聡明海豚!大収穫祭の準備!
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「ういーす。どうも。もっと農業しろと言われ困惑中のマスターおもしろムキムキイケメンのヒノキでーす」
>告知してから始めろ
>今日も楽しみ
>マスターおもしろ???面白いって言葉の意味分かってる?
>どういう事?植えすぎて困ってたじゃん…
「うん、あの配信の後トリカから連絡があってね。”大収穫祭”を開催するからじゃんじゃん農業しろって言われたんだよ」
なんなら畜産とか果樹園とかも作っていいらしい。食材なんてあればあるほど助かるとのことだ。
>大収穫祭?
>トリカ様の企画なら絶対に面白い
>私の体にも農業してくれても良いんだぜ?(イケボ)種をくれれば花咲かせてやるよ
>具体的にナニするの?
「詳細は後日トリカが発表するらしいけど、キャッチフレーズは決まってるみたい。”モテない女達のために!男の裸!炊き出し祭り!”だってさ」
>全裸!
>炊き出し!?
>祭り!??
視聴者がざわつき始めた。落ち着けお前ら。あと全裸になんてならないからな!都合のいいようにキャッチフレーズを改変するな。
「まあなんとなくキャッチフレーズで内容は察せられるだろうけど、俺がモテない女たちに上半身裸で手作りの料理を振る舞う祭りらしい。乞うご期待ということで」
>祭りはよ
>男の料理食えるのなら胃袋が破裂したって良い。胃袋が破裂してもケツから喰らってやる
>需要がありすぎるのでもっと農業しろ
前回の配信では農業をやり過ぎだと騒いだかと思えば、今度はもっと農業をしろと掌をひっくり返して騒ぐ視聴者達。まあ、そんなもんだよな、視聴者って。
「おいおい、水やりとかの問題が解決してないだろ。忘れたのか?まあ、それもヨヒラに頼んでしばらくは大丈夫なんだけどな」
>ヨヒラ様が代わりに管理してくれるの?
>ヨヒラ様は性格的にそんな事しなさそう
>だよね。自分のケツは自分で拭けっていいそう
ヨヒラ>自分のケツは自分で拭いてくださいね
>ホントに言ってて草www
そんな事言いつつも、ヨヒラはいつも相談に乗ってくれる。今回も助けてくれることになったしな。ヨヒラがいなければ、俺のスローライフはもっとひどいことになっていただろう。
「今回は特別に、ヨヒラが飼ってるペットをしばらくの間貸してくれるらしい。そのペット、植物の水やりを手伝ってくれるんだって」
>ヨヒラ様ペット飼ってるんだ
>水やり手伝うなんて賢いな
>どんなペットだろうか
「よし!じゃあヨヒラがどんなペットを貸し出してくれたか紹介しようか。今の時間は水やりを手伝ってくれているはずだ。あいつ、結構可愛いんだよね」
>楽しみ
>わくわく
>はよ紹介しろ
俺はログハウスから農地へ向かう。
うん。ちょうどすぐ見えるところにいたわ。
「では、皆さん空を御覧ください。あれがヨヒラのペットです!」
>あれは…イルカ?
>イルカさん!ピンク色だ!可愛い!
>イルカが水を操って空を飛んでるのか
「そう、北の湖に住む生き物のイルカだって。名前はキュキュ。キューってなくキュートな生物だからそう名付けたらしい。おーいキュキュー。紹介するから一旦こっち来てー」
俺がキュキュを呼ぶとすぐに反応し、こっちへ向かって水を操り飛んできた。うーむ、賢いな。
「はいストップ!よーし偉いな!ほれ、ご褒美に餌をあげよう。緑鳥のジャーキーだよー」
「きゅきゅきゅ~」
キュキュは肉や魚などが好物らしいので、ジャーキーも大好きだ。喜んで食べている。
>近くで見るともっと可愛い!
>ヒレの下に黒のハートのマークみたいな模様がついてる!きゃわわ
>よく見ると水を圧縮して持ち運べる水筒もってるじゃん。ヨヒラ様が与えたのかな?
「そう。水圧縮水筒を渡して使い方を説明すると、キュキュはすぐに使いこなしたらしいよ」
水圧縮水筒とはその名前の通り、水を圧縮することによって、大量に水を持ち運べる水筒だ。重さ軽減の機能もあるので、どれだけ入れても重くならない。周囲にある水を浄化して収納する機能もついている。
キュキュはその水筒をうまく使い、さらには応用方法まで覚えて、空中を泳げるようになったそうだ。水を大量に空中に出して、その水の中を泳ぐのだ。出した水は再度水筒に収納することで再利用し、水の節約までしてのけている。
>あなたより賢そう
>イルカは賢い
>どうやってペットになったんだろう
「なんかヨヒラが庭で水やりしている時、湖から顔出して、真似して水やりをやりだしたらしい。その後なんやかんやあってペットとして飼うことになったらしいよ」
>なんやかんやとは
>なんやかんやはなんやかんや!
>水やりもしてくれるイルカなんて…私もそのコ飼いたい!
わかる。俺だって飼いたいもん。でも、それは出来ないんだよね。
「あ、コイツは超珍しい生き物かつ、突然変異でもある個体らしい。ピンク色でハートマークがある模様とか、やたら賢いっていうのもこのコ特有のものらしいぞ。だからキュキュと全く同じイルカが欲しくても諦めてね。おーう、よーしよし!可愛い奴め」
ジャーキーを食べ終えたキュキュは、俺に撫でることをねだってきたので、存分に撫でる。
少しひんやりとした体温で、ツルツルとした肌だ。撫でていて気持ちいい。
「じゃあ、紹介し終えたので、また水やりの仕事に戻ってくれ!ありがとうキュキュ!」
「キュキュキュキュ~」
「えっ、うわ!」
突然、水鉄砲のような水が顔に飛んできた。
どうやらキュキュが口から水を吐き出したようだ。
俺の顔をびしょ濡れにして満足したのか、キュキュは笑うように鳴きながら、ご機嫌そうに空へ飛んでいってしまった。
「…そう。このように可愛くて賢いだけじゃなくて、イタズラ好きでもあるんだよね…」
>キュキュちゃん。なかなかやるね
>ちょうど濡れた男不足だったから助かる
>あの鳴き声、完全に嘲笑ってたな
ヨヒラ>よくやりました。後で褒めて差し上げましょう
ヨヒラさん?おたくの子の教育方針おかしくありません?
「…まあいい。許そう。実際とても助かってるし、これくらい可愛いもんだ。よし!あとやることは…炊き出しのために沢山料理しないといけないから、キッチンをつくろうか」
>キッチンづくりか…
>現代の調理機器はどうせ使わないんだろ?
「お、分かってるじゃん。流石にコレだけ配信を見てきたから、俺の特性は理解しているってわけだな」
>あれ一台あるだけで何でも料理出来るのにな
>あれのオート調理にはお世話になってます
>で、どんなの作るの?
「とりあえず、いま俺が作りたいなと思ってるのは囲炉裏だな。大きな鍋をつるしても壊れないものを作りたい!」
>うーむ原始的ぃ!
>囲炉裏…ああ、これか。調べないと分からなかったわ
>もっと便利そうなキッチンとか作れそうだけど、わざわざ囲炉裏ねぇ…
「だって、作るのもそこまで難しくないしな。しかも、焚き火を頻繁にするから灰も結構余ってるし…それに、これが一番大事だけど、ログハウスに囲炉裏ってなんか合いそうじゃない?」
>そんな理由かよ
>雰囲気重視ね
>まあ、そんなもんだよねあなたって
まあ、あれだな。さっき俺も視聴者のことをそんなもんな存在だと思ったから、お互い様だな。
…でも、なんか釈然としない。
これ、ほんとにお互い様?一応俺貴重な男だよ?そのこと忘れてないか?
まあいいや。今更俺のことを過剰に持ち上げられてもむず痒いだけだ。それに、視聴者は言っても聞かないだろうしな。
「まあ、俺が思い描いているふうに作るのなら、家の中では作れないんだけどね…野外で作る予定だから、うーん。風呂の近くの場所辺りにでもつくるか」
>結局野外に作るんかいwww
>ログハウス内にはつくらないのね
>多分、作れないが正しいのかな
ほい、正解。
まあ、ログハウス内にも作れないことはないのだが、本気でつくろうとしたら小規模なリフォームが必要なのだ。
それなら、野外で作ってしまったほうが手っ取り早い。
「じゃ、ぱぱっと作っていきますかね。多分すぐ作れるぞ!」
まず、石で四角に囲います。ここは焚き火台を置く場所だ。
次に、地面に丈夫で長い枝を三本ぶっ刺します。枝で三角錐の形を作るイメージだ。その後、丈夫なツタで固定する。ここは鍋を吊るすための場所だ。
はい、完成っと。超簡単だろ?
>おおおお。強引に作ったな
>まだ補強とか風よけとか色々問題は有りそうだけど、形にはなってるな
>なんか囲炉裏と言うより、ただの焚き火の延長線上のような?
>それ、囲炉裏と言うよりトライポッドだね。そもそも囲炉裏って、”室内の炉”のことだからね。野外の時点で囲炉裏ではない
トライポッド?なんだそれ?
脳内のチップで検索すると、要するに三脚のことを言っているみたいだ。
キャンプなどで焚き火調理する際、よく使われるらしい。
俺は囲炉裏を作っているつもりだったのだが、いつのまにかトライポッドを作っていたようだ。
…まあ、囲炉裏もトライポッドも似たようなものだ!料理さえ出来れば良いのだ!
「色々問題点はあるだろうけど、俺は満足したしいいや!じゃ、配信外で試運転しときます。ということで、今日の配信は終了。おつー」
>乙
>お疲れ
>カツカレー
>今日も楽しかったよ
それにしても、違うものを作っていたとは…
でもまあ、あれだな。俺はここを完全に囲炉裏だと認識している。
ということで、今日からこの場所はれっきとした囲炉裏な!
次回予告:水やりのために、ヒノキ、踊ります。




