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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
6章 前世

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要望交換!感謝を返す!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 前世の死を話してから一週間後。


「そろそろ実際に家を建ててみるぞ!」


 何度も練習したので、一日あれば一軒の家が建てられるだろう。まあ、家というより倉庫とか、豆腐ハウスとかのほうが近いんだけどな。


「とりあえずこの家の隣に作ってみるぞ!」


 基礎を立て、柱を置き、壁をはり、屋根の梁を組み、屋根をはる。


 やがて、一軒の家が形になった。


「できた!完成だ!」


>いいじゃん!

>すげええええ!!!

>SCエネルギーなしで家ができた……だとっ!?


 超シンプルだが、一応家だ!俺は一人で家を建てることができたのだ!これで一歩立派なスローライファーに近づいたぞ!


 嬉しい!


「とりあえずここは木工部屋として使おうか。よし、この調子で、次は鍛冶場だ!俺のイメージでは暗いところでガンガンやってるっぽいから、とりあえず地下に部屋を作るのを目標にするぞ!」


 掘るぞ掘るぞ!前世の死についても話せたし、家も作れた!今の俺は無敵だ!


>あんまり地下で鍛冶はおすすめできない……聞いてないなこいつ

>換気とか大変だぞ

>おーい!話を聞け!


 俺は夢中で地下を掘り続け、今日一日でとりあえず一室ほどの広さの空間を作ったのだった。





 最近はもっぱら配信外でパソコンでの情報収集が常となっている。


 そこで、なんとなく重要そうなある一人の日記の一部を見つけることができた。


 その内容は以下の通りだ。



 Eエネルギーは愛によって偶然できた奇跡の産物。様々な可能性をはらんだ、素晴らしいエネルギーだ。この世界の理すら壊すほどの力がある。

 

 ただ、偶然できたものゆえ、いまだ制御はできない。汎用性はなく、危険性ばかりが際立っている。このまま使うなんて、ありえない。


――ただ、我々には余裕がなかった。埒が明かず必要に駆られたとはいえ、この奇跡の産物をただの改造SCエネルギーとしてしか使えないのがどうにもやりきれない。


 愛によって生まれたものを、戦いの道具にしてしまっていいのか。もっと正しい使い方があるのではないだろうか。


 このままでは、なにか取り返しのつかないことをしでかしてしまう気がして――正直、怖い。



 こういった内容だ。

 

 きっとここから読み解けるものもあるのだろうが、そういう考察はパス。今も一週間に一度、コックピットに集合しているので、その時に俺の母に丸投げしておいた。こういうのは賢い人に任せるに限る。


 地球に関する進捗は大体こんな感じだな。


 

 さて、俺は俺のやることをやりつつ、今日も今日とて配信だ。じゃ、配信ボタンポチー。


「ういーす。全身全霊ムキムキイケメンのヒノキでーす。今日はクエストをいっぱいやっていくぞ」


>告知してから配信しろ

>今日も楽しみ

>最近ではその陰陽師の格好にも慣れてきた

>クエスト回か!ワイのクエストを受けろ!


「あ、そういえば、クエストに関して一個報告することがあったんだ」


>なになに?

>報告?


「せっかくクエストを出してくれた人に、スタンプ入り葉っぱを渡そうと思ってな。ほら。クエストって縁だしさ。そういう縁は大事にしたいんだよ」


 口には出さないが、俺は視聴者に感謝している。特に、前世の死について話しても平静でいられたのは、コイツらのおかげだ。


 感謝を形にしたくなり、この案をふと昨日思いついたのだ。


>おお!

>いい……のかな?

>スタンプ入り葉っぱ?


「思いついたら即行動ってことで、昨日配信外で作っておいた。簡単なものだが、こんな感じのスタンプだ」


 俺はバナナの葉っぱのような大きな葉に、スタンプを押して視聴者に見せる。


>力こぶとクスネきゅん!

>デフォルメしてあるとはいえ、なかなか特徴を捉えてるな

>というか、ヒノキお手製か。これはプレミアになりそうなものを…

(ヒノキ)作ったものはなんでも価値がとんでもなく上がるんだぞ?分かってる?

>欲しい!


「ま、こんなちょっとしたものだが、ないよりはいいだろ?あ、そうだ。クエストに関して、ちょっとした相談もあるんだった」


 ほんのりとした照れを隠すように、立て続けに話す。


「明後日がチートデイの日でさあ。グルメカントリーの完成が近いんだよ。で、あれが完成すると、この惑星にある食に関するものは簡単に買えるようになる。そうするとさあ、俺がクエストの交換に出すものが難しくなりそうじゃない?」

 

 紙とか釘とかちょっとしたものが欲しくなった時、今までは採集などで見つけてきた食材と交換していたのだが…


 これからは食材の価値が下がる。クエストは等価交換がルールなので、そういう雑多なものを交換する時、これからは困ることになる気がするのだ。


>確かにそうだなあ…

>そういや、すっかりグルメカントリーのこと忘れてたwww

>てか、明後日チートデイなのかよ。急いで面白そうな案を練っておかなきゃな


「価値の高いものについては、俺の料理でなんとかなるんだが……価値が低い雑多なものを交換するのに困ることになるとは思わなかったわ」


>それくらい、もう買っちゃえば?

>安いもののほうが大変になるとは…

>お金を使わないなんて縛りを設けるから


 いやまあそうなんだけどさあ。なんか負けた気がするから、買う案は却下。金で解決するのは、俺のスローライフ道と反する。


「一つ思いついたのは、花を育てて交換に出す案。花って素晴らしいものだけど、残念ながらごく普通の花の価値はそこまでないしな」


 今の技術なら花を育てようと思えば、いくらでも作れてしまう。だから、花農家などは品種改良などの様々な手段を使い、オリジナリティのある花を売り出すことで価値を上げて売ることが多い。


 それなら、俺がごく普通の花を育てれば、雑多なものと交換できるのではないか?それに、花をもっと布教したいという願望もあるし。


>残念ながら、男が作ったものはそれだけで価値が上がってしまうんだよなあ…

>ヒノキ印のバラとか言って大量に花を売り出せば、小金持ちにはなれそう

>おんなじ理由で農作物とかも駄目だぞ

>詰んでて草


 …なるほど。


「なんかさあ……女が作ったって嘘ついて、低価格で交換できないもんかねえ…」


>逆詐欺で草

>何その幸せな詐欺。聞いたことないんだけどwww

>飢えたメスを舐めるな。男が作ったかどうかなんて一瞬で分かるぞ

>男の痕跡があるかどうかなんて、一目瞭然だもんなあ


 当たり前のように言ってるけど、それっておかしいからな!


「くっそー。お前らのつまらん人生にせめてもの花を添える案、いいかと思ったんだけどなあ…」


>は?

>ぶっ◯すよ♡

>脳内お花畑の男がいうようになったな

>宇宙一臭いと言われている“脈動ラフレシア”の花束を送りますね♡

>花言葉が“肉団子ゴミクソラーメン”という私の惑星特有の花を、ケツにぶっ刺して生けてあげよう



「…クエストやりまーす」


 流れが悪い。やはり視聴者が優しかったのはあの前世の死について語った時だけだったようだ。


 こういうときは強引に話を変える。これぞ配信者の必須スキルだ。急に話が変わろうと、なんだかんだ視聴者はついてこれるしな。あと、大量に流れる罵詈雑言コメントを見ないようにするスキルも必須だぞ!


「今回受けるクエストはこちら」


――――


【クエスト:ヒノキくんだーいすき♡】


 達成条件:自画像

 報酬:バイオクリスタルビニールハウスの材料一式


 こんばんは~!!


 って、ヒノキくんが夜にこのクエストを見てるのかは分からないんだけどね!おばさんはしゃいじゃった♡♡♡


 あ、あのね!ヒノキきゅん、いつも見てるよ!おばさんね、あなたみたいな年頃の男の子が、本当に好きなの。ああ、変な意味じゃないのよ。ほんとに、ほんとに純粋な気持ちでね。でも、止まらないの。気持ちが、心から零れてくるの。


 って、こんなことおばさんに言われても嬉しくないカナ?


 でも、いつも無茶ばかりしてるヒノキきゅんを見てると、おばさん心配だなあ~~


 無茶は程々にしないとダメだゾ?なんちゃって~~うふふのふ♡♡♡



 それでね、おばさん、ちょっとヒノキきゅんに頼み事をしていいかな?


 おばさんはどうしてもヒノキきゅんが描いたおばさんの自画像が欲しいんだ。


 おばさん、お金だけはあるから、大抵のことはどうにかなるんだけど……ヒノキきゅんの書いた絵は、お金では手に入れられないもんね。あは♡


 交換として、ビニールハウスの材料一式を出すから、どうにかならないカナ?よろしくネ!!!


P.S.

 

 いつか、どこかで会えたら嬉しいナ。

 

 でも、もし会えなくてもいいの。だって、おばさんは理性がヨワヨワだから、自分を抑えられる気がしないの。


 だから、ずっとここで見てるね♡♡♡


――――


「バイオクリスタルビニールハウスの材料一式は流石に欲しいよな」


 ちなみに、バイオクリスタルビニールハウスというのは……あれだ。なんかすごい高性能なビニールハウスだ。詳しくは知らん!


>ちょ、当たり前のように話を進めないで

>それ、クエストじゃなくて怪文書っていうんですよ?

>ホラー小説かと思った

>なんでこんな文を見てもヒノキは平然としてるんだよwww


「ま、この程度ならラブレターみたいなもんだろ。セクハラ文とかでもないからな。可愛いもんだ」


>ヒノキ……

>これが、ラブレター???

>女に甘すぎるwww

>逆にヒノキの読解力がない説


――結局この日、この人とクエストと、他の雑多なクエストを受けるだけの日となった。価値の低いものと何を交換すべきかという案についてなどは、すっかり頭から抜け落ちてしまっていた。


次回予告:ミラーボールになろう!

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