第12話
一週間だけ限定どんどん更新5日目です。
王都に向って出発したよ。耳付き姉妹とミアは留守番だ。お金も渡してあるので大丈夫だと思いたい。王都行きの馬車を見つけて乗せてもらう事にしたよ。
「すみません、王都に行かれると聞いたのですが乗せて行ってもらえませんか?」
一応ギルドマスターの、紹介状はもらってるからダメだったら見せよう。
「隅でいいなら、代金払えばいいぞ銀貨五枚だ」
ちょっと高いが、護衛付きの商隊だから高くてもしょうがないな。まあ、お金はあるからいいか。
「はい、銀貨五枚だ。よろしく」
え?スケボーで行かないのか?行くわけないだろ。目立つし面倒に巻き込まれてたまるか
「ああ、いいぞ。そっちの荷物の馬車に乗ってくれ」
本当に隅だな。乗れるだけいいか。荷物に盗難防止の魔法をかけて寝よう。
「おい!起きろ!今日はここで野営だぞ」
商隊の人に起こされた。しょうがないこの道には宿屋も村もないからな。
「持って来た弁当でも食べてゆっくりするのもいいな」
賑やかに夕食の準備が進められてるよ。俺には関係ない、便利なバックがあると助かる。美味しい弁当が沢山入ってる。
「お!美味そうなの食ってる。羨ましい」
護衛をしている冒険者のパーティーのひとつが話しかけてきた。覗き込むなよ、俺の弁当だ。
「え?どれどれ、おおーっ凄い!熱々じゃないか?」
王都に行く前にバックを買って魔法陣を書いて作った物だ。性能いいから、劣化しないぜ。ふふふ、俺の魔法の使い方がいいからだぜ。魔力は少ないけどな。
「私も食べたい。携帯食は美味しくないわ」
巨乳のお姉さんやらないよ!後数日かかる旅の貴重な食料だぜ。涎が落ちる!汚いぞ!
「いいなぁ、少しくれない?」
もう一人のお姉さんも、物欲しそうな顔はやめろ。餌待ちの動物園の、うさぎかハムスターか!そんな顔されると罪悪感がするぞ。色気はないが、うーん負けた小動物には勝てない。
「はーっ、負けたよ、少しやる。ほら、取れよ」
弁当を差し出したら、小動物系お姉さんが喜んで取って行った。いや、弁当ごと持っていいとは言ってないぞ!
「やったー!パク、美味しい!」
「私も!んっ!美味しい!」
俺も俺もと残りのメンバーも食べて、あっと言う間に空だ。まだ、半分以上残ってたんだぞ。
「ごめん!全部食べちゃった。あはは」
あははじゃねーよ。俺の弁当だぞ。睨み付けると、パーティーメンバー全員気まずい顔をしている。
「すまなかった。謝るよごめん。美味しかったのは本当だ」
リーダーらしき人に謝られた。これが癖になるといけないぞ対価をもらうか。
「この旅で危なくなったら助けてくれよ。それで許す」
俺がそう言うと、四人とも分かったと言ったが、食い意地が張ってるようだ。まだないかと聞いてきた。続けて依頼を受けた為、携帯食料ばかりで飽きたらしい。まあ、あれが美味しくないのは知ってる。だから、俺は行く前に美味しい物を買って弁当を作ったからな。用意はばっちりだ。
「携帯食だしな。コンロ持ってるか?鍋にスープの素入れてやるよ。これで煮込めば携帯食でも結構いけるようになるぞ」
「え?本当!準備するわ」
走って俺の方に荷物を持ってきた。素早いなぁ、そんなに腹ペコかぁ?
「カイ!コンロ出して!鍋は…あった!」
リーダーが顎で使われてる。どこでも女の人は強いのか?
「ナイア!水出して!」
小動物お姉さんが魔法使いなのか。
「これでいい?美味しくなるの?」
よほどお腹が減ってるようだ。あっと言う間に準備が終わった。俺はスープの素(俺が作った)を入れて携帯食と一緒に煮立ちバックから卵を出して雑炊もどきの出来上がりだ。ネギに似た薬味を入れて完成だ。
「出来たぞ、お姉さん食べられるぞ」
いい匂いにつられて皆、我先にと食べ出した。
「「「「美味しい!」」」」
「まともなの久し振りだわ」
「これがこんなに上手くなるなんて感動」
「美味しいな、ありがとう助かった」
「険悪ムードがなくなった。君のお陰だ」
お礼を言ってもらった。冒険者達は、見張りの仕事があるが俺はないのでゆっくり寝る事にした。明日もいい日であるといいと思いながら。




