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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
1章 毒女襲来!

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閑話休題 毒花女達!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 トリカ視点


 わたくしは男が大嫌いだ。


 このような考えになった理由は、母のせいでしょう。


 母はわたくしが産まれてからも、ずっと男に夢中だった。わたくしという宇宙一可愛い存在が近くにいながら、遠くの手の届かないクソみたいな男に夢中なのだ。


 こんな扱い、耐えられるわけがない。


 母は男にどうせ相手にされない。しょうもない男に金だけ貢いでポイと捨てられるのがオチだ。いつもそうなのだから。


 だからわたくしは男という存在が嫌いだった。わたくしより優先されてしまう男という存在が…


「まあそれは過去の事。今は少し違いますけどね」


 わたくしはその当時思っていたことを思い返す。あのときは…確か…


 男に比べ、金は良い。金には力がある。


 男に比べ、歌は良い。歌にも力がある。


 こんなふうに思っていましたわ。ふふふ、なんとまあ、考えが若々しいこと。そんな若かりし自分も嫌いじゃありませんけどね。その時の考えがなければ、今のわたくしはありませんから。


 そんな思いがあり、わたくしは歌を始めた。最初は母に自分を見てもらうために。母の真似をして。


 ただ、次第に楽しくなり、いつしか真似ではなく、わたくしなりの歌を歌い始めた。もっとこだわりたくなって表情や動きにもこだわった。見た目にもこだわりたくなって、容姿をまるっと妖精の姿に変えた。もっともっとこだわりたくなってステージの見せ方にもこだわった。


 それだけじゃ飽き足らず、経営や企画業にまで手を付けた。


 全てが順風満帆だ。わたくしには素晴らしい才能があったのだ。


 そうしているといつの間にか、私の元に莫大な金が集まっていた。


 夢中になって上へ上へ登っていくにつれ、母への思いが薄くなっていくと思っていたが、そうはならなかった。それどころか、どんどん復讐心のようなものが高まっていった。


 どうやらこれだけお金を集めても、わたくしは満たされなかったようだ。


 ならば、もっと歌おう。もっとお金を集めよう。わたくしの渇きが癒えるまで…


 そんなときに出会ったのが、ヒノキだった。


 ヒノキと初めて出会ったのは、ライブ中だ。ヒノキは男にしては珍しく、わたくしのライブに足を運んでいたのだ。

 

 男がわたくしの魅力に跪くのは嬉しいが、同時に厄介だとも感じた。下手したら男が癇癪を起こして私のステージを台無しにしてしまうかもしれないのだから。


(もしなにかわがままを言うのだったら、問答無用で追い出してやりましょう。わたくしにはその力がある)


 そう思い、ステージでパフォーマンスをしながらも、注意してその男を観察していた。


 ただ、いくら観察しても、癇癪をおこす様子は見られない。何もしなかったこと、そこだけは好印象だった。


 でも、男は総じてクソなのだ。わたくしのファンだからわたくしに迷惑をかけないように我慢して大人しくしているだけだろう。きっとそうだ。今回は大丈夫でも、いつか爆発する時が来る。その時に備えよう。


 そんな思いとは裏腹に、何度ライブに来ようがその男は一切問題を起こさなかった。とても模範的なファンとしてライブを楽しむだけだ。


 なんなら、ヒノキを見た周りの女のほうが問題を起こしているくらいだ。


 そして、何度もライブに来るその男を気に留めているうちに、観察眼が鋭いわたくしは、その男の本質を理解してしまった。


(もしかして、あの男は誰に対しても優しいのではなくて?)


 とても強そうな見た目とは裏腹に、あの男の目の奥の光はとても優しげなのだ。


 目から鱗が落ちるようだった。


 まさか、この世界に優しい男が居るだなんて…


 どんな男でも自然と持っているような傲慢さが、あの男には一切ないのだ。母の影響か、今まで沢山の男を見てきた経験がわたくしにはある。けれど、あんな男は見たことがなかった。


 (この男なら母を相手にしてくれるのではないだろうか?)


 ふとそんな考えが頭をよぎった。


 母が男に相手にされれば、母のモテたいという欲求は満たされる。そうすればわたくしをしっかり見てくれるのではないか?と


 最初はいい考えだと思った。


 だが、いざその考えを実行しようとすると、ムカつきのような小さな感情が胸の中を満たした。


 わたくしは自分の感情を誰よりも大事にしている。例えどんな小さな感情だろうが、歌手という仕事をしている以上、その感覚は大事にしなければいけない。

 

 だから、母にヒノキを紹介するのは一旦保留。


 そのムカつきという感情に向き合い、分析した。


 その結果、わたくしはある一つの結論を出した。


「わたくしが見つけた宝石。わざわざ母にあげなくても良いのでは?わたくしのものにしてしまえば良いのでは?」


 ヒノキによって、わたくしの中の男は総じてクソという考えは、いとも容易く消されてしまったようだ。


 結論を出したわたくしは、ヒノキを自分のものにするために即行動した。


 まずはわたくしからヒノキへ会いに行き、沢山話をした。まずはわたくしの魅力を全力でアピールしなければ始まらない。


 もともとヒノキはわたくしのファンなのだ。わたくしに話しかけられてとても喜んでいた。話の途中途中で、わたくしはわざと女としての顔を見せた。有名人ではなく、一人の異性として認識してもらうためだ。これも効き目十分。いい感じだ。


 次に、ヒノキという男を世界に見せびらかした。


 この男の存在を見せびらかし、わたくしのお気に入りだと世間に印象付けるためだ。いわゆる、周りの女への牽制だ。


 ヒノキが”世界一チョロい男”などと言われ始めたのもこの頃だ。不名誉な二つ名だが、あえてわたしはそれを拡散しまくった。たとえヒノキが世界一チョロかろうが、わたくしという巨大な存在が全力で牽制しているのだ。手の届きそうと見えても、実際には届かせるつもりなどサラサラ無い。


 色々な企画に出てもらったり、拡散しまくった結果、十分世間にわたくしの思いは伝わっただろう。


 ”この男はわたくしのものだ!絶対に手を出すな!”とね。


 まあ、その企画が過酷すぎるということで一度は逃げられましたが…フフフ、わたくしから逃げ出そうとは…でも、わたくしからは絶対に逃げられませんわよ。例えどこへ逃げようと、地の底まで捕まえに行きますからね。


「今でも男という存在は大嫌いです。でも、あなただけは別ですわ」


 もう、ヒノキという男の存在はわたくしにとって帰る場所のようになっているのだ。ヒノキの近くにいると、とてもしっくり来る。まるで、あるべき場所にピッタリ収まるかのように、とても落ち着くのだ。


 激流のように激しい恋心などはわたくしにはないが、それでもきっとわたくしなりに静かに恋をしているのだろう。わたくしは異性に安心感を求めるタイプだったようだ。絶対に手放すつもりはない。


 ただ、ヒノキに対して一切の文句が無いというわけではない。


 文句其の一、わたくしより人気を集める所。


 拡散したわたくしが言うのもなんですが、あっという間に視聴者数という数字で追い抜かれたので、思うところはありますわ。今やヒノキのことを知らないメスなどいないほどに人気となってしまいました。まあ、これはわたくしが原因でもあるので、ちょっとした文句ですわね。


 文句其の二、予測不可能な所。無駄に行動力があるせいで、思考が理解できないことがありますわ。まあ、コレもまだ許せる範囲ですわね。何が起ころうと、あとから全て対応しますから。


 文句其の三、これが最大の文句ですわ!


 あの男は自分の価値を全く理解していない!


 あの男は、男としてとても魅力的なのだが、それはただ自分が貴重な男だからだと認識しているフシがありますわ!


 女をなめないでいただきたい。もちろん男というだけで惹かれてしまうところもありますが、決してそれだけではありませんからね!


 あなたは見た目から性格まで、全て魅力的なのです!見た目の筋肉もそうですが、特に性格がとても魅力的なのです。


 あなたの目の奥の優しさによって、女は皆あなたに甘えてしまう。だから、視聴者たちはあなたに甘えて、あなたのことを雑に扱うのです!

 

 そんな魅力的な男であることは、その馬鹿みたいな数の視聴者数が物語っているのに、何故そうは考えられないのか…


 しかも、そんな莫大な魅力があるのに、まだまだ向上心がある。これ以上魅力的になられてもとっくにメスたちはメロメロなのだ。これ以上メスたちをどうしてやりたいのだろうか…


 まあ、文句についてはこれくらいにしておきましょう。いい女というのは、懐が深い。欠点ごと愛してあげましょう。


 ヒノキはわたくしの魅力にタジタジなので、わたくしのものにする計画は順調なのだが、現状では2人ほど強力なライバルが居る。


 一人はウツギ。普段は隠れていてわかりにくいし、本人も分かっていないが、あの女には人を引き付ける隠れたカリスマ性がある。ただ、それだけポテンシャルがあるのにもかかわらず、自分ではそのことに全く気がついていない。


 魅力を見せつけるプロであるわたくし視点だからこそ、あの女の持っている天性のカリスマ性が痛いほど理解できる。もし、あの女が自分の魅力を理解し、それを思う存分発揮できるようになれば、かなり強力なライバルとなるだろう。


 まあ、今のところそんな兆候はみえないし、あの女の正確な年齢は知らないが、確か100歳は超えていたはずだ。そんな歳なのにも関わらず、まだ自身の魅力を十全に発揮できていないのだから、心配するだけ杞憂かもしれないが…


 それより、やはりセリという幼馴染の存在。あれは厄介だ。


 ひと目見て誰よりヒノキを愛しているということが分かった。絶対に自分のものにするという強い意思を目から感じとれた。


 何故ヒノキはあの気持ちに気づかないのか…鈍感なのか馬鹿なのか…


 あれに真っ向から対抗するのは得策じゃない。あの女の恋心や執念は誰よりも強い。強すぎる思いのせいで、一切わたくしの牽制にも怯むことがない。


 うまく共存していかなければ現状では勝ち目が薄いことを心で思い知らされた。


 だが…


「あなたが誰とも結婚しないようでしたら、最後にはわたくしがもらってあげますわ」


 もちろん、欲しいものは全力で勝ち取るのが私流。


 現状ではセリに一歩リードされているが、諦めるようなわたくしではない。


 妖精とは可愛く神秘的で無邪気、時に残酷なのですわ。


 私もそう。無邪気に残酷に、二人の育んできた関係を台無しにしてあげますわ。ふふふ。


 最後に勝つのはこのわたくし。絶対に負けません。


 幼馴染だからといって、油断なさらぬよう。では、ごきげんよう。





ウツギ視点


「ああああ!筋肉しゅごいいいいい!気持ちいい!あの筋肉に屈服されたい!罵られたい!豚のように扱われたい!もっと、もっと!!」


―――二人の女がバチバチにやり合う中、一人呑気に幸せな妄想に明け暮れていた。


 二人の立派な毒花に比べ、ウツギはまだまだ蕾。いつか、この花が満開に咲き誇ることはあるのだろうか…

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