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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
4章 夏休み!

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動物競争!その2!色仕掛けには筋肉で対抗!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 俺が第二エリアに入ると、大量の視聴者の群れが飛びかかってきた。


 まあ、どれだけ人がいようと、所詮は素人の群れ。(かわ)すなんて容易い。


 俺はひょいひょいと避けていき、どんどん進んでいく。


 ある程度集団から抜け出すと、今度は大量の雪玉が俺に向かって投げられた。


(雪玉程度なら避けるまでもないか……いや!なんか嫌な予感がする!一応、全て避けよう!)


 俺は見事な身体(さば)きで、全ての雪玉を避けていく。


 …うん、避けられた後のアイツら観光客のあの本気で悔しそうな表情を見て確信した。


 絶対にあの雪玉には、なにか仕掛けがある!


「すまんな観光客ども!そんなヒョロヒョロの雪玉。いくら投げようが俺には当たらんぞ!」


「「「いけーー!!!諦めずに、投げ続けろ!!!」」」


 たとえどんな仕掛けがあろうと、当たらなければどうということはない。ま、せいぜい頑張ってくれや。どんなことをされようと、楽々クリアしてやるよ。


 

 このまま行けば、俺は簡単に第二エリアをクリアできただろう。ただ、現実はそうはならなかった。


 ある一人の観光客の独り言が聞こえてしまった。それがきっかけとなり、これはここからかなり苦戦することになった。


「あ、ブラが外れちゃった…」


「え?」


 投げられた雪玉のことなどすっかり忘れ、俺は思わず振り返ってしまう。


 ドドドドドド!


 足を止めた俺に、大量の雪玉がヒット!


 …しまった!つい気をとられてしまった!


 まあ、ただ雪玉に当たっただけ。こんなの、障害になりえな――あれ?


(か、身体がどうやっても動かない!)

 

 レースが終わった後に聞いた話によると、あの雪玉には、当たれば「一秒だけ体を止める」デバフが付与されていたらしい。


 だから、俺は今一歩も動けないのだ。


「そうだ!ヒノキにはどんなに雑だろうが色仕掛けが効くんだった!みんな!色仕掛けの準備はいい?」


「「「おおー!!!!」」」


 ヤバい!観光客がそっちの方向性で一つにまとまりだした!


 っと、動けるようになった!ってことは、あの雪玉に当たると、一秒くらい拘束されるっぽい!そして、身体が動けないうちに雪玉に当たっても、追加で一秒動けなくなるということでもなさそうだ。


 おっと、そんなことを分析している場合ではない!早く逃げないと!


「いやーん」「うふーん」「あはーん」


 また俺は思わず足を止め、声の方向に振り向いてしまう――視界に入ってきたのは、ただそういう声を出しながら、俺を追いかける足の早い三人の観光客。


 くっそ!あんな雑な色仕掛けでも、どうしても気になってしまう!罠だと分かっているのに!


 気を取られた俺は、案の定投げられた雪玉に当たる。


 そして、さっき雑な嬌声(きょうせい)をあげた三人が、ガッチリと俺に絡みついてきた!おそらく、動けるようになった後も、すぐに逃げられないようにするためだろう。


 …これで、もっと状況は悪くなってしまった。後は似たようなことを繰り返し、一秒ごとに俺に雪玉を当てるだけで、俺は一生この場所から動けないだろう。

 

 くそう!どうする?どうすれば良い?何か打開策はないか?考えろ!考え続けるんだ!


 俺は動かない身体の代わりに、頭を必死に動かした。


 ん?そういえば…


 今ふと思ったが、コイツら観光客が絡みついてきているわりに、セクハラなどはされていない。


 ということは、俺の妨害にも、一応ルールや制限があるということだ。ルール無用なら、問答無用で過激なセクハラをしてくるだろうしな。


 ということは、雪玉の数も制限があるってことでは?


 じゃあ、大人しく雪玉の数がきれるのを待つ?

 

 …いや!そんな消極的な策じゃ絶対に一位なんて取れない!一位になるには、もっと能動的に動かなければ!


 あ、能動的というワードから連想して、ひとつ、とても強引な策を思いついた。


 かなり強引だが、もうこれ以上妙案を思いつかない。これで行こう!



「あーあーあー。これで、俺はなにも聞こえない!」


 一度デバフが切れた隙間に、強引に両手を耳に当てる。それと同時並行で目もつむる。


 ぽすん。


 すぐに次の雪玉が当たったが、ひとまずこれは問題ない。まだ準備段階だ。


 でも、次に動けるようになったとき、俺は仕掛ける。動けるようになった瞬間と、次に雪玉が当たるまでのわずかなの隙間時間、そこが勝負の時間だ!


 そう。俺が思いついたのは、視覚と聴覚を塞ぎ、その状態で無理やり進むという、完璧な作戦だ!


 絡みついてくる手や腕なんて、無視!俺の筋肉なら、コイツらを引きずって動くことだって余裕だ。


 よし!一秒経ったので、動けるようになった!


 あーあー叫びながら、足に力を入れて、スタートダッシュをしたときのように…


 爆走ダッシュ!


 爆発的な加速により、見事に俺はこの雪玉ループから一度は抜け出すことができた。

 

 直接俺を妨害する観光客がまだ数人まとわりついているが、それくらいなら問題ないだろう。


 というか、コイツら妙に力強いな。あれだけすごい加速をしたのに、振り払えてない。絶対に離すまいという意思が伝わってくる。もはや妨害というより、女としての欲を満たしているようにしか見えないが…


 まあいい!


 あとは、この状態を継続したまま、雪玉に当たらないようにとにかく激しく動き回る!暗闇なので、自分が前に進んでいるのか後ろに進んでいるのかすら分からないが、もう自分の方向感覚を信じるしかない!


 

――そうやって無我夢中で進むこと数分。


 なぜか突然妨害が止まり、俺に引っ付いていた観光客数人が、俺を離した。


 さっきまで絶対に離さないという気概が感じられたのに、一体どうしたのだろうか?


 俺は目を開け、耳を手から離して、今どういう状況かを確認する。


『おおっと!ほぼ偶然ですが、御主人様が第二エリアを抜けたようです!これで、観光客たちはこれ以上妨害することができません!』


 たくさん動き回った結果、俺はたまたま第二エリアを抜け出していたらしい。


 よしよし!ラッキー!前に進んでいるのかかなり不安だったが、とにかくがむしゃらに進んで良かった!



 他のペットたちはまだ、それぞれが第二エリアで苦戦している。


 ロイヤルが猫じゃらしに夢中になっていたり、クスネはたくさん撫でくり回されて嬉しがっていたり、キュキュが観光客と水鉄砲勝負を楽しんでいたり、モグちゃんは肉を焼いている香りに夢中になっていたり…


 閣下なんて、観光客の一人とのんびり、一緒にゲームをしているぞ?もうこれは、実質ギブアップと言っても過言じゃないんじゃないか?


 まだ第二エリアを抜けたペットはいない。ということは、俺はこれだけ苦戦したわりには、時間自体はあまりかかっていなかったってことだな。


 …というか、俺以外の妨害方法、とっても平和だなあ。俺もあんな平和な妨害がよかったよ…


『おっと!ブラッシングやマッサージ、甘い果実の誘惑を抜け、ついにブルルとクルルが第二エリアを突破しました!これぞ親子の絆といったところでしょうか!?』


 なに!?もう第二エリアを抜けたのか!?


 チンタラしている暇はないな。急ぐぞ!


 俺は急いで最後のエリアに向かって走り出す。


『第三エリアは、“私”による妨害です。もちろん手加減しますし、ペットによって対応を変えるつもりはあります。でも、簡単には通しませんよ?覚悟しておいてくださいね?』


 ラスボスは、ヨヒラか。


 ヨヒラが力で妨害したら、誰も通ることができない。だから、それ以外の方法で妨害してくるのだろうが、果たして…


『ブルルとクルルには、一度離れて、それぞれ一人でもう一度最初から走ってもらいましょうか。そして御主人様には、幸せな夢を見てもらいましょう。おやすみなさい』

 

 幸せな夢?それってどういう――



 ヨヒラが、一瞬で俺との間合いを詰めた。そして、俺の目の前、顔の辺りで手を上から下へすっと下ろす。


 

――その瞬間、強烈な眠気に襲われ、俺の意識はぷつりと途切れたのだった。




「むにゃ…うえへへへへ…もうヨヒラってば、そんなに俺のこと好きなの?俺も好きだよ?なんてな。ああ、ヨヒラ、理想の嫁すぎる…」


「そろそろ起きてください。もうレースは終わりましたよ?」


「ええ…もうちょっと…んう?あれ?ここ、どこ?ヨヒラとの結婚生活は?」


「そんなの、私が見せたただの夢ですよ?ほんと御主人様は、ちょっと精神支配しただけですぐにこうなるのですから…」


「…」


 精神支配?なにそれ?


 どうも頭が追いついていない。でも、レースは終わっている様子だし…俺は負けたっぽいな。



 それから、俺は視聴者に何が起こっていたかを説明してもらった。


 俺はヨヒラに夢を見せられていたらしい。というのも、俺は「精神支配」という類の技術を、ヨヒラに使われたとのこと。


 ただ、その技術は決して万能ではない。かなり使いにくく、人間に対する効果も薄い。夢の内容、寝かせる方法、術者との信頼関係などなど、あの術にかけるにはいろんな縛りがあるらしい。


 そして、もし術にかかった場合でも、自分が望めば簡単に夢から脱出できたとのことだ。


 その術中にハマった俺は、ものの見事に足止めされ――なんなら一生起きる気配がなかったらしい。


 俺がぐっすり眠っている間、最終的にレースで勝ったのはクルル。


 まだ産まれて間もない子どもながら、母に頼らず、ヨヒラの物理的な妨害を乗り越え、一人で最後まで走りきったらしい。


 その走る姿は、とても感動的だったとのことだ。


 視聴者からは説明の合間合間に、「情けない」だとか、「見損なった」だとか、「ざっこwww」だとか、散々煽られてしまった。


 まあでも、ね。あの夢なら仕方ないよな。


 だって俺、ヨヒラに初めて会ったときに「結婚してください」って頼んだくらいだぞ?


 そんな俺が、「ヨヒラとの結婚生活」という、幸せすぎる夢から覚めることなんて、できるわけないんだよなあ…


「うるせえ!うるせえ!ヨヒラが素敵すぎるのが悪いんだよ!ということで、配信終わり!おつ!」


>お手本のような逆ギレwww

>あなた、二人も恋人いるのに…

>ヨヒラ様は私がもらうので、あなたにはもったいないと思います!

>おつかれー


 まだネチネチと視聴者から言われているが、俺は強引に配信を切ったのだった。


次回予告:夏休み、配信は最後の日

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