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特撮VRMMOで戦闘員として暴れてみた  作者: 月乃 そうま


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416〈side︰グレン〉


「回廊を繋ぎます!

 赤部隊は回廊の拠点化、黄色部隊は回廊の防御、白部隊は回廊を通って敵首領を狙いつつ、敵本部の構造を暴いて下さい!」


 レオナがレギオンレベルを上げる超レアアイテムを使うと同時に、その上がったレギオンレベルを使って『マギクラウン』基地との回廊を一本繋ぐ。

 それはつまり、レベルダウンの影響を受けずに使える攻撃手段ということだ。

 ラグナロクイベントで重要なのは、いかにリソースを管理するかということになる。


 個人で言うなら、戦う場所によって、デスペナによるアイテムドロップ率が大幅に変化するのもそうだが、基地と回廊で使える武器が変わるのも大きい。


 それがレギオン単位になると、相手に回廊を繋ぐのにレギオンレベルを消費する必要がある。

 問題になるのは、レギオンレベルが下がった瞬間から作れるアイテムのレベルも下がることだ。

 これを回避するために、レオナは超レアアイテムでレギオンレベルを上げてから下げるという行為を行ったのだ。


 そもそも、アイテムで上げたレベルは身についた技術とは言えないというのが、ウチの装備部の変態たちの持論だ。

 超レアアイテムは基本的にレギオンレベルが下がった時の保険として幹部会は考えているので、使い方としては間違っていないのだろう。


 『大部屋』にできた回廊に赤いペンキがぶちまけられる。

 まず最初に突っ込むのは、俺たち白部隊だ。

 次に黄色、赤部隊と続く。

 各部隊に増員されているが、増員された新規組の参加率は三割程度だ。

 それでも、多い方かな、と思う。


 古参組は前回のラグナロクイベントで覚悟を決めてしまっている。

 『りばりば』というレギオンを守るために、痛みを受け入れる準備があった。

 そういう古参がいるからこそ、新規はそこに入っていく熱量が必要になる。

 俺としては、三割もいるのかと驚くのも当たり前だ。


 白部隊として、回廊を渡り、『マギクラウン』基地に侵入する。


「味方が来るまで死ぬな!」「扉を死守しろ!」「もう少しだ! 粘れ!」


 青部隊が扉を守っていた。


 館内放送が流れる。


───あー、あー、こちらHQ。全隊員に未登録武装の使用を許可する。存分にやりたまえ。

 訓練はここまでだ。全隊員に研究前の未登録武装の使用を許可する───


 どういうことだと考えていると、『マギクラウン』戦闘員の武装が変わる。

 なぜか威力のありそうな自動小銃を捨てて、ハンドガンを取り出す。


 ハンドガンから放たれるのは、謎のエネルギー弾だ。


「ぐおっ! 痛えっ!」「気をつけろ、威力が段違いだ!」「さっきまでと違うぞ!」


「変身!」「変身っ!」「変身!」


 あちらこちらで変身の光が輝く。

 『マギクラウン』の特徴として挙げられるのが、ヒーロー変身者の数が多いということだ。


 ヒーローとしては知名度はないに等しく、その強さも『ガイア帝国』に言わせれば、二線、三戦級がほとんどだ。

 ただ、数はやはり力だ。


 様々な迷彩カラーの量産型ヒーローがそこら中に現れる。

 特徴という特徴がないからこそ、どういうスキルを使うか分かりにくく、それが余計に厄介さを増す効果を生んでいる。

 スキルにも迷彩が掛かっているような状態だ。


 能力自慢の白部隊と言われていても、ヒーローの数が多くて、大部屋から抜け出すのすら難しい。

 だが、希望がない訳ではない。


 『マギクラウン』側が未登録武装〈おそらく現実にフィードバックできない未知領域の武装〉を使ったのは、それだけ追い込まれている証拠であり、この『大部屋』に俺たちより先に参加しているはずの『ネオ』の姿が見えないのが希望だ。

 つまり、『ネオ』は既に先に進んでいるということだ。


 今、ここで俺たちが踏ん張っていれば、それだけ敵は、俺たちに戦力を割かねばならず、その分『ネオ』が探索を進めてくれているはずだ。


「おい、新しい回廊だ!」「レオナから連絡は?」「何も来てないぞ!」


「ゐーっ!〈だとしたらネオの援軍だ! 入口を守れ!〉」


 俺たちは慌てて、もうひとつの入口を守る。

 エネルギー弾を撃つハンドガンに『ショックバトン改』では不利だが、スキルで回避しながら時間を稼ぐ。


 『ネオ』のガイガイネンが現れる。

 もうひとつの回廊からは死んだ青部隊のやつらがデスペナ明けでもう一度侵入してきた。


 よし、戦力が整った。


「押せ、押せ!」「ガイガイネンに続け!」「行けるぞ! ヒーローを一人ずつ潰せ!」「右に装備部がある! まだ潰せてない!」


 青部隊のやつらが叫ぶ情報を元に、方向を決める。

 ようやく俺たちも奥へと進撃できそうだった。



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