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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
6章 前世

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木工鍛冶!心にもスローライフを!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「実際に木工部屋と鍛冶場を使ってみよう!」


>今日も楽しみ

>告知してから配信しろ

>挨拶忘れてるぞ

>ヒノキ、自己紹介してくれないと、あなたが誰か分かりません!

>あなたはどこのどんなヒノキ?はよ説明しろ


「ういーす。辛口評論家ムキムキイケメンのヒノキでーす。今日はできたばかりの作業部屋を実際に使ってみるぞ」


>なんだ。なんとかかんとかムキムキイケメンのヒノキだったのか

>ういーす

>ちっすちっすー

>何を作るのか楽しみ!


「さて、何を作ろうかな。以前鉄板で料理をしたとき、ヘラがないのが不便だったからヘラは作るとして、他に出刃包丁とか、鉄の菜箸とか、鉄のトングとかもほしいし、木工ではフィギュアとか作りたいし、木目を生かしたおしゃれな食器も作りたいし、シンプルなカラーボックスとかも作りたいし……」


>無限に出てくるなwww

>全部やろうぜ!

>創作意欲が爆発してやがるっ……!

>いや、不便な生活を便利にしたいだけな気も…


 生活を豊かにするのも、生活に不必要なものをつくるのも、なんだって楽しい。というか、最近は人生が楽しくて仕方がない。


 …これはきっと、修行が順調に進んでいるからだろうな――



 最近では、俺が視聴者に前世の事を語り、配信後にみんなの家に遊びに行ってより詳しく前世の事を語る。このような流れがテンプレ化してきている。話せば話すほど楽になるし、強くなる。どんどん自分の弱さを受け入れられる。


(このまま行けば、今年は大丈夫な気がするなあ…)


 毎年のように十二月になれば「前世の死」を鮮明に思い出し、一歩も外に出られなかったんだが……俺も成長したものだ。


(それに、この暮らしのおかげで新たに気づいたこともあるしな)


 いや、知ってはいたけど、それが重要なことだと意識していなかったという方が正しいかな?それは俺の中では、軽く見ていいものではなかった。


 というのも――振り返ってみれば、カッコつけるとほぼ失敗するというクセが、自分を語るうえで意外と大きな要素なんだと気づいたからだ。


 無理に「ちゃんとしよう」とか「良く見られたい」と思うほど、肩に力が入って空回りする。逆に、変な意識を捨てて自然体で取り組んでいるときほど、物事がスムーズに進む。前世のことを包み隠さず話し始めてからの俺がまさにそうだ。

  

 このことに気づいてから、自分の中で一つはっきりしたことがある。


(俺は自然体であればあるほど、本来の力を発揮できる)


 ほんのりカッコつけてみたり、かすかに人にどう見られたいかを考えて行動していたりと、そういうのが癖になってしまっていた。実際に人に見られているとか、関係なく。


 …がっつりではなく、ほんのりというのがみみっちいがな。


 要は、いつだって完全には自然体ではないってことだ。だから俺は魔王なんかに憧れたりするのだろう。魔王って人にどう見られるのかとか気にしていなさそうだしね。


 そして…


(完全な自然体に至った時……俺は開花することになるだろう)

 

 不思議とそんな確信がある。


 きっともうすぐだ。もうすぐ俺は開花する。


 幸運なことに、スローライフと自然体との相性は抜群に良い。毎日を通して、確実に一歩ずつ進んでいる実感がある。スローライフは楽しいだけじゃなく、心にもいいのだ。


 開花すればどうなるのかは分からないが、それが楽しみで仕方がない。


>何ニヤニヤしてるんだよ

>早く色々作れ

>ボーッとするな

>こっちだって暇じゃないんだぞ?時間を無駄に過ごすな


 おっと、一人の世界に入り込み過ぎた。一瞬配信していることを忘れてしまっていたな。すまんすまん。


「じゃ、なんとなくクスネのフィギュアから作ろうかな。その後閣下とか、キュキュとかモグちゃんとかも作りたいな」


>おお!

>そんなの手作りで作れるのか?

>そういえばクスネきゅんはどこかに出かけてるの?


「クスネはお出かけ中だ。クスネってシェアハウスを通じて交友関係がめちゃくちゃ広くなったからな。最近は仲のいい動物の友達とよく一緒に出かけることが多いな。今日もキュキュが俺の家にクスネを誘いに来てたしね」


 キュキュが俺の家に来た時、クスネは全身で喜びを表現していた。ああいうところが愛される要因なのだろう。俺もコミュ力に関してはクスネを見習わなきゃな。


>キュキュちゃんも家に誘いに来るとか賢すぎるだろwww

>動物同士で遊びに誘うなんて……なんて平和な世界

>流石クスネきゅん、コミュ力の王



「さて、話を戻すぞ。俺は初心者らしく、ちまちま彫刻刀で掘っていくぞ!」


>ムキムキ陰陽師に彫刻刀が似合わねえな

>お前に彫刻刀なんて繊細なものが使えるのか?

>削りまくってるうちに、いつの間にか「木くずしかない!」みたいなことになりそうwww


 流石に視聴者は俺を侮りすぎだ。


「アンドロイド流武術の修行の副次効果かなんかで、俺って体の使い方がうまくなってることを忘れてないか?手先も割と器用になってるんだからな」


>そういやそうだった

>修行によってなんで手先が器用になるんだ……?ほんとヒノキはどうなってるんだよ?

>じゃあ、集中力が持つかどうかが問題だな

>ちまちま彫るのなんて一番苦手じゃないの? 


 確かに俺はちまちました作業は苦手だ。集中力が続かないからな。ただ、何回かの工程に分けて、ちょっとずつ何かを完成させるのは結構好きだったりする。


「今日は下絵と型取りくらいにしておこうかな。こういうちまちましたのは、ゆっくりやっていくに限るね。これぞ、スローライフ」


>まあ、それくらいならヒノキでもできるか

>スローライフというより、ただの娯楽じゃ……?

>スローライフはこじつけたもん勝ちだからなwww

>チップのアシストさえあれば、私でもできそうだな

>暇だし、私も一緒に木彫りしてみよーっと!



「じゃ、木工部屋に移動して、早速始めますか!」


 木工部屋の椅子に腰掛け、初心者用木工セットの中から彫刻刀と木材を用意し、一応作業着に着替えれば、準備は完了だ。


 俺はチップを使い、クスネの完成予定の木彫りをシミュレーションする。


 次に、チップにもアシストしてもらいながら、角材から余計な部分を削り落としていく。


「たったこれだけでなんとなく犬っぽくなってるだろ?すごくね?」


>クスネきゅんの丸っこい体っぽくなってる!

>ここから完成するのがクスネくんだと認識しているせいか、もう可愛いwww

>木彫りってそうやって作るんだなあ…


「じゃ、集中力が怪しくなってきたからここまでにして、次は鍛冶場に移動するぞ!」


>え?

>集中力が切れるのはっやwww

>まだ輪郭しかできてないぞ?

>ま、そんなもんだよなwww

>これでもよく頑張った方だよ


 そうそう。人には人のペースがある。無理して長時間やっても、俺の場合は楽しくなくなっちゃうからね。



 俺は出てきた木くずなどを掃除した後、鍛冶場へ向かった。


「さて、何を作ろっかなー」


 どちらかと言うと、俺は木工より鍛冶のほうが得意だ。鉄をガンガン打つのが楽しい。打つたびに形を変えるのが、気持ちいいんだよね。


 それに、前世で俺は貧弱だったので、こういう男らしい作業をやっているというだけでもう楽しいのだ。


「やっぱり、菜箸もトングもヘラも全部作っちゃおうかな」


 この炉は性能が低いので、作るのには時間がかかる。でも、それで良いのだ。まだ俺は初心者。もっと鍛冶の技術を磨きつつ、クエストで設備を少しずつ強化していくと決めたし。


「じゃ、手袋とかゴーグルとかつけて……よし!やるぞ!」


 まずは炉を温める。燃料は木炭だ。


 次に、炉に金属を入れる。十分に温まり赤くなってきた頃、ハンマーで叩き形を整える。金属は割とすぐ冷えてしまうので、何度も炉に戻しては叩く。これの繰り返しだ。


 ある程度整形できたら、細かい整形に入る。金属が十分冷めた頃、金属製のヤスリを使用する。


「最後に酸化防止のため油を塗れば、完成だ!」

 

 菜箸、ヘラ、トングの全てを一気に作り上げることができた。自分の場合、ここまでだいたい三時間くらいかかった。


「じゃ、今日の配信は終了だ!長時間付き合ってくれてありがとうな!じゃあまた。おつー」


>おつ

>おつかれー

>かつかれー

>今日も楽しかった

>たまにはこういう配信もいいね

次回予告:小麦を世界一分かりやすく説明しようとしたら、いつの間にか俺が女を雑に扱う糞男になっていたの巻


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