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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
6章 前世

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出発直前!いざ地球へ!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 さて、季節は十二月。明日からもう地球へと出発する予定だ。


 怒涛のようなこの約二ヶ月、地球関連のことについてそれぞれ何をしていたか、今一度まとめて振り返ろうか。


 俺は部屋で一人、呟きながら思い出していく。


「始まりは俺の秘密がバレ、みんなと協力して地球へ行くとなった日からだよな」


 それから、各々ができる準備を進めていった。俺の場合、日本語で書かれた様々な暗号化された情報を調べたり、宇宙船の操縦の練習をしたりといった具合だ。



「宇宙船の操縦訓練は、思っていたよりもあっけなく終わったんだよなあ…」


 操縦そのものは俺にとって難しいものではなかった。車を運転するのと大差ないくらいの難易度だったからな。


「操縦については、セリの方が覚えることが明らかに多いはずだったんだけど…」


 飲み込みの速いセリは、ゲーム感覚であっという間に一通りの感覚をつかんでしまった。


「そしてその後、俺たちはすぐに二人での連携訓練に移った。今や無意識で操縦できる自信まであるな」


 というのも、この宇宙船の操縦方法が俺たちと相性が良かったのだ。



 この宇宙船は、二人の操縦士の思考を同期させて動かす構造になっている。なので、二人の息を一つに合わせることが必須なのだ。


 この感覚はとても独特だ。無理に説明するなら――意識を静かに溶け合わせ、互いの思考の輪郭を曖昧にするといった感じだろうか?


 俺はこれをシンクロと呼んでいる。


 シンクロすると、セリの感情が、想いが、音もなく俺の中に流れ込んでくる。それと同時に、俺の思考もセリへと流れ、混じり合い、共鳴していく。


 電子の海の中、鼓動と鼓動がゆっくりと重なっていく。微かな光や色、体温のようなものを帯びて、セリと交わり、一体になる。


「お互いが愛し合っているのが直に分かり、俺はこの時間が大好きだった」


 好きこそものの上手なれ。元々息ぴったりな俺たちは、あっという間に連携訓練をクリアしたってわけだ。



 俺は情報収集も同時並行で進めていた。とくにヨヒラが月で行った実地調査の結果は、暗号解読にも大いに役立った。やはり、答えの方向性が少しでも分かっていると、逆算して読み解きやすいものだ。


 約一ヶ月かけて分かったことは、Eエネルギーの成り立ち、具体的なEエネルギーの発電の仕方、使い方について。


 しかし、Eエネルギーについてはそもそも詳しい文献が少なく、実際に役に立ったのはこのエネルギー制作者の日記くらいだった。


 日記は制作者の苦悩が大半を締めていたので、重要な情報を拾うのが大変だったなあ…


 つっても、俺は解読した文を母に丸投げしただけだ。だから俺の理解は「Eエネルギーって、とんだじゃじゃ馬エネルギーだなあ…」くらいにしか思っていない。思い通りに使えなかったり、使うつもりがなくても勝手に奇跡を起こしてしまったりなど起こるらしいよ。怖いね。



「でも、この程度のざっくりとした認識でも何も問題はないんだよね」


 なぜなら、あくまで俺たちが使うのは動力としてだからだ。そして、それすらほとんどセリがやってくれるので、超基本的なことだけ覚えておけばいい。


「ただ、発電方法だけは話が別」


 操縦席のパソコンから「船長」が各種設定をしないと、発電は開始されない。要は俺にしかできないのだ。だから、全力で頭に叩き込んだ。


「発電施設のロックを解除、その後スリープモードを解除して、電源を作動さえできれば、あとはパソコンの設定から俺の届く“感情エネルギー”なるものを月へと分け与える。やることはそれだけ」


 …まあ、それが難しいんだがな。


 問題は、ロックを解除するにはバリアを完全に破壊する必要がある、という点だ。ところがこのバリア、どんな衝撃も、SCエネルギーすら吸収してしまう。要するに、突破がほぼ不可能なのだ。


「唯一の可能性はウツギのサイキックだけ」


 黒炎は物理攻撃でも、SCエネルギーを介した力でもないので、理論上は破壊ができるはずなのだ。


 ただ、最初ウツギの黒炎でバリア破壊を試みた時は、全く歯が立たなかった。もし修行を終えたウツギにもバリアが破壊できなかったら、詰みだ。俺たちにできることはウツギを信じて待つことのみ。


 とはいえ、ぼんやり待ち続けるだけというのも性に合わない。やれることは進めておくことに限る。



「感情エネルギーについても俺なりに頑張って理解したつもりだ」


 Eエネルギーは、SCエネルギーと人間の感情エネルギーを融合させて作られる特殊な力だ。そのため、まずは感情エネルギーについて説明する必要がある。


 人間の感情には、ほんの僅かに奇跡を起こす力がある。この奇跡の力を取り込むことで、Eエネルギーは初めてその性能を発揮できる。


 そのため、Eエネルギーを作るには莫大な量の人間の感情が必要なのだ。


 そして、感情のエネルギーは光よりも圧倒的に早く動き、どんなに遠くても届く性質がある。そのおかげで助かったことがある。


「配信でも視聴者から感情エネルギーが集まるんだよね。セリの直感はやっぱり正しかったんだ」


 俺に届く感情を少し分けてあげるだけで、あっという間に必要量が満たされたのだ。



 そこまで情報収集できたあたりで、ウツギが修行から戻った時期に入る。

 

 ウツギは修行により、黒炎のパイロキネシスが更に進化したそうだ。


 そしてウツギは月へ赴き――見事にEエネルギーでできたバリアを突破してみせた。


「実はこれ、人間としてありえないほどの偉業らしい。やっぱウツギってすげえわ」


 それほどまでに今のウツギの火力は高く「今のウツギ様ならば余裕で闘技場でトップになれる」とヨヒラは豪語していた。


 なんにせよ、ウツギのおかげで無敵のバリアは突破できた。


 俺は宇宙服を着て月の内部へと赴き、スリープモードの解除をした。これにより、Eエネルギー発電装置は完全に電源が入ったのだ。



「後は、いきなり俺たちの住む惑星が動き出したら、大騒動になりかねない。何かで誤魔化すなり、なんらかの対策が必要だ」


 この問題については俺の母が中心になって対処してくれている。母は研究者としては優秀らしいので、信じて待つことにした。


「そして、母からの成果を待つ間に、俺は開花したってわけだな」



 開花してからの俺は、自信がつき、とても積極的になった。


 そりゃ、愛に敏感になり、目に見えて愛されていると感じるのだ。愛されればそれ以上に愛で返したくなるのが人間というものだろ?


 愛を可視化できるようになると、改めて俺はいろんな人からとんでもなく愛されているというのを強く理解した。

 

 セリやトリカはもちろん、ヨヒラやウツギ、視聴者にだって俺はかなり愛されていた。これだけ愛されると、むず痒い。


 …まあ、試しに視聴者に優しくしてみると、「なんかキモい」とか、「熱でもあるの?」とか言われてしまったんだけどな。ほんと、視聴者って素直じゃないわ。


 だから、俺は今はあえて今までのノリで配信を続けるようにしている。ただまあ、内心ではニッコニコだがな。コメント一つ一つから、とっても愛を感じるから、嬉しくて仕方がないのだ。



 そして、最後の砦かつ、一番の問題。この惑星をまるまる偽装し、惑星が動いていることをバレなくする方法についてだが――これも最近になってようやく目処がたった。


 トリカの惜しみのない金銭的援助と、人材派遣の物量作戦により、この惑星フルールを丸々本物そっくりのホログラムを作ることで、強引に偽装することにしたようだ。


 惑星全てをホログラムで代用するなんてめちゃくちゃな行為、思いつきもしなかった。これにはかなりの金がかかるらしいが、「お金なんてまた集めればいいのよ」と、トリカは気にしていなかった。


 それさえできれば、なんにも問題は起こらないだろう。この宇宙船にはステルス機能があるからな。透明化しながらしれっと出発すればいい。


「ふふ、まさか惑星丸々ホログラムだとは、夢にも思わないだろう。これでなんの心配もなくフルールを動かせる」



 そして、最後の最後、いざ地球へ行くとなると、閣下に挨拶はしておいたほうがいいと思い立ち、軽い説得も兼ねた報告をしに行った。


「閣下って地球の存在を隠している雰囲気もあったらしいからな。どうあれ行くのは決定事項だけど、せっかくなら全員わだかまりなく向かいたい」


 ただ、いざ俺が報告しに行くと、閣下は大喜び。地球へ行けることが相当嬉しいらしい。最近の閣下は俺がプロポーズしたことで大はしゃぎしていたのに、さらに喜ぶ理由が増えたようだ。


 それもあってか、最近は心から楽しそうにピカピカ光っていることが多い。なんなら俺たちの誰よりもノリノリだ。それを見たセリが船長っぽい帽子をそっと被せてやっていた。可愛い。


 ということで、もういつでも出発できるというわけだ。



次回予告:調子に乗れる時はノリまくるべし

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― 新着の感想 ―
この宇宙の地球はどの程度の文明なんだろうなぁ
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