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旧作(2009〜2018年完結) 「TOKIの世界書」 世界と宇宙を知る物語  作者: ごぼうかえる
最終部「変わり時…」世界を変える力
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変わり時…最終話漆の世界5

「クラウゼ……」

「さあ!後はルフィニさんだけ!」

ルフィニに向けて鏡をかざしたマナは呼気を荒げて叫んだ。


「クッ……」

ルフィニは一端攻撃をやめた。


「やめるならもうやめて!私はケイちゃんを救うために動いているのよ!前々からそう説明してるじゃない!わかってくれないの?」

マナはルフィニをしっかり見据える。ルフィニは攻撃を迷っていた。元々「K」は戦いが好きではない。このルフィニがケイのアバターならば戦いは好んでいないはずだ。


「自分を守ってくれる『ナイト』はいないぞ?男は戦うもんだと思っているだろ?お前。クラウゼに戦う事をなすりつけたな?」

プラズマが複雑な顔をしているルフィニに言い放った。


「チ、チガウ!ワタシダッテ……」

ルフィニが敵意を出した時、健のドール達がルフィニに襲いかかった。

「あっ!お前達!動くな!」

健は司令官の疲れが出たのか止める指示が遅れた。


「ルフィニになにもするな!!」

クラウゼが必死にもがいていた。


「ワタシハ……」

ルフィニは負けを認めたのが動かない。

「ルフィニ!」

クラウゼが再び叫んだ時、マナが飛び出した。


「止まって!!」


マナはダメもとで右手でドール達を凪いだ。凪いだ後、やたらと静かな時間が過ぎた。


マナは薄目を開けて状況を確認するとなんとドール達は皆消えていた。


「あ……」

「弐の世界に飛ばしたのか?」

皆が呆然としている中、プラズマが呟いた。


「そ、そうみたい……。な、なんとかなった……?」

マナはへなへなとその場に崩れた。マナは右手を凪ぐと対象を弐の世界に飛ばせるのだ。

まさか味方に使うとは思わなかった。


「すみません!緊張が緩んでしまって……」

健が慌ててあやまってきたのでマナはため息混じりに頷いた。


「いや、私も弐に飛ばしちゃったし……」

「大丈夫です。彼らは召喚を解くと弐の世界に帰りますから。また出てきますよ」

マナが後ろめたく思っていると健が安堵の声でそう言った。


すると、空間が歪みドール達が不思議そうな顔で現れた。彼ら、「K」の使いは弐の世界を自由に渡れ、弐の世界から出るのも容易である。元々人形が動くというのは想像だ。つまり弐の世界のモノなのだ。


「あ、もう用はなさそうだから帰っていいよ」

健が申し訳なさそうに言うとドール達はため息をついて消えていった。


「で?小娘は納得したのか?」

一通り確認してからマイがルフィニに笑みを浮かべながら尋ねた。


「……デモ、世界ハ、カエチャイケナインダ……。ダケド、ワタシガ、マケタナラ、世界ハ、アナタタチノ味方ナノカモシレナイ。ワカラナイ。……私が容認していいのかを」

ルフィニは最後の言葉だけ瞳が黄色に染まりケイになっていた。


それを聞いたマナは大きく頷いた。それを待っていましたと言わんばかりだ。


「じゃあさ、クラウゼさんを貸して!私のやり方、世界がやっぱり私を排除する結論を出したならクラウゼさんに判断してもらえばいいから。クラウゼさんなら正しい判断ができる」


「……負けたから……やっぱりカケてみる。クラウゼをつけるね。結局、前の判断といっしょか」

ルフィニにいるケイは複雑な表情のまま頷いた。


前の判断とはおそらく、マナが見たマイのシミュレーションのことか。ワイズが見ていたのならルフィニができないはずがない。


「まさか、その判断をしたかったの?あなた、私達の未来を見たんでしょ?」

マナが尋ねるとルフィニが小さくうなずいた。


「それで……不安になったのね?システム的なのがまた反応したのかな?」

「リョウが……世界の事を聞いてきて私はもう一度考え直したの。ルフィニのまま未来を見て……」

ルフィニ内にいるケイは消え入りそうな声でつぶやいた。


「リョウ……またあいつか」

プラズマがため息と共に頭を抱えた。


「なんだかおもしろいことをやるんだな。そのリョウとやらは。物語をかき回しているようだ。私がやりたいものだな……くっくっ」

「実際にかき回してるよね……」

マイの楽しそうな声にマナは肩を落とした。


「まあ、とりあえずクラウゼは仲間ということで?」

健が呑気にクラウゼの近くにしゃがみこんで尋ねてきた。


「ウン……ツレテッテイイ」

ケイがルフィニに戻りあっさり承諾した。


「やっぱガキだな。納得すりゃああっけない。はじめからわけわかんないことすんなよな……。しかし、あのリョウってやつはほんと……」

プラズマはぶつぶつ文句を言いながら硬直データ入りの網の解除作業に入った。

「最後はリョウ君とかをなんとかしないといけないのかな……」

マナは起き上がったクラウゼを見つめつぶやいた。


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