超大農園!食の総合テーマパーク!
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「ういーす。真紅眼白龍ムキムキイケメンのヒノキでーす。今日はチートデイの日だ。訳あって、今はトリカの宇宙船から配信しています。そして」
「トリカですわ」
「ヨヒラです」
「ということで、この三人と、それぞれのペットたちで、今日は配信していくぞ!」
>今日も楽しみ
>告知してから配信してくれ
>今日は宇宙服なんだね
>なぜかペットたちがヘソ天している件
>ヘソ天するみんな、くっそきゃわいいのだが
「クスネとキュキュがヘソ天しているのは、ロイヤルがリラックスする花の香りを二匹に浴びせたからだな。実はちょっと前まで、クスネとキュキュは大暴れしていたんだよ。ありがとう、ロイヤル。二匹を鎮めてくれて」
さっきまで、キュキュがクスネに水でいたずらし、それを受けたクスネがキュキュに向かって楽しそうに飛びかかっていき、さらにまたキュキュが空をひらりと泳いで逃げる。クスネは追う。そんなのを繰り返していた。
そして最後には、取っ組み合いのじゃれ合いをして大暴れ。
それを見かねたロイヤルが、自身の能力で落ち着かせてくれたのだ。
「なあーご」
ロイヤルは、ヘソ天している二匹の横で、丸くなりながら小さくひと鳴きした。まるで、「仕方ないわね」とため息を吐いているかのようだ。
>ロイヤルちゃん、相変わらず美しいな
>グレーの毛並みの大きいにゃんこ…素敵すぎる
>猫を崇めよ…猫は人間よりも、何よりも崇高な生物である
>ロイヤル、落ち着きがすごいよね
>サファイヤみたいな目が、キラキラしてて素敵!
「で、だ。今日はチートデイ。何をやるのかと言うと、俺の作りたかった、“大規模農園”をSCエネルギーをふんだんに使って作ることになったぞ!」
>大規模農園?
>観光地を作るわけではないのか?
>なんか、それだけ聞くと面白くなさそうな?
「少し言い方が悪かったかな。もちろん、ここも観光地にする予定だ!俺たちが作るのは『グルメカントリー』という、食の総合テーマパークだ!」
>ん?まだなんとなくしかわからんぞ?
>やーい!説明が下手くそマン!
>大規模農園は???お前、何言ってるの???
>説明ならトリカ様にしてもらえwww
>トリカ様!簡潔に説明してください
なんでだよ!これで十分伝わるだろ!そこまで俺の説明が悪いとは思わないんだが!
「じゃあ、わたくしから説明するわね」
――それから、見かねたトリカが、テキパキと空中にモニターを出し、スライドショーのような形式で、視覚的に分かりやすく説明してくれた。
『グルメカントリー』とは?
食に関するあらゆる体験ができる“食の総合テーマパーク”。
スローガン:【辺境の惑星を、食べ尽くせ!】
コンセプト:
・使用する食材は、この惑星産のみ。他の惑星からの輸入は一切なし!
・「育てる」「作る」「味わう」など、食に関するすべてのプロセスを、観光客自身が体験できる場所!
体験できる主な内容:
・農業(栽培・収穫)
・畜産・放牧(乳搾り、羊毛刈りなど)
・養殖(魚や水生植物など)
・食品加工(発酵・保存・燻製・チーズ・干物・食用タブレット・辺境の全力酒など)
・料理体験
予定されているイベント例:
・手作り料理 VS 自動調理機
・ヒノキの料理の生ライブ配信
・大食いチャレンジ
・観光客同士の料理バトル
・ウツギのお料理教室
・味覚トレーニング
・ヒノキと一緒にぶどうを踏んで、ワインを作ろう!
「とまあ、今のところ決まっているのは、こんな感じかしら?」
>やはり、最初からトリカ様に説明を任せておけよ
>面白そう!
>流石トリカ様!ヒノキとは違う!
…うん。流石にこの説明より、分かりやすくできる気はしない。ここまでされると、いちゃもんをつける気にもならないな。
「色々伝わったところで…今日俺たちは、このグルメカントリーを作る適切な場所を見つけるために、トリカの宇宙船に集まってるんだ」
>…ああ、宇宙船で惑星を丸ごとスキャンして、適切な候補地を探すってことか
>そういや、なんでこのメンバーなの?
>食に関しては、ウツギが一番こだわりがありそうだけど…
そんなコメントを見たヨヒラが、即座に説明してくれた。
「ウツギ様がいない理由は、これがトリカ様と御主人様のデートも兼ねているからです。昨日たくさんヒノキ様と遊んだウツギ様を、トリカ様は『ズルい』と感じた様です。なので、今日はウツギ様が来るのは遠慮してもらったのですよ。そして、私がいるのは、この惑星の食材に関して一番詳しく、それでいてお二人の邪魔をしないからですね」
「…そうよ。あいつはデートの邪魔なのよ」
>トリカ様、嫉妬してて可愛い
>ウツギさんwwwのけ者にされてて草
>トリカ様に愛されすぎてて、ヒノキずるいぞ!私もトリカ様に愛されたい!
…なんか、照れるな。
俺は感情のままに、トリカを後ろから抱きしめたのだった。
「…コホン。では、スキャンを開始するわね」
しばらくして、トリカが少しの照れを隠すように俺の腕から離れ、作業を開始してしまった。
…ああ、残念。俺はもっとこのままトリカを抱きしめていたかったのだがなあ…今日はたくさんやることがあるので、仕方ないか。
トリカが宇宙船の操作パネルに指を滑らせる。少し操作すると、すぐにスキャンが開始された。
ものの数秒で惑星全てのスキャンが終わり、目の前のスクリーンにこの惑星の地形データが表示される。
ここからさらにトリカが操作パネルを操作し、ポチポチと何か設定する。どうやら、AIに条件に合う土地を選別させたようだ。
「農業・放牧・養殖に適している場所で、面積は最低でも半径10km以上。周囲に海があり、開発に支障がない土地……この条件だと、候補地は五つですわ」
表示された候補地は、パッと見どこも悪くなさそう。
「ここ、いいんじゃね?」
俺は軽い気持ちで、候補地の中で、ひときわ目を引いた場所を指差した。
砂漠と海が隣接している珍しい地形。気候は常夏で、周囲は海。砂漠ばかり広がっている空白地だ。
「たしかに、ここは平地ですし、この豊かな自然の惑星を破壊することもなさそうですね」
「そうですわね。じゃあ、ここに決定しましょうか!」
>ぱちぱちぱち!
>パチパチパチ!
>いいね!
トリカの宣言に、コメント欄におめでたい空気が流れる。
決断が早い!流石はトリカと言ったところか。
もし決定役が俺なら、この五つの候補地を吟味しまくって、今日中には決まらなかっただろうな。トリカは相変わらず決断力があって助かるわ。
早く決まったので、俺たちは実際にその場所へ移動することに。どんな場所か実際に目にして、さらに今できる限り作れるものは作ってしまおうとなったのだ。
その移動中、俺はスキャンされた惑星フルールをまじまじと見ていた。
惑星丸ごとスキャンするなんて、今後そうそうあることじゃないだろうしな。今のうちに見て楽しんでおきたいんだよね。
そんな風に考えながらスキャンされたフルールを見ていると、ふと、俺はある違和感を覚えた。
違和感を感じたのは、惑星フルールの構造について。
…あれ?これって、普通のことだっけ?また俺の常識がないパターンか?
とりあえずここは、俺よりは惑星の構造に詳しそうな二人に聞いてみよう。
「なあ?なんでこの惑星の中心の核部分が“空洞”になっているんだろうな?これって普通?」
「は?」
「はあ?」
>…まじで何言ってるの?
>お前には何が見えてるんだ
>空洞なんてないが?ごく普通の核じゃん
>疲れてる?
>幻覚でも見ているのか?
…え?なにその反応。
その反応を真に受けると…
もしかしてだけど、これって俺にしか見えていないってこと?
…そんな事ある?
でも、絶対にこの惑星の中心には、不自然な空洞がある。なぜかみんなには見えていないが、俺にはしっかり見えているもん。
俺の直感では、あの空洞の場所は、なにかものすごく重要な場所な気がするのだが…
……うん。分からん!どうせ考えても分からんし、考えるのやーめた!
世の中には、まだまだ未知なことがあるってことだ。今は無理やりそう考えて、このことは一旦頭の片隅に放置しておこう。これ以上言っても、おかしいやつ扱いされるだけだろうからな。
「まあいいや!この話は終わり!なんてったって、もう予定地に着いたからな!」
――その後、俺たちはグルメカントリー予定地に赴き、SCエネルギーを使って大規模に工事を開始した。
俺が作ったのは、このグルメカントリーの中心地、大規模農園だ。
農地の形は巨大な円。そして、そこから縦に、段になるように、段々に農地を積み上がる形で作る。
SCエネルギーを使えば、こんな無理やりな土地の活用法ができるのだ。
一方その頃二人はというと、トリカはその周囲にとにかくたくさん施設を建てており、ヨヒラは俺が作った農地の環境を調整したり、家畜化しやすい生物をピックアップして、放牧地を適切な環境に調整したりしていた。
素晴らしく効率的な分担作業だ。この調子なら、次のチートデイにはもうグルメカントリーは完成しているかもしれないな。
…まあ、それは流石に楽観視しすぎか。まだ大まかにできただけで、細かいところはこれからだもんな。
「俺はこれでSCエネルギーがなくなったから、一旦今日の仕事は終了!配信も終了するぞ!もちろんこの観光地も、みんなで作っていくつもりだ。だから、じゃんじゃんアイデア、コメントを募集しているぞ!じゃあ、おつー」
次回予告:てってってっ~、てってって~、てってってって・てって~♪




