茶柱
( ̄^ ̄ゞ
《それで主様……これは一体…………》
リイスの引きに引いた声が静流の脳内に響く。
「いや……そのあれ、あれだよあれ……」
魚のように目を動かす静流は、後頭部を掻きながら、あははと笑う。
《どうやったらこんな状態になるのですか……》
静流が今いる場所はモモ達の住んでいる場所、元い職場だ。
影との戦闘後、モモ達に地球と言う所から来たと説明すると、あーそうでしたかと意外にすんなり話が通った為、モモ達の家でこの世界のことを教えてもらうことになったのだ。
どうやらモモ達は地球で言うところの警察をしているらしく、土地の知識は人一倍なのだそうだ。
ちなみに先程の影も依頼があっての事で、討伐依頼がでていたのだという。
で、今の現状というのは……。
「静流くん……いい匂い好き好き……うぅん♡」
「ひっ!」
異様にモモに好かれていた――
家に入って数秒、静流が家の中を見る前に匂いを嗅がれ、んんん~!! と、頬を赤くしながらすりすりすり……。
変態だ……。
モモが言うにはこの服の匂いと汗の匂いが合わさった感じが興奮するのだという。
変態だ…………。
ずっと抱きつかれ動けないままでいる静流は、豪華なソファに座りながらソティアとナナの帰りを待つ。
二人はお茶の葉をきらしているとの事で買い物に行ってしまっているのだ。
「それにしても、デカい部屋だな……」
石で作られたその家は豪華な家そのものだった。
家具も一つ一つオシャレで、シャンデリアに関してはキラッキラしまくりである。
これがゲームの世界。異世界……。最高かよ! と目を輝かせる静流。
そんな静流を他所に、リイスは小さな声で話しかける
《あの……主様? その……私…………実は……》
「ん?」
もじもじとしたリイスの声にどした? と静流が聞き返した時だった。
「ただいま……」
「ただいまモモー!」
買い物から帰ってきた途端モモに飛び込むナナ。
それを見て、またやってる……。と溜息をつきながらお茶の葉の入った袋をキッチンへ持っていくソティア。
そんな二人におかえりと言った静流は、あ! と思い出したようにソティアに声をかける。
「ソティアにちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「ん、なんですか?」
抱きついてくるモモをベリベリ剥がし、ナナに擦り付けた静流は、探して欲しい人がいるんだけどと、ソティアのいるキッチンへ向かう。
「むー! 静流くんのばか! 今日一緒に寝ようね! ……って、聞いてる!?」
《主様のばか! 埃! 塵! すっとこどっこいっ! 嫌い!》
「はぁぁぁぁ!?」
文字通り外部と内部から攻撃された静流は、頭を抱えながら癒しを求め、ソティアちゃぁん! と、ソティアのまぁまぁある胸に抱きつこうとしたが、触れる前に高速でビンタされた――
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「で、探して欲しい人というのは?」
「あぁ、さっき会ったばかりの人なんだけど、名前とか言ったら住んでる場所とか分からないか?」
お茶の葉を取り出し、慣れた手つきで煎じるソティアは、大体は分かりますよ……。その人のお名前は? と答える。
それを聞いて、マリアの名前を出した静流は、出来れば早く会いたいんだと頭を下げる。
「分かりました。早くて明日にはわかると思いますので待っていて下さい……。あ、先程モモも言っていましたが、今日は家で泊まっていってください。装備もお金もなく、友達もいないあなたは、このまま野放しにされてもきついでしょう」
「その言葉が1番きついけどね?」
まぁ、素直に泊まらせてくれるのはありがたい……。と頭を下げると、ソティアは手を動かすのをやめ、静流の目を見る。
「おお? どうしたそんなに見つめて……照れるぞ」
「そうやって誤魔化さないでください……。まぁいいです……あらぬ事を起こせば私が処分しますので……」
と、一言残したソティアは、お茶を運ぶので手伝ってくださいとお盆渡す。
俺まずいことしたか……? と肝を冷やしたが、手に持ったお茶は、全て茶柱が立っていた――
「逆に怖いわ……」
運使い果たしたんじゃね……。と悪い方向ばかり考えてしまう静流は、ため息混じりにリビングへ向かった――
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