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【11話完結】天下無双令嬢は婚約破棄宣言を回避したい  作者: 月野槐樹


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第10話 宣言は回避された

チラリとケイトがこちらに顔を向け、ニッと笑った。

その笑みを見て、また黄色い歓声が上がる。

ケイトからすると想定した展開だったようだ。騎士団長とダフネル少年が来て婚約破棄宣言をさせない作戦だったと言うことか。


婚約破棄宣言はないまま、無事に表彰式まで終了した。

表彰式に騎士団長が姿を現して会場は非常に盛り上がっていたが、

ベラドンナとコニーはまだ不安な気持ちだった。



他の人に聞かれない場所に移動してから、ベラドンナとコニーはボソボソと話をした。


「結局婚約は破棄されなかったってことは、婚約は継続されているのかしら。」

「そこが気になるのよね……。ダフネル伯爵家に味方になってもらったみたいに見えたし……。」

「まあ、ケイト様の計画通りなら、問題ないってことかしら。」

「……そうね……。」


微妙に釈然としないのは、ケイトの話からラッセル・ダフネル伯爵令息に対して良い印象がないからだ。

しかし、ケイトが意図した結果であるのなら、外野が無責任に反対するわけにもいかない。


「優勝おめでとうございます!」

「おめでとうございます!」


闘技場から出ていく人影に人々が群がる。

ケイトが出てきたようだ。まだ人が周りに沢山いるから、成り行きを聞けるのはだいぶ後だろうと

思いながら、ベラドンナとコニーは遠巻きにその様子を眺めていた。


「ご婚約おめでとうございます!」


歓声の中からそんな台詞が聞こえてきて、ベラドンナとコニーはギョッとした。

おおおーと、周囲が盛り上がる。黄色い悲鳴のような声も聞こえた。


「ケイト様〜!お幸せに!」

「ダフネル様〜!おめでとうございます!」


盛り上がっている声を聞きながらベラドンナとコニーは顔を見合わせた。


「……仲直りしたってことかしら……。」

「ケイトが望んだことなら良いんだけど。」


今まで表に出されていなかったケイトの婚約の話がいきなり公の場で出されたのだ。

もしや、外堀を埋めらえて解消できないようにさせられているのではと不安が過ぎる。


近寄って様子を見たくても、人が群がっていて見えない。


「ベラドンナ、コニー!」


どうしようかと遠巻きに見ていると、声がかかった。

人の波が開かれるようにして、ケイトが姿を現した。ダフネル少年と腕を組んで。


「あ。」

「え。」


一瞬で察したベラドンナとポカンとするコニーに、ケイトが微笑みかける。

周囲からはまだ黄色い歓声が上がっている。


「紹介するよ。婚約することになった

テオドール・ダフネル伯爵令息だ。

こちらは、ベラドンナ・フェンネル伯爵令嬢と、コニー・ミモザ子爵令嬢。私の親友だよ。」


親友、と言いつつ全然状況を教えてくれないじゃないと、ベラドンナは密かに思いつつ膝を曲げて挨拶をした。

テオドール・ダフネル伯爵令息はニコニコして、胸に手を当ててお辞儀をした。


「この度、ケイト義姉様、いえ、ケイト様と婚約を結ぶこととなリましたテオドール・ダフネルです。

お二人のことは、ケイト様から聞いております。今後ともよろしくお願いいたします。」


テオドールがニコニコして、ケイトを見上げるとケイトもテオドールに微笑みを返した。

あれ?とベラドンナは思った。


「お二人は仲がよろしいのね?」

「はい!」


ベラドンナが言うと、テオドールが元気よく返事をし、ケイトはちょっと照れくさそうに目を逸らした。

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