表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/37

第11話 感謝とお金、どっちが大切かな

「ここさ」


竹で編まれた小屋って感じの家。

あんまり裕福じゃない。。。っていうより貧乏。


それがエレナの家みたい。


「おーい、エレナ! できたぞ。シオンがパープルポーション作ったぞ」

「ええー、本当!?」


エレナが家の入口から飛び出してきて、僕に飛びついた。


「ありがとう! 母さんの容体が悪くて看病していたの。でも、パープルポーションがあれば大丈夫」

「うん。ほら」


エレナの小さい手にポーションを握らせた。

大切そうに両手で包み込むにして持つ。


「本当にありがとう。本当に、本当に」

「いいから、はやくお母さんに飲ませてあげて」

「うん!」


家の中に入っていった。

家の中は見られたくないんじゃないかと思う。

だから、外で待つ。ジョンと一緒に。


「おかあさん!」


えっ、どうなったの?

まさか、悪化したとかないよね。


考えてみたら、僕が作ったパープルポーションが本当に効くかどうか分からない。

もしかしたら、パープルポーションじゃないかもしれない。


まさか。。。


「シオン! 見て」


あ、エレナが出てきた。

大人の女性も一緒に…お母さんだ。


「あなたがシオン君? ポーションをありがとう」


やつれてはいるけど、顔色は悪くない。

大分よくなったのかもしれない。


「さっきまで真っ青だったお母さんの顔が、こんなに赤味かかったの。ベッドから立ち上がれるくらいなったの」


涙でぐちゃぐちゃになったエレナの顔。

すごくお母さんのこと思っていたんだよね。

とってもお母さんが大切なんだね。


「よかったね、エレナ」

「ありがとう。本当にありがとう」

「私からもお礼を言わせてください。今回は本当にありがとうございました」


なんどもなんどもお礼を言ってもらえた。

なんか、すごく嬉しい。


だって、僕の時空魔法がこんなに役立ったことはなかった。

今まではただの荷物持ちでしかなかった。

ラバ以下と言われつづけて、時空魔法はもっと役立つんだ、と思っていた。

だけど、それを実証できずにいた。


それなのに、こうして病気の人を直すことができたんだ。

すごいことじゃないのか。


お礼を何度も何度も言われて、僕はエレナに感謝していた。

僕の力を引き出してくれたことに。


「な、シオン。もしかして、お前って、すごく儲ける力がある奴なんじゃないか?」

「えっ」

「だって、そうだろう。薬草からパープルポーションが作れるんだろう。薬草なら俺たちが集めてこれる。それをパープルポーションにして売れば金貨が入ってくるぞ」

「あっ」


そうなのか?

そんなことできるのか?


「これから、又、仲間に言って薬草を一杯集めてくるからさ。パープルポーションを作って売らないか?」

「うーん、どうしよう」


なんだろう。

それっていいことなのかな。

確かに儲かりそうだけど。


「な、やってみようぜ。もちろん、儲けは山分けな」

「うーん」

「あ、なら。6:4でどうだ。シオンが6で俺が4」


うん、そうだね。

どうなるか分からないけど、やってみるのもいいか。


「うん。やってみよう。儲けは山分けで」

「そうこなくっちゃ」


☆  ☆  ☆


やっぱり、時空錬金は宿でやるのが効率がいい。

だれかが見ていると気が散るし。


そう思って宿にジョンと一緒に戻ったら、宿の入り口の前でロジャーが待っていた。


「遅いぞ、シオン。何をやっていたんだ」

「あ、ごめんさない。ちょっと頼まれたことがあって」

「まぁいい。早く昼飯を食え。その後、漁村に行くんだからな」


ええー、漁村って何?

どういうこと?


ロジャーの考えていることについていけてないシオンだった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ