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特撮VRMMOで戦闘員として暴れてみた  作者: 月乃 そうま


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443/447

443〈side︰響也〉

本日、三話投稿の一本目になります。


───ザザッ……えてるか?…………ちら、じいじ……ナロクイベントは勝った……オーディンもアダムが倒した。繰り返……ラグナロクイベントは勝った! 外概念オーディンもアダムが倒した!───


 無線が復活した。

 それはつまり、『フリズスキャールヴ』を破壊して、この地域に張り巡らされた『アースガルズ』が解除されたのだろう。


 だが、じいじさんが喜びの報告をしてくれるのはありがたいが、こちらはそう暢気に構えていられない。


「SIZUさん! グレンさん!」


 山田さんが研究棟があった場所にできた穴に向かって叫ぶのを、他のメンバーが必死に押し留めていた。

 このままでは、山田さんまで一緒に落ちてしまいそうだ。


 僕は山田さんのことを他のメンバーに任せて、無線に応えることにした。


───じいじさん。こちら響也です───


───響也くんか! ようやく繋がったか……状況は?───


───作戦目標は達成しました───


 最も重要な部分はひと言で済む。

 じいじさんは、こちらの続きを待つことなく、喜色に溢れた声を上げる。


───そうか!───


───……ただ───


───うむっ……誰だ……?───


 僕の言い淀んだ声色に、色々と察したじいじさんが、多くを語らず、ただ、それは誰なのかを聞いた。


───SIZUさんとグレンさんです───


───……そうか───


───今、一人、Bグループの実験体らしき子を保護しています。どうやら、その子の力で『エデン』の外殻から内殻まで貫通する大穴を作ったようで、今はMP不足で失神しています───


───では、その子が?───


───はい、二人は穴に落ちて、機関部のマグマ溜りへ……───


───エデンは?───


───穴に反応して、冷却剤の爆発を確認しました。スペック通りなら、大事故は起きないはずです───


 ただ、冷却剤の爆発によって、二人の生存はより絶望的になっていた。

 僕は続ける。


───重軽傷者が多数出ています。これから戻ります。受け入れ準備を……───


───ああ、会長くんも居る。なるべく早く戻れるよう、祈る───


───はい───


 僕は全体に撤収の指示を出す。

 SIZUさんはいないし、まりもっこりさんは重症だ。

 山田さんは取り乱していて、他のメンバーも動揺している。

 僕が背負うしかない。


 こうして、僕たちは撤収した。


 後日、今日のことはニュースになるだろうか?

 それとも、闇から闇へ葬られるか?


 今後、『マギクラウン』の壊滅によって、超能力者は増えて行くだろう。

 ふたつ、いや、今となっては三つの文明のバランスは転換期を迎えた。

 僕はSIZUさんが目指したように、この世界のバランスを取って行こうと思う。

 これから、激動の時代が来るだろうから、その揺れを少しでも小さくするのだ。

 そのために『灰色の画布(グレイキャンパス)』は存続していく。



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