海浜騒宴!壮絶な修羅場!?
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昨日配信で言った通り、現在俺たちはみんなで海に集まっている。
バキ!ドカン!ドドドドドドド!シュンシュンシュン!ゴオオオオオ!
…そう。海に来ている、のだが…
「いやあ…この惑星の海もすごく綺麗でいいね!ね?ヨヒラさん。ヒノキ?」
おっと、セリは目の前のアレを完全無視するつもりのようだ。
キュインキュインキュイン!!ゴロゴロゴロ!ザバーーーン!!
「ふふ、そうですね。この場所は生き物の多様性もなかなかのものですし、砂もさらさらしていてとても綺麗ですね」
ああ。ヨヒラもあの光景を見物しながらも、止めたり口出ししたりするつもりもないのね。
ポポポポポン!ファアアアアアン!ヌッチャヌッチャ!ピギギギギギギギギィ!
じゃ、みんなそうするみたいだし、俺も…
「ハ、ハハハ。そ、それにしても、海も綺麗だし、みんなの水着も眼福だし、楽しい海水浴になりそうだなあ~」
>お前があの修羅場の原因なんだから、責任とって止めにいけ
>というか、ヒノキも脱げよ。話はそれからだ
>ダサTに“ぱーふぇくとぼでぃ”とか書いてるんだから、脱げよ
>【水着回!】のタイトルにつられて配信開いたら、なぜか爆発音が聞こえてきた件www
>お前がスルーするのは話が違う
>中途半端にスルーするくらいなら、最初からあんなこと言うな
「なんでだよ!もう俺にもどうしようもないだろ!あんな激しい喧嘩、止める力なんて俺にはないんだから!」
思わずコメントにツッコんでしまった。
そう。コメントにある通り、今俺の目の前の、海の上の空中で、壮絶な喧嘩が繰り広げられているのだ。
訳のわからない音を発生させている原因の二人は、トリカとウツギ。
そんな二人が喧嘩している中、俺たちは今、海辺でヨヒラが作ってくれた“セーフティーゾーン”の中に座っている。
セーフティーゾーンとは、いわゆる透明なバリアのようなもので、どんな激しい攻撃だろうが、一切通さない。闘技場でも使われていた技術だ。
よって、ここにいれば戦闘の余波に巻き込まれず、絶対に安心だ。そう、安心なのだが…
それでも、知り合い二人が激しい喧嘩しているのを見ると、気が気じゃない。
それを酒の肴にするかのように、平然と見学しながら休んでいるヨヒラとセリの肝っ玉がすごいわ。
目の前では、過激な殺し合いをしながらも、壮絶な舌戦が繰り広げられている。そう、このように──
「あなたみたいな腐れポンコツ処女には、ヒノキの浮気相手になるなんて不可能よ。諦めなさい」
「うるさい!あなたたちがうかうかしている間に、あの男を絶対に奪ってやるからね!あなたはうちに恋人を奪われる瞬間を、ただ指を咥えて見ていればいいのよ!」
「…その減らず口、すぐにたたけないようにしてやるわ。あと、その攻めすぎた水着も見苦しいからやめなさい。全く、似合ってないわよ?センスの欠片もない可哀想なあなたに、優しいわたくしが、この後全身鏡を送ってあげるわ!」
「あら?ほんとにそうかしら?確かにこの水着、センスが良いとは言えないかもだけど、少なくともヒノキはうちのおっぱいに夢中のようだけど?…ああ!ごっめーん!あなたは“貧乳”だから、こんな布面積の少ない水着でも着こなしてしまう、うちのことが羨ましいのよねえ??察しが悪くてごめんなさいね」
「ふぅん……自意識過剰も甚だしいわね。残念ながら、ヒノキが真に夢中なのはわたくしだけよ。ヒノキが一時の興味であなたを見たとしても、せいぜい“安い女”として一時的に使い捨てられるだけ。まあ、あなたは道化のように、せいぜい必死に媚びてなさい。哀れだけど、見てる分には笑えるから」
「へぇ……でも、あなた。さっきからやたら早口だけど、胸のことを指摘されてムカついちゃったの?こめかみに青筋がピキピキと浮かんでいるわよ?あっ、ごっめーん!例え“事実”だとしても、気にしていることを言うのは大人げなかったわね」
「…あなたこそ、さっきから顔を引きつらせっぱなしよ?無理しているのがバレバレ。わたくしの正論に、ぐうの音も出ないんじゃなくて?」
「……ふふ」
「……ふふふ」
……怖い。ギスギスするのやめて。見ているだけで、胃がキリキリしてきた。
この二人の喧嘩…いや、もはや戦闘についてなのだが。
闘技場で上位争いする実力のウツギが圧倒的有利かと思っていたが、その実戦闘がかなり長引いている。
その理由は、ウツギの高い戦闘力に対抗するために、トリカは金を湯水のように使い、ありとあらゆる兵器を使って戦いまくっているからだ。
闘技場での戦いはルール無用のようで、一応最低限のルールはある。なので、ウツギはあのような大量の兵器と闘ったことなどないはずだ。
結果、お互い実力は互角。
目の前では闘技場では決して見ることができないような、激しい戦闘が繰り広げられているというわけだ。
…な?これ、止めるのなんて無理だろ?そもそも止めるにも実力が足りないし、このヒエッヒエの空気の中、止めに行く度胸もない。俺にとってあそこは死地にしか見えないからな。
こんなの、俺にどうしろって言うんだ!
俺にできることは、静かにこの争いが収まるのを、ひたすら待つことだけ。
ペットたちと戯れながら、セリとヨヒラと平和的に遊んで待っていましょうかね…
「というかさあ。これって、俺が悪いのか?」
>お前が悪い
>そうに決まってるだろ?
>全てのことには原因がある
>ウツギがわる…いや、やっぱお前が悪いわ
>お前が諸悪の根源
うん。視聴者はみんな同じような意見だな。
「僕もヒノキが悪いと思う」
「私もそう思いますね」
セリやヨヒラまでそう言う始末。そんなに俺のあの発言、悪かったかなあ…
さて、何があったのか、少し思い出してみようか。
────俺はこの日が来るのをウッキウキで待っていた。
複数人の女性たちと海で遊ぶなんて、前世では考えられなかったからな。あまりに楽しみすぎて、俺はいつもよりテンションが明らかに高かった。
…今だから言えるが、このテンションの高さが、この騒動の原因の一つだ。
真っ先に海にたどり着いた俺は、みんなが来るのをワクワクしながら待っていた。
みんなの水着姿を見るのが楽しみで楽しみで仕方なかったのだ。
水着姿を見るために、俺は事前に「なるべく可愛い水着で来てくれ!」と死ぬほどお願いしておいたくらい、楽しみだったのだ。
なにせ、俺が何も言わないと、水着すら着てくれるか怪しかったからな。
この宇宙の女性は、あまり水着にこだわらない。それは、男女比が1:10で、女性が圧倒的に多いことに理由がある。簡単に説明すると、水着姿を男に見せる機会なんて早々ないので、水着なんてなんでも良いと考える女性が大半っていうわけだ。
それに、わざわざ水着にならなくとも、高性能な服のおかげで普通の服でも水を弾いてくれる。他にも、ほとんどの普段着には、濡れても重くならなかったり、速乾作用があったりするので、正直水着になる必要は全くないのだ。
そんな中でも、俺はどうしても女性の水着姿が見たかった。なので、必死にお願いしたというわけだ。
俺の願いもあり、なんとかみんな水着で来てくれることになった。
俺が早く来て待っていると、みんなが続々とやってきた。
最初に来たのはセリだ。
「グレイト!競泳水着か!色気こそ少ないが、こういう場で水着ってだけで素晴らしい!」
次にやってきたのはヨヒラだ。
「エクセレント!いつもの露出が多いメイド服を、水着風にアレンジしたのか!背中のバカデカ斧が相変わらず物騒だが…それを差し置いたとしても、めちゃくちゃ良いね!」
次にやってきたのはトリカ。
「ワンダフル!上品なワンピースタイプの水着か!相変わらずセンスが良くて、もはや芸術だ!完成された美しさがあるな!」
そう。このように俺はテンションが上りすぎていて、女性の水着姿を品評してしまうという、かなりダメなはしゃぎ方をしてしまった。
ただまあ、これくらいならまだギリギリ、俺が見苦しいというだけの、笑い話で終わっただろう。
──事件がおこったのはウツギが来てからだ。
俺は時間ちょうどに瞬間移動でやってきたウツギを見て、
「マーベラス…布面積のかなり小さいビキニっだと…!?うん。あれだわ…とにかくエロい!これはヤバい!俺には刺激が強すぎる!一旦落ち着かないと!」
これは、見惚れてしまっても仕方がない!あまりに俺に効果バツグンだったからな!
そんな風に慌てながらも、俺はなんとか落ち着こうとした。
最近ウツギに誘惑されっぱなしで、俺の恋人二人に悪いと思っていたからな。
そう。この時の行動をきっかけに、この喧嘩は始まったのだ。
テンパった結果、俺が取った行動は…
「あ、えっと、この中で言えば……ふぅ。やっぱトリカの姿を見ると、一番落ち着くわ。クールダウン、クールダウン」
────
で、今まさにこの状況だ。
な?俺、悪くないだろ?
…うん。ごめん。完全に俺が悪かったです。
いくら落ち着くためとはいえ、トリカの水着姿を見てあんな失礼なことを言うなんて、あの時の俺はどうかしていた。
トリカからすれば、俺に「心の清涼剤」扱いされて、女性としてのプライドを傷つけられたように感じても仕方ないよな。
いや、一応ああいうことをした理由はあるんだよ?
あのトリカの姿は、まさに完成された美。そんな美しいトリカを見てると、なんだか俺の邪な気持ちが、浄化されるような気がしたんだよ!
まあ、そんな言い訳をする前に、二人が大喧嘩し始めてしまったわけだが…
いくらでも謝る!だから、とりあえず喧嘩はやめてくれ!
次回予告:ヒノキに戦力外通告を受け渡します




