すぐに持って来ます」
おおーっ!宿のお姉さんはむちむち美女だ!視覚的には満足だが、俺のはまだ反応なしのお子様が悲しいよ。
「始めに言っとく、改めて助かった。乱暴に言ってすまなかった」
話の分からない親父かと思っていたが違うのか。年齢(前世込み)は近いので分からなくもないな。
「終わった事だ。もう、気にしてない、契約を守ってくれれば問題ない」
俺の関して、内緒の約束だけ守ればいいさ。早く用事を済ませて耳付き姉妹とミアの所に帰りたい。俺の癒し〜!
「ガラス、騎獣2頭手に入れた。明日からは笑われないで済みそうだ」
ラズールさんが笑顔だ。騎獣を買えたようだ、明日から格好は付く。気が付いてないようだが、馬車4台を騎獣2頭に引かせれば別の意味で凝視されそうだ。ご愁傷様。
「あはは、ラズールさん忘れてるよ。いくら馬車が軽くても見てる人にはわからないぜ。騎獣使いが見れば酷使してる酷い奴だと噂になりそうだよ」
そう言うと驚いた顔してた。やっぱり気付いてなかったよ。
「その問題があったか!だが2頭以上は要らないだろう」
「せっかく節約できる6頭は不要だ」
カラスさんと言い合いしてるよ。無駄な話だ、どっちをとってもあまりかわらないな。
この馬車は絨毯魔法を使ってる。ただ、全部と言う訳じゃない。重量軽減一定の量を超えなければ5キロの重さで止まる。それと、車輪は微妙に浮いてるので引っ張る騎獣の負担にはほとんどならない。実際見て確かめない限りは分からない。俺としては、人に分からなければ被害が来なくていいと思っている。




