14分39秒、WINNERキュア
またまたptとブクマが増えた…嬉しい
ありがとうございます!
デストさんが失恋した直後ですが…今日はコカちゃんと2人きりで居る日です。
人気のない所でジッとしてると襲われそうだから町をうろついていますけど。
ナクアちゃんに乱入される可能性はありましたが未然にロウとトウカが防いでくれました。
トウカには後でチーズを、ロウにはキスをあげましょう。
「キュアちゃんと…2人きりでデート…エヘヘ」
嬉しそうですねコカちゃん…確かに2人きりになる時はあれどデートはした事なかったのですが。
ロウとですらつい最近が初デートでしたから。
「それじゃ…まずは…宿屋?」
「いきなり過ぎませんかね?それと今回は宿屋には行きませんからね?」
ロウとした事すらないんですから断固として却下します。
初めての意味深専用の宿屋はロウと2人きりで、これだけは譲れません。
「………残念」
コカちゃんが肉食獣と化してしまったのは…やはりあたしのせいなのでしょうか?
最初から本心で向かい合っていれば違う結末になっていたのでしょうか?
考えても答えが出る訳じゃないですね…うん、止めましょう。
あくまでも今日の目的はあたしの本心の確認と、コカちゃんの覚悟を知る事です。
まあ、買い物はその道のプロであるコカちゃんです…あの村ならもう少し高く売れるとか、この町ならもっと安く買える等々。
勉強にはなりますが2人きりでする事ではありませんね…
食事も…色んな店を回ってみた物の自分で作った方が美味しくなる、とか考えてしまってますし。
これなら家に居た方が良かったでしょうか?
「何でかな…デートというより…市場調査…してるみたい」
「やはり…あたしもそう思いました」
まあ、楽しくないかと聞かれたら…楽しいとは思っています。
認めましょう…あたしはいつの間にかコカちゃんも好きになってしまっていた様です。
1番がロウなのは代わりませんが、これであたしの気持ちは固まりました。
後は…
夕方…あえて人気のない郊外で2人きりになりました。
告白は人の目がない場所で、が定番ですからね。
肉食獣モードは怖いですが…流石に野外で襲いはしないと信じます。
「キュアちゃん…どうして郊外に?」
「コカちゃんに聞きたい事があったのです」
うん、凄くドキドキします…
このドキドキは6歳の時にロウに告白した時と同じ物ですね…ファーストキスもその時にしました。
「コカちゃんの…というよりハーフエルフの寿命は人間の5倍はあると聞きましたが…合ってますか?」
「う、うん…長くても…300年ぐらい…だよ」
この世界だと人間の寿命が平均して60前後と聞きましたから…大体合っていましたね。
「あたしは…色々言われてはいますが普通の人間です…間違いなく、コカちゃんより早く死んでしまうでしょう」
コカちゃんが唖然としてしまいましたが…話を止める訳にはいきません。
寿命による死…こればかりは種族の壁という物です、いずれ当たる問題ならば先に問いただしてしまいましょう。
「仮にあたしが60まで生きたとして…コカちゃんは残った240年、耐えられますか?」
気付いたのはアプさんに話を聞いた時でした。
アプさんだって色んな事を覚悟した上で人間の男性を愛し、結ばれた筈…
でもその時が来たら、残ったのは深い悲しみとコカちゃんだったと言いました…もしコカちゃんが居なかったら間違いなく後を追ってしまっていたとも。
「もしあたしの後を追うつもりだと言うなら…受け入れる訳にはいきませんよ」
あたしが先に死んだとしても、あたしの愛した人には最後まで生き続けて欲しい…
これは単なるエゴかもしれません…ですがあたしは一緒に死ぬのが愛だと思えないし、思いたくもありません。
因みに同じ様な内容をロウに言ったら「逆に俺が先に死んでも最後まで生きてくれ」って即答してくれました。
「…ズルいよ、キュアちゃん…そんな事…言われたら…答え…1つしか…言えないよ」
「やっぱり…アプさんから聞いていたのですね?」
「うん…キュアちゃんに…聞かれるだろうって…だから…先に考えておけ…って」
やはりアプさんの母親力は半端ないですね…いっそ明日からママと呼んでみましょうか。
…うん、殴られる未来が容易に想像出来るので止めましょう。
精々お義母さん、ですね。
「ボク…キュアちゃんが死んでも………最後まで、生きるから…だから」
「…コカちゃんの覚悟、しかと聞きました」
コカちゃんの頬に触れながらゆっくりと顔を近付けて…
「流石に恥ずかしいので…目を、閉じて下さい」
「…うん」
この世界に来た時はまさかロウ以外にするとは夢にも思わなかったのですが…
あたしが、自分の意思で…コカちゃんとキス…してしまいました。
流石に舌を入れるのは止めておきましたけど。
「…コカちゃんの覚悟が本物なら、あたしもコカちゃんを愛すると…誓いましょう」
「キュアちゃん…あ、ありがとう…凄く…嬉しい!」
今度はコカちゃんからキスを…って何気に舌を入れる気満々ですし!
ですが甘い、伊達にロウとキスし続けていた訳ではありませんよ?
今のコカちゃんが、あたしからリードを奪えるとは思わない事です。
文字通りの舌戦を制した時には既に辺りが暗くなっていましたが…家は郊外の近くなので問題なく帰れました。
キスで腰の砕けたコカちゃんを背負いながら戦闘は出来ませんからね…コカちゃんにはお姫様抱っこを希望されましたがそこは却下しました。
あたしだってされた事がないので。
まあ、帰りが遅いとアプさんに怒られましたけど。
それと見覚えのない人が居ましたが…
「あいつは翡翠っていう製薬師だ、ちょっとした知り合いでねぇ…暫く暇だっていうからロウを鍛えて貰おうと思って呼んだんだよ」
成程…アプさんの知り合いなら信用出来ますね。
「という訳で暫く宜しくね…あ、これつまらない物だけど私の作った健康薬、水で200倍に薄めて飲むといいよ…凄く苦いけど体にはいいから」
「因みに原材料は何ですか?」
「海水、塩を取り除いて残った水分から作ったんだよ」
海水から作った苦い液体…ニガリじゃないですか!
これで豆腐が作れます!
更にデストさんは昆布とワカメを入手してくれていましたから…
よし、明日は味噌汁を作りましょう。
「ロウくん…ボクにキスの勝ち方…教えて」
「いや、キスは勝負じゃないからな?」




