南方訪問!修行の必要性
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「スローライフと修行を兼ねて、うちはこの場所から南の方に住むことを希望するわ。宇宙船で解析した結果、修行相手に困らなさそうなのよ…いいわよね?」
どうせ今の実力ではトップにはなれないし…と小声で呟くウツギ。向上心があるのは大変いいことだ。だが…
「ええ~どうしよっかな~俺が買った惑星だしな~」
俺はとことん強気でいく。俺が強気で対応できる女なんてとても貴重なのだ。この機会に俺が女相手に強気で交渉する練習をしておこう。
「なんでうちには許可出さないのよ!他の女には簡単に許可出してたのに!ねえ!お願い!」
「ふっふっふっ、俺が許可しなければウツギはこの惑星に住めないもんね。この惑星全部俺の土地だし…どうしよっかな~」
これがこの世界の普通の男の気持ちか~。いいな、楽しい!俺が女を手玉に取ることがあるなんて。
>おい、あまり調子にのるなよ
>この後痛い目見そう
>追い詰められたメスは何をするかわからないから気をつけてね
大丈夫大丈夫!なにせ俺は一度ウツギに勝っているんだ!心配ない!
「そう。そういう反応するのね…分かったわ。あのときはあなたのこと全く知らなかったけど、今は違う。聞くところによると、あなたも女性に弱いらしいじゃない?…私も覚悟を決めてその弱点を突かせてもらうわ」
そう言うと、ウツギが何だかブツブツ小声で自問自答しだした。
なになに?俺はチップに働きかけて聴力を強化する。
「(私はやれる私はやれる私はやれる私はやれる私はやれる…)」
尋常じゃない様子で呟いてる。そして、軍服のチャックを下ろし、胸を強調するかのようなセクシーな着こなしをした。
おうふ…あらあら…良いものをお持ちで…いい景色だ!
…じゃなかった!そんなことを考えている場合じゃない!なんだかヤバそうな空気感だ。追い詰めすぎたか?別にこの惑星に住むくらい許可を出しても良いのだが…ちょっと調子に乗りすぎたかもしれない。
正直ウツギは俺的に充分可愛いしセクシーだ。ちょっとでも色気を出されたら俺には勝ち目がない。俺が強気で対応できたのは、ウツギが女の部分を出さなかったからだ。
これは…逃げたほうが良いかもしれない。
俺が行動に移すより早く、ウツギがサイキック能力を使い俺の元へ猛スピードで飛んできた。
早い!ぶつかる!
あのスピードで突っ込んできたら、かなり強い衝撃が来るはずだ。
俺は反射的に目をつむった。そしてもうすぐ来るであろう衝撃に備えていると…
ちゅっ。
俺の予想を裏切り、襲ってきたのはとても柔らかい感触。
え?え?なにをされたの?
まさか……キス、してきた?
その証拠に、俺の頬がほんのりと湿り気を帯びている。
俺の脳が今されたことを認識した途端、心臓がどくどくと喜ぶように激しく跳ね回りだした。
脳内でファンファーレが鳴り響く。俺の細胞全てが喜んでいる気がする。
「う、うちにここまでさせたんだから、許可を出しなさい!良いわよね」
ウツギが俺の肩に両手を置いてまくし立ててくる。
ここまで近づかれて初めて認識したが、ウツギからはココナッツのようなミルキーで官能的な香りが漂ってくる。とても魅力的な香りだ。
今までの態度から180度変わり、俺は途端にウツギのことを強く異性として認識させられてしまった。
「お、おう…」
いつの間にか、俺は反射的にウツギに許可を出していた。
「じゃ、じゃあね。別にあなたのことが好きでキスしたんじゃないからね!勘違いしないでよね!」
顔を真っ赤にさせながらあっという間にウツギは乗ってきた宇宙船に戻っていき、南の方にとんでいった。
>この二人、異性への攻撃力は多少あっても防御力がなさすぎる
>お互い真っ赤でなんか見ててムカついてきた
>流石にお互いピュアすぎでしょ…
もう俺はウツギには強気に出られないかもしれない。ウツギも立派な女だということを体が認識してしまった。
ま、まあ、ね。また新たにスローライフ仲間が出来ただけだ。うん。そう思っておこう。
◆
キス事件から数日。
ウツギは視聴者からあんな扱いをされているが、元々はとても優秀なカリスマ性のある戦士だ。この未開の惑星で暮らすことなど容易らしい。
それもそのはず、ウツギは火を自在に熾すパイロキネシス、ものを自在に浮かせるサイコキネシス、遠くを見渡す千里眼、短距離移動に使えるテレポートなどなど…
多種多様のサイキック能力を使い、スローライフをしているのだそうだ。
というか、SCエネルギーでも人間のワープは安全に出来ないのに、それを短距離ではあるがやってのけるのは相当サイキック能力に練度がある証拠だ。おそらく宇宙一サイキック能力に長けている女だろう。
強いサイキック能力は大量のカロリーを消費するらしいが、ここには様々な生物が居る。南方には大きくて強い動物がたくさんいるらしく、カロリーの面でも困らないらしいので修行の方も順調らしい。
やばい!あいつ意外と隙がないぞ!どこかポンコツ臭がするから、スローライフなんてできっこないと内心では思っていたのに!サイキック能力ってズルい!チートだ!
もしかして、この惑星にいるポンコツって…俺だけ?
いやいや…俺には筋肉がある!筋肉を信じるんだ!筋肉の力は無限大だ!
いけないいけない。こんな考えになるなんて、鍛え方が足りない証拠だ。俺ももっと鍛えなければ…
と、結論付けたところで、そろそろいつも通り配信でも始めようかな。
「えー今から南の方へ探索しに行きたいと思います。なんかデカくて強い生物ばかり居るらしいです」
>相変わらず突然の配信開始
>今日も楽しみ
>また1時間くらい走るよね!取り敢えず全裸になった
うん、視聴者も平常運転だな。
俺は南の方へ向かってかなりのスピードで走り出す。いつものごとく視聴者と雑談しながら1時間くらい走ると、森を抜けた。
「ここは…荒野か?広大な荒野だなぁ…」
>荒野だけじゃなくて大きな山もあるね
>確かに大きな動物多いね
>ここに居る動物みんな顔つきが強者の面構えだな
確かにどの動物もキリッとした表情をしている気がする。
「相変わらずこの惑星には色々な生き物がいるけど、ここには肉食獣が多そうかな?」
>見た感じ7割位肉食かなぁ
>いま遠くで見えたゾウとかガチョウとかは一応草食獣か。何故かやたらムキムキだったけど…
>やたらデカい鷲とか鷹とかいるね。襲われたらひとたまりもない
>この地域、どの動物見ても強そうなやつしかいないな
辺りをざっと観察していると、ふとあまり嗅ぎなれないような香りが漂ってきた。この香り、前世で嗅いだことがあるような…
「あ、思い出した!潮風の香りだ!風からかすかに潮の香りがする!といういことは…どこかに海がありそう!」
>お?海いいね
>水着回来た?
>ぬーげ!ぬーげ!ぬーげ!
「いやあ…この感じだと多分海も危険生物が多くて遊べないと思うぞ。だから、水着回は無しです!残念でした!そんなことよりもさ、ウツギはここらへんに住んでるらしいよ。よくこんな所で住めるよなぁ…」
>ウツギさんもあなたと同じように、今は配信で稼いでるよ
>いろんな生物とサイキックで戦う姿が見てて結構面白い
>正直弱いと思ってたけど、めっちゃ強くてびっくりした。よくあの女に勝てたね
>あの女料理がやたら上手いから見てるとお腹すくんだよね。それも冗談みたいな量食べてるし…
そうか、ウツギも配信生活か。聞く限り順調なようだ。
「じゃあここがどんな特色のある土地かはウツギの配信見てる人は知ってるのか」
>知ってるよ
>ここには宝石とか鉱物資源とかたくさんあるよ。
>ウツギは簡素で機能的な家と、鍛冶場と酒蔵をつくってたよ
>ここの素材、優秀なのが多い
>巨大な崖とか洞窟とか流砂とか色々な地形がある
>海もあるし、海底火山があるから温泉もある。
「温泉…だと!?入りたい!案内してくれ!」
>いやあ…あなたがあそこに行くのは無理だと思う
>10キロくらいの高い崖登った先にあるし、そこら辺には100m級のグリズリーが生息してる
>あなたが逃げたバカ恐竜よりデカいよ
「うん、それは無理だ。やはりもっと鍛えなければ」
>鍛えてなんとかなる問題なのか
>少しは技術を磨け
>宇宙CQCさえあればどんな相手だろうと対処できます!皆さんこの機会に宇宙CQCを習ってみませんか!今ならなんと入会無料!
>ここで営業するな
「あれだな、一旦今日は探索やめて帰るか。ここの生物に現状は勝てそうにないし。なんか対策してからここにこよう。俺にはまだこのあたりは早そうだ」
>それがいいね
>もう少しレベルを上げよう
>ここに来れるようになったら文化は発展しそう。優秀な素材多いし
>せめてバカ恐竜を倒してから来たほうが良いね、だいたいどの生物もバカ恐竜くらいの強さはあるから
なるほど…そこまでここらの生物は強いのか…なにか対策をしないとなぁ…
かといって、今更宇宙CQCを習得するつもりもない。あの武術、筋肉をほぼ使わないから俺向きじゃないのだ。
筋肉を活かせるなにか、考えておこう。
「ということで、今日の配信はここまで、おつ~」
>おつ
>おつかれ
>カツカレー
>毎回カツカレーニキいるな
>今日も楽しかった
南の方の探索はあまり収穫がなかった。今の俺には早かったようだ。
それにしても、ここには温泉があるのかあ…温泉、良いなぁ…
ところで、今ふと思ったのだが…
もしかしてウツギの配信、入浴シーンがある?
別にあいつの裸なんて興味ないけど、断じて無いけど!一応確認しておこうかな。一応ね!ほら!温泉にも興味あるし!
いやあ…帰って配信見るの、楽しみだな~
次回予告:風呂キャンセル界隈




