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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
7章:地球へ新婚旅行!

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運命恋人!突然のガチバトル!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 今日はヨヒラとのデートの日。そして次の日で一週間が終わる。


 デートの予定はヨヒラが決めたいと言っていたので、任せるつもりだ。


「ご主人様、用意はできましたか?」


「おう!ばっちりだ!」


 朝ごはんもしっかり食べ、身だしなみも整え、服もしっかりしたものに着替えている。


「では、ついてきて下さい」


「おう!」


 俺は当たり前のようにヨヒラの手をつなぐ。にぎにぎと柔らかい手を握り、スキンシップをとる。ヨヒラは何も言わないが、抵抗する様子はない。


「えへへへへ」


「ご主人様、突然笑わないで下さい。気持ち悪いです」


 こんな関係が、俺たちにとっての自然だ。俺がヨヒラを好意全開で誘い、分かりやすく愛を伝える。ヨヒラは平然とした顔でそれを受ける。


 ヨヒラは俺への好意を表に出さない。ただ、愛の波動自体は確かに伝わってくる。清楚で気品があり、美しく、熱のある波動だ。口や態度に出さなくても、ヨヒラの愛が気持ちいい。それが俺には嬉しくて仕方がない。


「ごめんごめん、で、どこへ行くの?」


「着いてからのお楽しみです。といっても、大したことをするつもりはありませんが」


「えー、教えてよ」


 こんなふうに会話しながら、俺たちはホテルから出て、ゆっくり道を歩いていく。


「そういやさ、ヨヒラってこの惑星じゃあどんなふうな評判なんだっけ?」


「ああ、私は“運命の恋人”と呼ばれることが多いですね。その他には、我々の希望の子などの呼ばれ方のされたことがあります」


「へえー。やっぱりあれか。俺とヨヒラが運命の赤い糸で結ばれているってやつか」


「そうでしょうね。どうも結び姫様には運命の相手を見つける力があるようで、それが由来でそう呼ばれているようです。私たち、とても強い運命で結ばれているらしいですよ?嬉しいですか?」


「…まあ、運命とか関係なく、俺はヨヒラが好きになっていた気がするけどな」


「ならば、もっといっぱい愛してくださいね。アンドロイドは愛されれば愛されるほど、力を発揮しますから」


「もちろん!でも、ヨヒラも気が向いたら俺の愛に答えてくれてもいいんだよ?ってことで、結婚しよ?」


「ふふっ、それとこれとは話が別です」


「ええ!いけず!ヨヒラからの愛の波動はバンバン感じてるんだから、もういいじゃん!結婚しようよ!」


「一人くらい、決して手に入らない女が身近にいたっていいでしょう?」


「そんなことないよ。俺、身内にはめちゃくちゃ贔屓するタイプだからさ。結婚して夫婦になるほうがお得だよ!ね?」


「くすっ、では、頑張って私から愛の言葉を引き出してみて下さい。……さて、そんなこんなで、目的地に着きましたね」


 たどり着いたのは、広々とした広場。特段変わった場所ではない。


「えっと……ここで何するの?」


「ご主人様には、ここで私と戦ってもらいます」


「ええ…」


 デートだと思っていたら、こんな流れになるとは。


「気が進まんなあ」


「私のためと思って、全力で戦って下さい」


「うーん…」


「仕方ないですね。ならば、ご褒美をつけましょう」


「ご褒美?」


「ご主人様が勝てば、結婚してあげます。この条件でどうでしょう?」


「それならやる!強くなった俺の戦い方を見せてやろう!」


 そりゃ、即答するってもんだ。


 俺は開花してから、また強くなった。戦い方なども少し変わっている。それをここで初披露ってわけだ。


「ふふっ、その意気です」


「その余裕は数分後には消えてなくなってるだろう!」


 実は今の俺、戦いに関してはちょっとばかり自信がある。いくらヨヒラであろうが一発くらいは当てられると思うんだよ。そして、一発当たればこっちのものだ。


「なんか、ギャラリーが集まってきちゃったな」


「私たちが戦うのを見たいのでしょうね。戦いというのは立派な娯楽ですから」


「…ま、いいか。闘技場時代を思い出せて、懐かしいし」


「ならば、ついでに負けまくっていた記憶も思い出させて上げましょう」


「おお、言うじゃん!」


 俺はにやりと笑う。いいね。滾ってきた。

 

「じゃ、そこの野次馬の人ー。うん、あなた。合図を出してくれない?」


「おっ、いいですね!任せて下さい!じゃ、早速いきますね……スタート!」


(…解放)


 合図と同時に、俺は脳内でそう呟く。


 これは、本気で戦うときのルーティーンのようなもの。これをすることで、俺は枷を外すことができるのだ。



――開花して一番変わったこと。それは、愛が可視化できるようになったことではない。あくまでそれはおまけだ。


 本当に変わったのは、俺は俺自身をそのまま受け入れられるようになったことだ。心と一体化して、心のままに――湧き上がる感情をそのまま行動に移せるようになった。


 そして…


(心のままに動くと、楽しい!)


 行動一つ一つが楽しくて楽しくて……腹の底からとんでもないパワーが湧き出てくる。


「俺は今からヨヒラを抱きしめる!いいな!」


「あら?宣言ですか。余裕ですね」


「ふふ、ヨヒラこそ何もしてこないじゃん。その余裕、崩してみせるからな!よーい……ドン!」


「……!」

 

 一歩――音もなく、助走すらもなく、ヨヒラの懐に一瞬で入り込んだ。


 体を巡る爆発的なエネルギーの奔流を、そのまま受け入れる。

 俺に満ちる“愛”が力へと変わり、肉体を押し動かす。

 それだけで今まで以上……いや、限界を超えて動ける。


――今の俺なら、不可能だって可能にできる。


 流石にこれは予想外だろ?


 さあ、ヨヒラ。観念するんだな。


「…なるほど。あり得ないスピードですね。物理法則を無視しているかのようです。型破りで、自由で……それでいて、淀みがほぼありませんでした。例えるのなら専心という技術に似ていますが、それとは比べ物にならないほど高次元のものでしたね。専魂とでも呼びましょうか。人間にしては大したものです。あまりに人外じみている」


「くっそ、それを涼しい顔で避けておいて、よく言うよ!」


 絶対に捕まえたと思っていたのに、ヨヒラはいつの間にか一瞬で俺の間合いの外にいた。


 しかも、躱されたうえで分析までされている始末。


 …ほんと、困る。何が起きたのか分からないくらい、あまりに自然にするりと避けるんだもん。


「私は最強のアンドロイド、ヨヒラ。ご主人様がいくら予測不能な動きをしようと、いくら愛を活力にして最大限のポテンシャルを発揮しようと、誰にも負けるつもりはありません」


「それなら、今日で敗北の味を味わうことになるだろうな!」


「ふふっ。何度でも来て下さい。多少強くなったくらいで、調子に乗られては困ります。アンドロイドと人間の力の差――絶望というものを教えてあげます」


 大丈夫、愛はどんどん燃え上がるものだ。俺のエネルギーも加速度的に燃え上がるし、愛を力に変えれば、気分もどんどん乗ってくる。右肩上がりに強くなる。


「さあ!無限に戦い続けよう――!」


 ははは、楽しいなあ!俺が全力でヨヒラを捕まえようと動き、ヨヒラがそれをかわす。それだけなのに、楽しくて仕方がない。


「…ほう。不自然に私の体が御主人様に引き寄せられる感覚がありますね。私の女性の心が、ご主人様に捕まえられたがっているような感覚?」


「そうそう!心に素直になろう!」


「ふふ、私までつられて楽しくなってきました。心が浄化されるような感覚まであります。人間が感情を最大限のせた力というのは、これほどまで――これがご主人様の力ですか。末恐ろしいですね」


「……あれ?」


「まあ、決して私は捕まりませんがね」


 いつの間にか、俺はヨヒラの下敷きになって動けない。捕まえるつもりが、捕まえられてしまったようだ。


――カンカンカンカーン!試合終了!


 野次馬たちにより、決着の合図が鳴らされた。


「残念でしたね。ですが、力は存分に見せてもらいました。ありがとうございます」


「…もうちょっとやれると思ったんだけどなあ」


「落ち込む必要はありません、もはや今のご主人様は、私以外の女性相手ならば無敵だと思います。言うならば、女性への最終兵器でしょうか」


「余裕でいなしておいてよく言うよ…」


「まあ、私は最強ですので」


――ブラボー!

――どっちもかっこいい!

――すごい迫力だったね!ママ!

――流石は勇者一行様だ!

――こんなにワクワクしたの、初めて!

――我々の希望の子は最高で最強だ!

――ポンコツファンタジスタも負けたけど見事だったぞ!


 …ん?


「ギャラリーの皆様は大満足のようですね」


「ねえ?誰か俺のことポンコツなんとかかんとかって言ってない?」


「まあ、ご主人様は本当に色々な呼ばれ方をしています。その中の一つですので、気にすることはありません」


「…気になるんだけど。もしかして、俺だけ悪名が轟いてるの!?」


「大丈夫です。悪名も名声も平等に広まっていますから」


「それならいい……のかなあ」


「心配せずとも、良い評判のほうが多いですよ」


「まあ、今はそう納得しておこう」


 俺はヨヒラに手を引かれ、立ち上がる。


「では、今からデートを続けましょうか」


「あれ?今まではデートじゃなかったんだ」


「ええ。これは私の目的のためにご主人様の力を確かめただけです」


「なるほど。で、お眼鏡にはかなったの?」


「十分です。当たり前のように奇跡を起こす人が認められないわけないじゃないですか」


「やっぱり、俺って結構すごいよね?物理法則を一瞬無視してたもん。自分でも一歩で距離を詰めるとか意味わからないし」


「…理論などすっ飛ばしてやっていたのですか……流石というべきか、呆れるべきか。だから、ご主人様は“脳筋異端児”などと呼ばれるのですよ?」


「…え?俺ってそんなふうに呼ばれてるの?やっぱり悪名しか広まってなくね?」


「ふふっ、それはどうでしょうね!」


「大丈夫だよね!ねえ!」


次回予告:では、自己PRをお願いします

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