第21話 シオン捜索大作戦
「どこいきやがったシオンの奴」
1週間近く、酒場の女と乳繰り合っていた罰があたったのか?
シオンがどこにいるか全く分からない。
街への出入りは厳重に管理されているから、街の中にいるのは間違いない。
何人もの衛兵も使って、シオンを探しているが見つからない。
「おかしいな。衛兵の情報網にもひっかからないとなると、どうなっているのか」
「もしかしたら、事件に巻き込まれているのかもしれませんね」
「脅かさないでくださいよ、使者さん」
「いや。高額なポーションを売ったとなると、それを知った闇団体がかどわかすことは十分ありえます」
あー、なんで街のことを全然知らないシオンを自由にしてしまったのか。
自分の欲望に負けた私。
もし、闇団体に捕まっているなら、なんとしても救助しなければならない。
「こちらで、闇団体に顔が利くフィクサーに当たってみますね。その代わり身代金が必要になるかもしれません」
「もちろん、金ならなんとかします。よろしくお願いします」
「分かりました」
実は、いくら領主の権限でも、いくら闇のフィクサーでも。
到底、入り込むことができない場所が街にはひとつだけあった。
『エロとスケベの館』は有名人やお偉いさんがただの男として楽しむ楽園だった。
絶対隠匿が至上命令として通っていた。
館の中のことは、絶対、外には漏らしてはいけない。
全ての関係者はそれを忠実に実践していた。
だから、いくら探しても見つかることはなかったのだ。
ただ、ひとつだけ明確なことがある。
朝2刻には、衛兵とチビ達がシオンとジョンに大量の薬草を渡す約束があるってこと。
そこで待っていれば、事件に巻き込まれていなければ会えるはず。
それを信じてロジャーは待つことにした。
☆ ☆ ☆
その頃、シオンとジョンは事件に巻き込まれていた。
「あなた達、何者?」
「僕達かい。僕達は正義の日光カメンズだ」
顔をマスクで隠し額に太陽のモチーフを付けたふたり組。
それが日光カメンズだ。
誰にも罰することができない貴族の悪事を懲らしめる。
そんな平民の味方、それが日光カメンズだ。
「お前の悪事はすべて見破ったぞ。悪役令嬢!」
「ふんなによ! 私に指1本でも触れてみなさい。ただしゃおかないわ。平民風情が何ができるというのよ」
「わかってないな。悪事は必ず懲らしめる。太陽に代わってお仕置きだべーーー」
僕は太陽の剣、ジョンは太陽の弓矢を何もない所から取り出した。
もちろん、本当は時空収納からだけどね。
「もし、ひどいことしたら父の伯爵様があんたたちなんて強制鉱山に送り込んでくれるわ」
「それはどうかな。太陽フラッシュ!」
僕が太陽の剣を高く掲げると剣が光り、一条の光線が発生する。
その向かう先は悪役令嬢の左腰にある結び目だ。
いかにも貴族の服と言う感じの飾りが多いドレスを着た悪役令嬢。
太陽の剣の光線が腰の結び目に当たると、大きな音と共に貴族服がバラバラなった。
その下にかくされていた小柄ながら出るところは出ている肉体が露わになった。
「きゃーー、何するの」
「何するっと、決まっているだべー。お仕置きだべーーー」
まぁ、ここまでくると後は普通に男2対女1のエッチなんだけどね。
エッチに至るまでの過程がこんなに楽しいってここに来るまで全然知らなかった。
昨晩、初めて女性と交わり、童貞を捨てた僕とジョン。
もう普通のエッチじゃなくて、シチュエーションエッチにハマっていた。
どう見ても貴族の令嬢にしか見えない彼女にエッチなことを色々する。
反応がいちいち貴族ぽいのがいいんだ。
それでいて、もらった媚薬ポーションを使うととんでもないことになる。
乱れまくりっ。
とても13歳の少年じゃなくて、老人に近いおっさんぽい行動の僕ら。
癖になりそう。
「あ。令嬢さん。今、何刻くらいかな」
「なによ、いきなり。もうすぐ朝2刻よ」
「うわっ、時間だ、ジョン、やばいよ」
「いけね。楽しくて時間忘れてた」
「悪役令嬢にお仕置きだべー」ごっこを終わりにすると服を着て館を後にすることにした。
こんな楽しいことができるのも金貨パワーだからね。
金貨の元の大量の薬草をチビ達からちゃんと受け取らないとね。
しかし、ふたりはチビ達と会うことはなかった。
ふたりを待っていたのは……。




