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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
4章 夏休み!

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陶芸開始!焼き物づくりは難しい!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。


「ういーす。凄腕家政婦ムキムキイケメンのヒノキでーす。今日はここに閣下も遊びに来ています」


「かっか!」


>配信前に告知しろ

>今日も楽しみ!

>閣下可愛い!

>相変わらず自己紹介が適当だな

ヨヒラ>閣下様、素敵!

>初手配信にヨヒラ様がいる件www


「今日のダサTの文字は“めんたいこ”だ!好きなんだよね」


>分かるー

>スケトウダラの唐辛子漬けだっけ?食べたことないわ

>美味しいよね

>明太マヨはなんにでも合うからな


「で、だ。今日は俺が米が食べたくて仕方がないから、米を炊く羽釜と、かまどを作るぞ!」


「かっか!」


「おう!閣下もお手伝いよろしくな!」


>閣下やる気満々で可愛い

>頭のやつが赤くピカピカしてるな

ヨヒラ>赤の光はやる気まんまんのときですね。閣下素敵!

>ヨヒラさん、閣下が好きすぎるwww


 どうもヨヒラは閣下が配信に映ると、積極的にコメントしてくれる。配信が盛り上がるので、どんどんコメントしてくれよな。


「さて、まずはかまどから作っていくぞ!そのために、昨日大量の粘土を採取して、そこにバカ恐竜の骨を砕いたものと、南の硬い岩を削ったのを混ぜておいた!」


 チップによると、これらを粘土に混ぜると、「耐火性」「耐久性」が高まるのだそうだ。


「あっ、そうだ!今日の配信でどうしても“速乾粉”を使いたかったから、一つ変なクエストを受けたぞ!報酬が速乾粉なんてマイナーなものが報酬のクエストは、その変な一個しかなかったからな」


>速乾粉ってあれか。粘土とかに混ぜると一時間くらいで乾いて、焼かなくともガチガチに固まるやつか

>速乾粉なんて、普段使わないからなあ…

>どんなクエスト受けたの?


「俺が受けたクエストを表示するぞ」


────


【クエスト:チャーハン鑑定士になりたい!】


達成条件:手作りのチャーハン一粒

報酬:速乾粉×百


「人というのは愚かな存在だ。誰しもが醜い本性を隠して、日々過ごしている」


「だがしかし、人はチャーハンを作る時にのみ、本性が出る!そう朕は愚考しますゾ!」


「朕には、チャーハンを食べる時に、作り手の本性を読み取ることの出来る、稀有な才能があるのだ!」


 …というようなキャラで、これから“チャーハン鑑定士”として働いていこうと思うのですが、ヒノキさんはどう思います?


 この仕事、成功すると思いますかね?



 P.S. あっ、クエストは適当にチャーハンを作ってくれれば、速乾粉×百を渡します。男が作った料理は価値が馬鹿みたいに高いので、チャーハンは一粒で大丈夫です。もちろん、チャーハンの食材は全てそちらに送りますので、どうか私の仕事の練習に付き合ってください!


────


「な?変なクエストだろ?全てにおいて何を言っているのか分からないし、そもそもクエストの体をなしたお悩み相談だし…色々ぶっ飛んだクエストだったわ」


>何だこのクエストwww

>チャーハン鑑定士???というか、どういうキャラ???

>たまーにこういう変な肩書で稼ごうとする人いるよな

>どう思います?じゃねえよwww


 ほら?この宇宙では娯楽が金になるから、こういう変な仕事も顧客に受けさえすれば、稼げはする。だからか、こういうぶっ飛んだことを仕事にしてる人が、そこそこの数いるんだよね。


「ま、そんなわけで、今俺の手には速乾粉がたくさんある。だから、羽釜とかまどをつくって、余った時間で他にも色々陶芸をするぞ!」


 フライパンとか、土鍋とか、皿とか、花瓶とか、植木鉢、壺とか…


 粘土で作りたいものはたくさんある。


 俺は今まで、石の皿や、串焼き、葉っぱの皿、ナイフで作ったいびつな木の皿で食事をしていた。でも、俺もスローライフに慣れてきたし、そろそろしっかりとした食器を使ってもいいと思うんだよね。


 というか、あれだな。


 今思えば、もっと早くから粘土を使って、色々作ってみればよかったな。


 この拠点付近には粘土質の土が豊富にあったのだが、俺はそれらをただの土としか認識していなかった。だから、そもそも粘土として使おうとすら思わなかったんだよね。

 

 陶芸をやろうとして初めて、「あ、ここってこんなに自然の粘土質土壌が豊富だったんだ…」って気づいたのだ。


「じゃ、かまどを作っていきますか!場所は…ほんとは家の中で作りたいんだが、そうするには排煙とかの問題で、小規模なリフォームが必要っぽいよなあ…そんなの今の俺にはできないし、さて、どうするか…」


 第一候補として思いついたのは、囲炉裏の近く。あそこは料理によく使う井戸も近くにあるし、そこにかまどがあれば、料理と同時並行で米を炊くことができる。


 ただ、あそこは思いっきり外だから、雨の日には使えないという欠点は見逃せない。


 屋根をつければその問題も解決するのだが…俺は現状、屋根の作り方なんて知らないからな。お手軽に屋根を作ろうとはなかなか思わないのだ。


 そんな風に俺がうんうん悩んでいると…


「かっか!!」


 突然閣下が、どこかやる気に満ちたような、大きな声をあげた。思わず、俺も顔を上げる。


「ん?どうし――あらあら……おお!いいじゃん!ナイス閣下!ありがとう!」


 俺が「ここにかまどがあればいいなあ…」と思っていた家の片隅に、閣下がしっかりとした換気設備を作ってくれたのだ!


>閣下すげええ!!!

>閣下がヒノキの家の一部をリフォームしちゃった!

>閣下は気が利くなあ

>やはり、SCエネルギーは便利

>ちょっとずるくない?チートは使わないって言ってたよね?


「まあまあ、閣下がわざわざ俺のためにやってくれたことだから、あんまり細かいことを言うな。SCエネルギーを使わないって話だが……これはセーフということで。だって、俺が使ったわけじゃないもん!」


ヨヒラ>閣下様がやってくれたことを否定する人なんていません。閣下素敵!

>あ、はい。

>ヨヒラ様…


 なんだか、ヨヒラがコメント欄で閣下全肯定BOTとなっているようだが、まあ良いか。別に害があるわけではないしな。


 俺は満足げな閣下を、よしよしと優しく撫でる。オレンジにピカピカ光って、とても嬉しそうだ。


「さて、閣下がリフォームしてくれたおかげで、家の中にかまどを作れることになった。ということで、まずはここにかまどを作っていくぞ!」


「かっか!」


 

――そこからかまどを作り終えるまで、コメントが確認できないほど集中しながら、作業を進めていった。


「えっと……かまどの形はロの字型。要するに四角く囲って、上に羽釜をセットできる空間を作る。煙の逃げ道として、煙突の穴も忘れずに…っと」


 俺はチップから教えてもらった知識を元に、ぼそぼそ呟きながら、段ボールを使って枠を作っていく。


 枠さえできてしまえば、あとは中に粘土を詰めるだけ。構造自体はシンプルだから、意外と簡単に作れるのだ。


「で、だ。ここの空洞に粘土を詰め込めば、もうほとんど完成っていうわけだ。あ、閣下。このモルタルみたいな状態の粘土に、速乾粉を入れてくれ」


「かっか!」


 閣下が速乾粉を粘土に入れてくれたので、俺は木の棒を使って力いっぱい混ぜる。こうすると、速乾粉の作用により、この粘土は焼かなくとも水分が蒸発し、一時間後には焼いたときと同じ様に、しっかり硬質化するのだ。


「よし!もう良いかな?じゃあ閣下!このスコップを使って、中に粘土を入れていってくれ!」


「かっか!」


 閣下は俺が用意した小さいスコップを使い、ちまちまと粘土を詰めていく。俺も大きなスコップを使い、同様の作業をする。


「…よし!これくらいでいいな。じゃあ、後はこの粘土の空気を抜くために、外からぽんぽんと手で叩く!」


 俺と閣下で外の段ボールの枠をポンポン。ポンポン――


「よし!完成だ!」


「かっか!」


 閣下とハイタッチをして、喜びを分かち合う。


 もうあと一時間もすれば、ガチガチに固まって立派なかまどになるだろう。完全な完成が楽しみだ。



「で、だ。問題は羽釜作りなんだよな。こっちのほうが難しそうなんだよね」


 なにせ、羽釜をつくるには、ろくろ回しみたいな陶芸の技術がいるからな。手先が器用かつ、練習しないと、きれいな羽釜はできないだろう。


「でも、俺には頼れる閣下がいる!二人の力を合わせれば、きっとできるはずだ!頑張るぞ!」


「かっか!」


 俺はなんとかろくろ回しができるように、くるくる周る土台を作ることに。


 丸太の中心に穴を貫通させ、そこに油を入れ、木の棒を入れる。今の俺の技術でできるのは、これくらいなものだろう。


 手動で回転させないといけないし、滑らかには回転しないが、これでも最低限の回転はする。一旦これで何度もやってみよう!



――閣下と悪戦苦闘すること数時間。


「おっ?今回のはかなりいい感じじゃないか?ちゃんと羽釜の形になってるっぽいぞ!」


「かっか!」


 多少ガタガタで、少しだけ歪だが、今までより数段マシな形に整形できた。


 …正直、もう一度同じものを作れと言われても無理だろうな。何度もチャレンジして、今回たまたま良いものができただけだもん。ま、結果オーライということで。


 


 ちなみに、あの「回転する土台で形を整える、本格的な陶芸スタイル」は、あまりにも難しくてすぐに挫折してしまった。


 そこで、粘土の加水率などを調整し、幼児用粘土のような扱いやすい柔らかさにしてから成形する方法に切り替えた。


「うん、かまどの穴にもぴったり入る!これなら文句なしだ!ということで、後は乾きさえすれば、羽釜の完成だ!」


「かっか!」


 あー、疲れた。めちゃくちゃ集中力を使ったわ。


「閣下も手伝いありがとうな!閣下がいなきゃ、多分作れなかったよ」


 俺は大まかな形を作り、閣下には、羽釜の中心の引っ掛かり部分の整形を助けてもらった。


>パチパチパチ

>やるじゃん

>いやあ…羽釜は強敵でしたね

>閣下の方が陶芸がうまい件について


 たしかに、閣下が思ったより器用だったのは意外だった。あんな小さいおててなのに、見事に引っかかり部分を作り上げたもん。


「じゃ、俺も閣下もかなり疲れたから、今日の配信はこれで終了させてもらう!あんまりコメント読めなくてすまんな!じゃあ、おつー」


 

――その日の夜、俺はこの惑星で初めて、米を食べた。


 この惑星の米は、見た目も香りも味も、普通そのもの。でも、それが何より幸せだった。


 俺は実際に飛び上がってしまうほど喜びながら、米を味わい尽くしたのだった。


次回予告:ポンコツヘタレ処女の乱入

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― 新着の感想 ―
味は普通 裏で助けられてる気もするけど……ヨシ!
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