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ダンジョンを発見しました

お刺身争奪戦から5日が経ちました……結局エンガワは1切れしか食べられませんでしたよ。


干物はとりあえず荷車一杯に出来たので一段落、スルメや干しダコも沢山作れたので後はあたし達が食べる分だけ釣ればいいでしょう。


因みにナクアちゃんの釣竿はドワーフの職人がナクアちゃんに合わせて作った、200ハウトの高級釣竿になりました。


資金はロウのお小遣いから出したそうです。


「当分は水晶集めを頑張らないとなぁ……はぁ」


そんなに落ち込まなくても……半分ぐらいならあたしも出しますから。


余談ですが水晶集め以外の集金手段がないロウは町や村に着く度にアプさんから30ハウトのお小遣いを貰っています。


あ、折れた釣竿は元々あたしが使ってた物だったので安いのも買っておきましたよ……あたしも釣りは嫌いではないですし。


そして今日は特にやる事もないのでコカちゃんとナクアちゃんを連れてアクセサリーを見に来たのですが……


なるほど確かに珊瑚礁や宝石の珊瑚の細工は綺麗だし、銀と宝石で作った指輪やピアス、金のイヤリングに白金のネックレス等もお洒落に無頓着なあたしですら見事と思える出来映えです。


ただ……


「ペアリングが1組で……1万ハウト!?」


高過ぎじゃないですかこれ?


そういえば日本でも婚約指輪は給料3ヶ月分で……なんてキャッチフレーズがありましたね。


そんなの宝くじでも当たらない限り払える人が居たとは思えませんけど。


しかし真面目な話……あたしとロウ、あたしとコカちゃん、ロウとナクアちゃんで揃えるなら3万ハウト掛かります。


日本円にすれば合計150万円……躊躇わざるを得ませんね。


加えて式を開く資金も加えるとなれば……水晶やラーメンだけじゃ稼げそうにないですね。


ポクー肉や転職は依頼の為の物や報酬でしたし、私事で王様を頼る訳にもいきませんから他にお金を稼ぐ手段を模索する必要があります。


一応神殿からの給金もありますけど雀の涙ですからね。


この世界に副業を禁止する決まりがないのが救いですよ……本当に。


「えっと……この前の、スライムの対処法……魔術ギルドが、2千ハウトで……買ってくれたんだけど」


ふむ……それに王様から頂いた報酬を合わせると1万500ハウトですか。


後19500ハウト……


別に今すぐではなく5年以内に稼げれば良いのですけど……やはり地道に稼ぐしかありませんね。


「そういや兄貴も結婚間近だけど指輪はどうするんだろうな?」


「デストさんなら自分で作ってしまうんじゃないですか?」


「うん……デストさんなら、自分で作っちゃう……と思う」


デストさんは鍛治師(スミス)ですし、ミラさんや(ジェネ)さん、アトラさんも職人の指輪よりはデストさんが作った指輪の方が嬉しいでしょうからね。


……つまり素材を用意して作って貰えば安上がり?


あ、ロウとコカちゃんも同じ事が頭を過った様ですね。


そしてナクアちゃんは……興味が薄れたのか欠伸をしてました。


「とはいえ銀は何とかなるだろうけど指輪用の宝石も結構するからな……」


「えっと……1番安い珊瑚でも……500ハウト、だね」


いっそ4人でお揃いにするにしても2千ハウト……銀を集めたりデストさんに払う手間賃等を加えるとギリギリ足りるかどうか、といった所ですか。


「いや、銀は買わないぞ?」


……ほわい?


銀は買わないってまさか金や白金で作るつもりですか?


「安心しろ、心当たりならある」




そんな訳でロウに連れられて、丘の岩場まで来ましたが……


「前に兄貴からこの辺りの岩場で自然金や自然銀が出るって聞いてな……暇が出来たら小遣い稼ぎでもしようと思ってたんだ」


成程……確かに自分で集めれば買う必要はありませんね。


加工して貰うのもお金が掛かりそうですが……まあ買うよりは安上がりでしょう。


必要な分だけでもかなり重くなりそうですけど、あたし達にはトゥグア様に頂いた無限収納鞄がありますから大丈夫だろうし。


この世界にも土地の所有権はありますが、それは町や村の中に限った話……そりゃモンスターが蔓延る様な場所を所有しようとは思いませんよね。


「一応ツルハシは用意したけど……キュアなら素手で行けるか?」


「魔拳は連発が出来ませんからね?ちゃんとツルハシを使いますよ」


本音を言うと魔拳では目当ての銀ごと砕いてしまう可能性がありますし。


それと非力なコカちゃんとトウカ、リコッタと融合したナクアちゃんは付近のモンスターを処理して貰います。


因みにアプさんは屋台を出していて、翡翠さんは宿で留守番をしていますよ。




「ふぅ……っかしいな、全然出てこないぞ?」


「今更ですが場所を間違えた、なんて事はないですよね?」


「そんな筈はないんだが……まさか既に掘り尽くされてたか?」


まあドワーフの住む村が近くにありますからね……充分あり得る話ではありますが。


もしくは掘る場所が悪いんでしょうか……少し移動してみましょう。


「あそこ、広い穴が空いてるよ!」


穴……ってこれ洞窟ですかね?


「あ……これ、ダンジョンだよ……付近の様子からして……まだ、出来たばかりかな?」


ダンジョン……以前ミラさんやデストさんが言ってた奴ですか。


まさかここでお目にかかるとは思ってませんでした。


「確かミラさんはダンジョンで白を見つけたとか言っていましたね……」


「白って確か滅茶苦茶高く売れる水晶だったか……行くか?」


「うん……行こう」


「ナクアも行くー!」


ミラさんは白が6万ハウトで売れたと言ってました……もし見付かれば婚約指輪を揃えて更にお釣りも出ます。


もしくは白がなくても銀の様な指輪の素材になる金属とか、資金の足しになる物でも見付かれば御の字でしょう。


とはいえ結婚式に幾ら掛かるか解らないので、出来れば白を見つけた上で素材も欲しいですね……




あ、入る前にアプさんと翡翠さんに交信(テレパス)を送っておかねば……


今からだと夕飯に間に合わない可能性がありますからね。

~その頃の宿~


「……夕飯、どうしよ?」


「……店で食うかい?」

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