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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
7章:地球へ新婚旅行!

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疾走旅行!トリカとのツーリング!

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 セリとのデートの次の日、今日はトリカとのデートだ。


 トリカからは「刺激的なデートを期待しておくわ」との注文が入っている。ハードルは高いが、俺なりに頑張ってみるつもりだ。



 トリカには事前に「指定の公園で待っておいて」と伝えてある。恋人と待ち合わせというシチュエーションに憧れていたので、今回のプランに取り入れてみた。


 俺は今朝Eエネルギーで作った乗り物に乗り、待ち合わせ場所の公園に時間ぴったりに到着した。


「おまたせー。さあ、行こうぜ!」


「早朝から何かしてると思っていたけど……それを用意してたのね」


「おう!普通に危険だし、とっても刺激的だろ?」


 俺が乗ってきたのは、大きいバイクだ。ただ、現代の普通のバイクじゃない。それこそ俺の前世にあったような、安全性の保証、事故を防ぐ機能などの全くない「レガシーバイク」というものだ。


 刺激的な乗り物をイメージして作ったので、とんでもないスピードが出るはずだ。


 …ちなみに、Eエネルギーで作ったからか、俺の想像の範疇を超えた機能までついていたりする。ま、ボタンを押さないとその機能は発動しないので、使わないだろうけどな。


 俺は今朝Eエネルギーでこのバイクを作ったが、Eエネルギーがなんでもできるからといって、なんでもやっていいわけではない。惑星ごとに色んなルールがあるが、そもそもSCエネルギーで既製品丸パクリするのは、だいたいどこの惑星でも軽犯罪だ。


 なので、俺のイメージだけで作ったオリジナリティあふれるバイクとなっている。


 さあ、このバイクで、今日は後ろにトリカを乗せてツーリングデートに洒落込もう!


「刺激的っていうのはそういうことじゃないんだけど……まあ良いわ。楽しそうだし」


「体力を意外と使うから、朝ごはんにおにぎりとコーヒーを入れてきたよ。それを食べたら行こうか」


「用意がいいわね。ありがたくいただくことにするわ」


 トリカに水筒に入れてきたコーヒーを注ぎ、おにぎりを渡す。


 俺たちは寒空のもと、公園のベンチで俺の握ってきたおにぎりを食べ、コーヒーを飲んだ。寒い朝に恋人と二人で飲むコーヒーって、なかなか乙なものだ。



 さて、ある程度まったりできた。腹ごしらえも十分。早速ツーリングに行こうか。


「これがヘルメット。あと、これがライディングスーツ。これに着替えてもらえるか?……よし、準備オッケーだな。危ないからしっかり捕まってくれよ!」


 トリカはバイクにまたがり俺の背中から手を回し、ぎゅっと掴む。


 背中に恋人の温かさを感じる。


 なんかそれだけで、噛み締めるように幸せが襲ってきた。


「…これ、良いわね。もうすでに楽しいわ」


 トリカも二人乗りが気に入ったようだ。それならよかった。


「さあ!出発!」


 俺たちはバイク専用空中レーンを走り出した――



 刺激的とは言いつつも、あくまで安全運転を意識して走る。それでも、結構なスピードが出ているはずだ。


 景色がどんどん流れていって気持ちがいい。


「…で、目的地はどこなの?」


「んー?なんてー?」


 バイクがかなりのスピードで走っているので、風切音とバイクのエンジン音で普段の声じゃ聞こえない。


 これもレガシーバイクの特徴の一つ。味と思って不便を楽しもう。


「どこにいくのー!」


 トリカが大きな声で話す。さすが歌手、声が聞き取りやすい。


「目的地は決まってない!でも、見たこともないようなものを探すつもりだ!」


 俺も腹から声を出して答える。


 …ま、要は探検だな。


 ただ、ある程度道の駅みたいな場所は頭に入れてきたので、何も見つからなくても最悪楽しめるようにしてある。


「何よそれ!楽しそうじゃない!」


 トリカが嬉しそうに俺の背中をバンバンと叩く。


「ちょ、危ないよ!しっかり捕まっててね」


「大丈夫よー!それに、もし事故ってもあなたが助けてくれるでしょ?」


「そりゃあそうだけどさあー」


「ふふっ、レガシーバイクって良いわねー。とっても刺激的でわたくし好みだわ」


「そりゃあ良かった!」


 大声で会話を交わしていく。空を走りながらこうしていると、とても非日常な感じがして、心が弾む。



「…わたくしやっぱり、退屈って嫌いだわー!」


「俺はそうでもないな。トリカは平穏って嫌いなのー?」


「嫌いってわけじゃあないわ。でもね……わたくし、あなたと一緒にいるだけで安心感がすごいんだもの!デートくらいは刺激的なものを求めても仕方ありませんわー!」


「ええー!俺なんてご飯食べて、恋人が居て、仕事をして、筋トレして、いっぱい寝られれば最高に幸せだけどなあ!トリカは欲張りだなあー!」


「ふふふっ、バカね!方向性が違うだけで、あなたも宇宙一欲張りですわよー!」


「トリカには負けるよ!ハハハ!」



 こんな風に調子よく空を走り続けていると、前方に小さな道の駅の看板が見えてきた。


「よし、あそこに道の駅があるから、一旦休憩しようか」


 スピードを落とし、道の駅の脇にレガシーバイクを駐車。休憩に入る。


 この道の駅は小さく、無人運営タイプだ。まだ朝も速いからか、今日は俺たちしかこの道の駅を利用していないみたいだ。


 買い物する前に、トリカと軽く写真を撮り、思い出作り。こういうちょっとしたことが楽しいんだよな。


 その後、俺はここでホットドックとソフトクリームを買って、飲み物も注文した。ついでに水筒のコーヒーも補充しておいた。


「ほんと、あなたってよく食べますわね」


「いいじゃん、美味しいんだから」


 ホットドックをありったけ買い、ソフトクリームを何回もおかわりした俺を見て、トリカが呟く。


「ほっぺたについてるわよ?」


「取って?」


「ふふっ、あなた、とっても自然に甘えてくるようになったわね。仕方ない子だわ」


 こうやって何気なくイチャイチャするの、すごく楽しい。幸せ。


「ダメね、もう宇宙船で山ほどイチャイチャしたから、そろそろシャンとしようと思ってたのだけど……楽しくていつまでもやっちゃうわね」


「いいじゃん!いくらでもイチャイチャしようぜ!」


「だーめ。今を楽しむだけじゃなくて、そろそろわたくしたちも結婚した後の話をしたいと思っていたの」


「将来の話かあ」


 確かに、そろそろそういう話もしていかないとな。


 今まではとにかく今が楽しくて、現実的なことなんて考える暇がなかった。でも、せっかくだからこういう機会に将来のことを考えてみるか。



「わたくしとしては、帰る場所――ホームが欲しいわ。それがあれば何歳になったって挑戦し続けられる気がするの。わたくし、仕事を辞める気はないから」


「いいじゃん!結婚したら新しく家を建てて、一緒に住もう!そしたらそこがホームになるはずだ」


「子供もたくさん欲しいから、大きい家が良いわ。子供にはお父さんという存在を与えたいから、あなたにも子育てをして欲しいわね」


「そっか。子供を産んだら俺もお父さんになるのか…」


 なんだか感慨深い。俺、お父さんになんてなれるのかなあ…


「あ、でも、セリも一緒に住みたいって言ってたんだけど、それはどうする?」


「なら、わたくしたちとあなたとセリの三人で住みましょうか。セリも他の女への牽制に役に立つでしょうしね。あの子って尋常ではなさがにじみ出ていて、怖いですからね。役割分担としてちょうどいいわ」


「ヨヒラとウツギは?」


「ヨヒラが一緒に住む分には構わないわ。あの子はわきまえてるし、頼もしいしね。でも、ウツギと一緒に住むのは許さないわ。あの子はせいぜいお隣さんにでもしておけばいいわ」


「…それは俺からは言いづらいな」


「ふふっ、まあ、そこら辺はどうせ落ち着くところに落ち着きますわ。というか、わたくしが上手くやります」


「トリカには迷惑をかけるだろうなあ…」


「どんどん迷惑をかけてください。お金の管理と、面倒なことはわたくしが全て引き受けるわ。それくらいしないと生活にハリがないもの。もちろん、わたくしは仕事も辞める気はない。これからは仕事と子育て、それに全力を尽くすつもりよ」


「かっけえな」


「ふふふ、じゃ、わたくしとセリとヨヒラ、三人で暮らす方向で動くわね。今の貴方なら三人まとめていけるでしょう。正直、最初からそれが一番現実的だとは思っていたのよね」


「…もしかしてさ、決まったゴールに向かって会話してた?」


 この会話、やけにトントン拍子で話が進んだ気がするんだよね。


「ふふふ、さあ、どうかしら」


 …ま、どっちでもいいか。


 この後も休憩しながら、ひとしきり俺たちは今後の話をし続けたのだった。


 

 話が一区切りしたところで、俺は立ち上がって大きく伸びをした。


「さて、そろそろ行こうか」


「そうね……あっ、そうだ!今度はわたくしが運転してみてもいい?」


「…まあいいが……このバイク、結構運転が難しいぞ?」


「大丈夫、ライブで演出としてバイクに乗ったことはあるし、免許は持っているから」


「なら大丈夫か」


 …でも、何か忘れているような。


 ま、いいか。思い出せないってことは、大したことじゃないってことだろう。


 俺はヘルメットを装着し、トリカの後ろに乗る。トリカの柔らかくて細い腰をぎゅっと掴んで、準備完了だ。


 …恋人を後ろに乗せるのもいいが、後ろから抱きつくのも良い。トリカ大好き。



「さあ、行くわよ!」


 その直後のこと。


「って、おわあああああ!!!!」


 トリカは初っ端からフルスロットルで運転しだした。


 ものっすごい速い!それに、ドリフト、カーブ、ターンなど、危ないテクニックも入れまくるので、とても刺激的だ。


 あ、思い出した!トリカって運転が荒いんだった!


次回予告:そのボタン押しちゃダメだって!

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